大学生。
そういえばまだ僕ってば大学生だった、という現実を丸文字で綴った手紙があの曇り空から破竹の勢いで僕の海馬を刺激する季節、そうテスト期間。
せめてレポートやテストをそれなりにこなせば単位は最低でももらえるはず、あと大志を抱けとはよく言ったもので、この時期になるとあらゆる授業での出席数が激増。みんな単位はほしくて堪らないのだ。僕も例外ではなくこの時期ばかりはちゃんと授業に出る。
ただ問題なのは、一度も出たことがなくさらに小規模少人数の授業、こんな場合における僕の浮き具合といったら氷山とがっぷり組んでも間違いないもので周囲からの「あいつ誰だ」「あんな人いたっけ」といった意味合いの視線浴に天まで浸かり窒息寸前。こんな状況で殺人事件でも起ころうものなら全員が僕を「おまえだー!」と指差し、そのときに発せられる意志パルスのようなもので僕の体は粉々に砕け散ることは想像に難くない。しかし被害者はそんなこと望んじゃいなかったろう、僕が死んだところで、被害者は戻ってきやしないのだ。殺人が殺人を呼び、悲しみが悲しみを呼ぶ、そんなことは避けなきゃいけない。避けなきゃいけないんだ。避けたいんだ。避けた。
2006年07月18日 17:52