少し人生を注意深く見つめているとわかることだけれども、自動販売機って使いにくい。
あれだけの数設置されており、あれだけ長い間皆様になじんでいるもの。同じコカコーラの自販機でも所によっては値段が微妙に違ったりといった差別化にも成功しており、各々がお気に入りの自販機というものがあるはずである。フェイバリット以外でジュースを買うのは一つ浮気しているようにも感じられ、うぶなヤングたちがスナック感覚で背徳感を楽しむスポットとしても人気である。
しかしながらあの取り出し口の使いにくさは何だ。まるで平成とは思えないユーザビリティ。まずもって塹壕にでもいないと目の高さにいかない位置、そしてあの狭さ。ジュース一つがギリギリ取り出せるスペースしか空いていないため、手をつっこんで缶を掴むと取り出すことができなくなるどころか自販機の前から身動き一つ取れなくなる。ジュースはどうしても飲みたい、しかし汽笛の音はどんどん近づいてくる。もはや宿命とも言うべきジュースと命の両天秤、自販機の数だけ悲劇が産まれるのだ。
このジュース大国日本、僕の名前は甘味料! オイラの名前は酸味料! 二人合わせてボイラーだ、僕とオイラでボイラーだ! このスローガンは何だったんだろう。以前までは「まだ技術が進歩していないから、取り出し口が使いにくいのだな」と納得させてきたがもはやその言い訳は通用しない、マイクロソフトが威信をかけて全国の自販機にインテルをねじ込むべきなのだ。やれ上手投げだ、やれ小手投げだ、そんなことに気をとられて我々は一番大事なことを忘れてしまっているのではないだろうか。
現実に甘んじるのもいい。しかしたまにはあのジュース大国だった日本を、思い出してほしいと思う。
2006年08月08日 02:13