■マルコフ

数学が出来ない。

文系だから、というわけでもなく、文系でもこのぐらいは解けるだろうという問題も僕にかかればフェルマーの最終定理なみの難問に変化する。耳から蒸気を出して100マス計算をやってたあの頃はまだしも、無理して数学に触れなくても良いという環境になってからは輪をかけて数学ができなくなってしまった僕だけれども、数学の授業を「必ず」一つ取らなくては卒業できないという噂を耳にした。学生課の偉い人から直に耳にした。「どういうことですか?」って言ったら「どういうことですか?」って言われた。

とにかく数学の授業を一つは取らないと卒業ができないと。ぐう。しかし背に腹は変えられぬと断モツの思いで「数理科学入門」を履修。これが入門などとは名ばかり、目の前では高校数学の知識を前提とした高度な授業が展開されている。無理だ。高校数学どころか、自前で一万円札を作ろうと適当に切った画用紙に「10000」とゼロを書いているうち楽しくなってきて、仕舞いには一京円ぐらいの紙幣を偽造し「おかあさん! 見て! 見て!」と自慢げに披露しては「凄いわねえ」という見返りと苦笑というお釣りを頂いていた過去を持つ僕だ、大きい単位の数字を見るだけで「何かヤベェ! 何かヤベェ!」と走り出しちゃうのに解けるわけがない。

しかしそんなことはお構いなしに授業は進んでいく、何だこの式、A,B,CはまだしもΣって何だ。どんなプレイだ。式を理解するどころじゃない、やっていることの意味さえ飲み込めないままマズいこのままじゃマズいマズい、首を左に傾けて右脳を左脳にしようとするも耳糞がガサガサ言うばかりでちっとも移動してくれない。マズい。ランダムウォーク理論、何それどういう味、マルコフ連鎖、あーリングの続編ね、鏡像の原理を利用して以下の問題を解けa>0 b>0のときS1>-b....Sn-1>-b,Sn=aであるような項の数はNn,a-Nn,a+2bで、って、って

ヤベェ、何かヤベェ。

2006年10月19日 23:52