日常が。
日常が非常に退屈ではあるのだけれども、ふとした拍子に退屈が破られることもある。それは何の変哲も取るにも足らないような些細な出来事、そう、道端に転がっている石ころがストーリーの主役になることだってありうるのだ。道行く人々にもそれぞれストーリーが秘められているのだ、ほらご覧、あのブスの足首にめり込むアンクレットを。
悟空と猪八戒をうまくコラボレーションさせた見た目で省エネ西遊記。イマドキ天竺目指すのに三匹も連れまわすのダルくない? という全国の玄奘の声に答えて登場したあのブスの足首にはめ込まれた戒めはブスが太れば太るほど食い込むが彼女は決してそれを外そうとはしない。何故か。だってこれが切れたら願いが叶うんだもん。乙女の「SHIHOみたいな健康的グラマーになれますように」という願いとともに砕け散るアンクレットを見て、ユゴーはレ・ミゼラブルを書いたのだと。
このように、何の変哲もないことで多少暇をつぶせることもあるのだ。取るにも足らないようなことが、幸せだったのかもしれない。よくある普通の夜の事、二度とは戻れない夜。
2006年06月03日 13:23