汗。
日記を書くと汗が出る。別に風が吹けば桶屋が儲かるとかアイツが死ねば丸く収まる、みたいな慣用句を作ってノーベル慣用句賞をもらいたいとかそういうことではない。単なる事実を書いたまでである。写実主義、現代のミレーだ。僕はミレーだ。
で、ミレー的には日記を書くと凄く汗をかく。日記を「書く」と汗を「かく」を上手く引っ掛けた写実ギャグがうかつにも出来上がってしまったがこれを下手にフォローすると恥のミルフィーユになってしまうので放っておく。腐れ。つまりは日記を書いている最中僕はものすごく発熱するということなのだけど、他の誰に聞いてもそんなことはないという。
別段日記に限らず、何かを集中して考えると発熱する。夏場なんかはもう座椅子にケツ拓が出来るぐらい汗をかくのでアイスノンを首筋に当てたまま日記を書いていたりするのだけれども、やはりどう考えてもこれ、正常じゃないらしい。知人に話したとき「えええ!」と「だからか!」というリアクションを同時に頂き、驚愕と納得のナイスセッションを食らった僕は心を何に例えればいいかわからなくなったので左脳のシャッターを早めに下ろした。でも発熱するだけで身体に問題はないし、何なら、岩盤浴に代表される昨今の浴ブームに乗って日記浴とでも言い張ろうとさえ思っている。
まあ、これだと迂闊に人前で物を考えることが出来なくなるという問題はある。テストの最中なぞ危険だ。いきなり上半身裸になれば「わ、気持ち悪い!」かといって着たら「あ、問題わからなかったんだ」とバレる。「馬鹿」か「汚物」の地獄の二択。さらに理由がわからない人にとって僕は「何だかわからないけど気持ち悪いから敵」というモノに成り下がり、敵意を装填した双眸の銃口が一斉に僕へ向けられ、きっと、そんなの、失神する。
幸いにも「理性」という手錠が人間には生まれつき備わっており、今まで何とかストリップ沙汰を避けては来れた。しかし今後もっともっと難しい問題に直面したとき、超ひもドリルなんてものが宿題として出された日の保証は無い。しかしそれでも僕は生きていかないといけないのだろう。この十字架は重いけれど、きっと次は何かいいことがあるはず、明日は明日の風が吹くのだ。
そして桶屋が上場。
2006年10月10日 16:52