■マップス

マップス。

マップス、という漫画がある。MAPSつまりはそういう意味のマップスなわけで、つい先ほど読み終えた。

簡単なあらすじは、それこそ実に簡単。平凡な生活を送っていた少年のもとにある日天使型の宇宙船と、宇宙海賊カリオンと名乗る女性が舞い降り、混乱する少年を他所に「うち、ダーリンが宇宙の秘法を手に入れる鍵だって知ってるっちゃ!」と問答無用に少年を拉致ってしまった! その後大冒険とエロを五、六回挟んだ辺りで敵が出てきて銀河がピンチになってもう駄目だ「諦めるな! 皆が力を合わせれば勝てる! Say Yeah!」「Yeah」「声が小さいSay YEAAAH!!」「YeeeEEEYAAA!」銀河が一つになった! 「銀河軍のがんばりが奇跡を呼ぶんだ! スーパーがんばり銀河艦隊(S.G.G.K)だ!」さあS.G.G.Kは銀河を救うことが出来るのか!?

まあ要するに宇宙を舞台にしたスペースオペラなんだけども、そのストーリ展開が非常に巧み。一人の主人公が物語のラストになって大風呂敷を強引に畳むといった独身男の大掃除みてえな漫画が多い昨今、銀河大の風呂敷を広げておきながら主人公に頼ることなく数十に及ぶ登場人物がちゃんと分業して畳んでいるというこのすばらしさ。小さくまとまることなく終盤に向けてどんどん増えてく登場人物、しかもそれらが全員平熱38度かってぐらいのテンションの高さ、あちこちへ飛び回るし移動するときは大体ダッシュだし何かとあるとすぐ服を脱ぐ。

そう、やたらとこの漫画のキャラ、特に女性キャラは脱がされる。たとえ一国の王女だって初登場で全裸だし、レギュラーキャラにいたっては「何、お前は乳首に眼球?」ってぐらいのトップレスぶり。濡れ場入浴シーンでは飽き足らず戦闘シーンでも脱いで脱がされすっぽ'n ぽん。そんなんじゃ興奮してページを右と左どっちからめくればいいかわかんなくなっちゃうよ! とお嘆きの思春期の権化は安心しよう。絵が古風なので、別に興奮しない。女性の裸にあれだけ冷静になれたのは、初めてだろう。

しかしエロは本筋ではない。本筋は前述した骨太ストーリーに裏打ちされた大冒険活劇なのだ! エヴァンゲリオンやガンダム、初期のドラゴンボールにハマった人なら間違いなく楽しめるだろうけどそれ以外「スケールのでかいSF好きに、俺はなる!」といったゴムゴムの御仁や「この星を一発で砕く最終兵器なのこの技は」といったアイキャンフライ小僧にもお勧めしたい漫画。特に「究極の進化生命体・銀河伝承族」「銀河生贄砲」「超機動グラジオン」といった単語にディスティニーを感じたお前は買うべき。ただ一つこれだけは言っておきたい。いくら気になるからって、最終巻から読んじゃ駄目だ。

絶対だ。

2006年10月19日 01:11