■中間発表

卒業論文の中間発表。

が、迫っている。何をするかといえば、中間発表である。私の卒業論文の進捗状況はただいまこんな感じで、これからこんな感じのことをしていけば、最終的にこんなピサロが出来上がりますといったロザリーなのだ。しかしながら五月、まだ四回生になって間もない眼も満足に開いていないし、つかまり立ちも覚束ないような僕らに卒業論文の話をするのはどうだろうか。

だいたい中間発表なんて銘打ってるくせに全く中間じゃない。聞けば十一月にも中間発表があるという。中間が二つのいわゆる三節根方式を我が大学では採用しているようだが、肝心の真・中間である夏休みに何のケアもないというのはどういうことか。学校側は敢えて中間を避けているように見える。おそらく昔はまさに中間の八月あたりに中間発表があったのだろう、しかしあの太陽が僕らを過保護に照らす暑さの中で、臭う黄泉の調べ。死体を片付ける無表情な学長、副学長の腕に抱かれた赤ん坊、その赤ん坊の額に浮かぶ謎の紋章。

八月。「八」という文字は末広がりなどでは断じて無い。八という文字は、人類の行く末を表す決定的な文字なのだ。先細って行く進化の過程を予言したこの「八」という文字は、生物全てに適用されるカースト制の象徴。八月、カーストの頂点に立つ王の誕生となったあの月に行われた中間発表で、いったいどういう論文が発表されたのだろうか。その場にいる全ての人類を忘却の彼方へ葬らなければならない理由とは何だったのだろうか。そして僕のこの額に浮かぶ紋章の持つ意味は。ニキビだが。

2006年05月06日 11:27