■着エロ

「や、ぁん、ふぅ、ぅん……はぁ…あっ!」 ピッ
「もしもし、あ、うん、俺、え? あ、わかんない、ちょっと調べてみる。うん、はーい」

「何それ」
「着メロ」
「今の喘ぎ声が?」
「うん」
「恥ずかしくないの?」
「何、俺が? それともこの女が?」
「いや携帯の頭撫でられながら言われても」
「こいつはもうそういう女だからさ」
「おまえがどういう男だか、俺にはちょっとわかんない」
「何、気に入らない? 喘ぎ声嫌い?」
「嫌いじゃないけどさ」
「じゃあいいじゃん」
「いや、でもさ、凄い視線集めてるんだけど」
「見られて感じるんだよ」
「誰がだよ」
「ホラ、もうこんなに立ってる」
「アンテナだな」
「ここもこんなに固くしやがって」
「バッテリーだな」
「いやらしい女だぜ」
「恥ずかしい男だな」

「あ、あ、あ、あ、あんっあんっあんっあっ」ピッ
「もっしー、うん、そうそう。いや、多分机の中なんだよ。いやニルヴァーナじゃなくて。そう、井上の。違う、陽水の。うん、そう、ナメ回したら開くから、うん、やってみて、はーい」

「何の話だっけ」
「こっちの台詞だ」
「お前はちょっと神経質なんだよ、気にすんなこの程度」
「高僧でも無理だ」
「だって俺の好みじゃん」
「そりゃそうだけど」

「あんあんあんあん、あっ、イッ、イクッ、あっ」ピッ
「はいはい、え? 無い? 足跡も? おっかしいな、じゃあさ、あっち探してみてよ。うん、そう、小さい方ね。間違えんなよ、小さい方だからな。うん、はーい」

「まあ俺もさ、お前の言うことがわからんでもないのよ」
「よかった。お前との意思疎通を諦めかけたところだ」
「飽きるってんだろ? 確かにこいつとも長いしさ」
「まずい、罠だったか」
「そろそろさ、ま、言い方悪いけど鞍替えしようかなあ、とか」
「機種変って解釈であってるかな」
「ただ色々めんどくせえんだよなあ」
「手続きがね」
「ぜってぇ手切れ金とか言うしさ」
「新規の方が安かったりするしね」

「やっもぅ、お願っい、イッ、イッ…くっ、あっあっあっ」ピッ
「もし、あ? 大きい方開けたの? マジで? 何で? ばっか、そんなの、えーじゃもう家で待っててよ。つづらはそのままで。うん、はーい」

「あのさ」
「なに」
「イかせてやれよせめて」
「えー」

2006年05月20日 20:18