■帯に短しタイミング悪し

少し太ってきた。

生活サイクルを健常な方向へ漕ぐことは苦手なくせに、アイスを食うだとか寝るとかそういう堕落に沿ったサイクルは地球の自転の方が早まる速度で漕ぐことができるというのは全くの大ボラである。僕が本気で自転車を漕いでもちょっと浮いたのちプロペラの原理で横に進むだけなので、地球の自転が少しでも早まったら脚立が安定しなくなるから困るといった紳士は安心してもよい。

とにかくこの生活サイクルを改善し、やせなければいけない。こういう話をすると決まって「お前は太っていない。お前が太っているというのなら、なぜこの世から戦争がなくならない」といった昔の話まで掘り出され後の処理が大変になるから酷く面倒、そもそもだ、そもそも。俺はそもそもだ。

贅肉を見るにつけ人間ていうものは何と不完全な生き物かと、実感せざるを得ない。最近ではとうもろこしでも皮を剥く能力があるのに、人間はいつまで経っても脱皮を覚えない。脱皮のすばらしさはもう理系のクラスにまで伝わっているはず、太ってきたなと思ったらくるぶしを爪で引っかいて切れ目をつけ、そこから贅肉を脱いで変わりにブルゾンを着ればいいのだ。

なるほど、君がしているのは「そんなことになったら皮が残りゴミが増える」という意味のスキップだな。それは違う、脱皮後の皮は人のプライバシーがソロで活動しているようなもので、誰もそんなものを人の目に届くところに放置したりしない。でも、そうなれば体育の時間にクラスのマドンナの皮が盗まれるという事件が起こり、それだけに止まらず片思いのあの娘の皮を着るといった卑劣きわまりない外道が現れ、そうなったら最早実の親でも区別がつかないだろう、なるほどそれはそういう意味の侵略行為だな。安心したまえ、ブルゾンを着ている方が娘さんだよ。

2006年08月06日 21:39