■マヒャ道

冷凍庫に霜がびっちり。

誰かの家に行くたびに驚かされるのは、誰の冷凍庫にも「霜」がほとんどついてないことだ。聞けば、最近の冷凍庫には「霜取り機能」なるものがついているらしく、それによって霜がつかないのだという。しかし誰も彼もがそんな最新式を持っているはずもなく、物を冷やす以外には英検四級ぐらいしか特技の無さそうな小さな小さな、いわば冷蔵と冷凍が一体型の冷蔵庫しか持っていない友人もいる。しかし、それにしたって霜がほとんどついていなかったりする。

冷凍庫の霜、なんてのはどうしたってちょっとぐらい付くものだよ、と言われる。よく言われる。だが僕のはそんなちょっとぐらいなんて言葉で片付けられるほど簡単な霜じゃないのだ。皆が想像している霜なんてのはせいぜいシロップをかければ美味しく頂ける程度のシャーベットだろうが、僕の冷凍庫に鎮座している霜は最早ちょっとした札幌霜祭りでありぶつけりゃその辺のタイタニックぐらい沈めれる威圧感がある。対策としてこれまたよく言われるのは「冷蔵庫の電源抜いて二日三日外に出しておけば」ああもうこれに関しては言われすぎて文字にするのも面倒だ。とにかくそんなレベルじゃない。

そしてこの霜は衰えるどころかどんどんその勢いを増し今や製氷皿を飲み込んで一生氷が作れないように、ていうか冷蔵庫の右上四分の一が氷河期に突入している。製氷皿が氷に敗北した瞬間だ。今までは、まあ、別に氷も作らないし特に困らないだろうとして放っておいたものだが日に日に勢力を拡大していく霜軍にそろそろ普通の食品さえ入らなくなってきている。無理やり突っ込めば入らないこともないが、少しでも霜と接触するとそこが凍る。誰か教えて欲しい、この霜を取り除く革命的な方法はないものだろうか。このままでは入れるもの全てが台無しになってしまう。右半分だけ凍ったニンジンにキカイダーと名付けるのにも、飽きたんだ僕は。

2006年10月04日 13:17