■ピント

若い人。

若い人たちが集まる場所を個人的には夢の吹き溜まりあるいはドリーム処理場と呼んでいるのだけれども、どうもこういう場所が苦手。大阪難波駅のある場所には、関西のありとあらゆるダンサーが集まり各々の腕を磨く広場がある。皆が皆それぞれ未来の哲哉小室レイヴファクトリーを目指して汗を流しているのだけれども、そのインパクトの強さからそこが待ち合わせ場所に指定されることも多い。いわば大阪のハチ公前のダンス版、SAM公前だ。

彼女とのデートなどで「今日どこいこっか、どこ行きたい?」と言われても「冷暗所」と答える僕にとって、この広場はまるで奈落そのものなのだ。もちろん僕にも夢はあるし、それに向けて頑張ってもいるつもりではあるのだけど「努力」をあそこまで煌々と表現されてしまうと何かが削られていくような感覚に襲われる。ぼんやり立っているだけでささがきに身は削られていき、一晩もほうっておけば僕のいたところに見事な俺削麺が置かれていることだろう。本場中華のラーメンを、召し上がれってな。

大陸の香りが鼻腔をくすぐるとかくすぐらないとかいう話はどうだっていい。とにかくドリーム処理場が苦手、と、ただそれだけの話なんだ。かといってあれが悪いということではない。これはきっと僕が悪い。ドリーム処理場に平気で居れるほど、きっと夢に対して努力をしていないのだろう。夢の島に新品のテレビを置くと、きっとそのテレビは凄くバツが悪いに違いない。周りは捨てられたとはいえ、ある程度本懐を遂げたゴミたちだ。手垢にもまみれず、一度も故障したことのないテレビが居るべき場所ではないのだ。

あ、何か、本当に落ち込んできたぞ。

2006年09月30日 23:14