■浮気なダーリン

暑さ。

暑さ暑さに辟易する毎日を如何にしてスルーしていくか、そしてそのスルーされた人生を如何に上手く回転させて奈落インワンさせるか、こればかりを思考するも錯誤ばかりなのが人間である。エアコン、というのは人類の出した一つの結論ではあるのだけれども中々その電気代がスイッチを押す手を鈍らせる。核兵器のスイッチとエアコンのスイッチは、等量の重さを持つと言って過言ではない。

そもそも核兵器はスイッチなんてもので始動するかが甚だ疑問だ。核兵器ぐらい大事なものがスイッチ程度で発射されては、今頃うっかりノドンで針葉樹林ができている。いざ「押していいよ」と言われた場合にも問題はある。手が震えて連打した場合はそれこそ同じ場所に玉突き着弾、ワーオこれがホントのロケット鉛筆だね! なんてことを敵国の兵士たちが熱波で蒸発しながら言い放てば例え戦争に勝っても面白さでは負ける。その他にも別れた女が腹いせに押したり母親の掃除機でついついあるいは祖母が跨ごうとしてあららなんてことも起こりかねない。そう考えると核兵器のスイッチなんてものの存在が疑わしくなる。

どうしてもスイッチにしたいということならラジャー、上官の命令には従うだろう。しかしながらそのスイッチの回りには常に数人の兵士がスイッチを円陣で囲み、何人たりともスイッチに触らせぬよう警戒し続けなければいけない。否。人だけではない、いつ悪意を持った分銅がスイッチめがけて落下するとも限らない。兵士たちは球状に意識を張り巡らせいかなる物体もスイッチに接近しないように、不眠不休での警護にあたる。彼らが解放されるとき、それは核兵器が使用されるときだ。彼らが何を考え、そして何を期待しているか、それは読者の想像に任せたい。

あ、今エッチなこと考えたでしょ、もー!!

2006年08月22日 17:36