■いかがお過ごし

最近ゴキブリが出ない。

いや、それは非常に結構なことなのだけれども、何の前触れもなく、ぱたりとゴキブリが出なくなったのだ。出会った頃はそれこそ僕がどんなに忙しくても会いたがる癖に、こっちが構ってやろうとすると逃げるなんてツンデレイズムにティッシュが何枚あっても足りなかったアイツがどうして最近来ないのか。

特に最近清潔にしているとか、生ゴミを出さないようにしているとか、そういったことが全く無い。むしろゴキブリ全盛期の頃と同じ生活をしているつもりだ。なのに出ないということは、完全に何かを目論んでいる。僕の部屋をのっとり、ここを一つのコロニーとして支配し、ゆくゆくはアパート、区、市、府とそのテリトリーを広げて行き最終的にはNASAから無人のシャトルが冥王星に向けて飛び立ち、惑星間エレベーターによって冥王星と結ばれた地球は、有無を言わさず殖民星として永劫の隷従を余儀なくされてしまうだろう。ゴキブリはその斥候なのだ。

時折、自らゴキブリホイホイに突っ込んでいったり、あるいは諦めたかのようにすぐ潰されるゴキブリを見ることがあるのは、彼ら一人一人が機密を帯び、それを守り抜く義務を負っているからなのだ。惑星間エレベーターの完成は近い。空を見ていると、寒気に襲われることがある。

まだ上着は手放せない。

2006年02月28日 20:11