■チェル野ブイ美3

「テニスの放射能」第三話


「ブイ美さんって、言ったかしら?」
「はい!」
「あなたに興味が沸いたわ、上がりなさい」
「え、でも、私にコートに上がる資格なんて」
「あなたの実力が知りたくなっただけよ、さっ、怖いの?」
「……いえ! やります!」
「そうこなくてはね」
(ここが…ペプ高の、テニスの名門ペプ高のコート……公式のものより狭い、そして空気が薄い…こんなところで……! あら、向こうにもう人影が、あれは……?」
「便津さん!」
「悪いわね部長、あたしにやらせてもらうわ」
「ドイツからの帰国子女なおかつ六年連続全銀河対抗機動テニス大会準優勝、さらにその暴力的なテニスから「喧嘩テニス」の異名を持つ孤高の天才プレイヤーのあなたがじきじきにやるとわね……どういう風の吹き回し?」
「ふふ、なんてことはないのよ、ちょっと私もこの子に興味が沸いただけ、それに……」
「……」
「こういう子が大っ嫌いなのよ! いくわよ、新入生!」
「お願いします!」

2006年04月15日 15:11