■わ~い、胡麻

お茶のCMがムカつく。

お茶は大好きだ。しかし売り物としてのお茶には常に黄信号を向けている。お茶なんてものは茶葉を取り出してその芳香を嗅いではエキサイト嗅いではエキサイト、気が済んだところでお湯を沸かしお茶を煎れ立ち昇るお茶の香りを嗅いではオルガスム嗅いではオルガスム一口飲んだらもうエクスタシー、ここまででお茶のはずだ。これら一連の流れをもって「お茶」なんだ。それを既に誰がどこで何回エクス達したかわからないお茶をペットボトルに詰めて売る。こんなものがお茶と言えるかどうか。

それでいて何かのフォローのように無駄に和風で荘厳な久石かつ譲っぽいBGMに載せて「茶葉へのこだわり」だの「独自の製法」だの「自然抽出」だの並び立てる。いくら何を言ったところで量産される高級ペットボトル茶なぞより、それらを味分ける上等なタンの持ち主の方が貴重って時点でフェアなトレードとは言えない。つまり、大多数にとってそれらは普通のお茶に過ぎない。つまりは僕らは、騙されている。市川海老蔵の、あの、頭に生えてるシュリンプ一本一本が僕達を嘲って反り返っているのがバレないように、奴は坊主なのだ。

しかし高級量産茶は増え続ける。相変わらずのイメージ戦略でもって、僕らの購買欲を蹴り上げる。それはそうだこの事実が国民に知れ渡ってしまえば全国のお茶フリークたちは一斉蜂起し「テメェこのオイ、お茶! お茶コラァ! オイ! お茶! 出てこいテメ、オーイ! お茶ァ!」の大合唱、もはや「お~い、お茶」などと悠長に構えてはいられないだろう、しかし! もう既に僕というジャンヌ・ダルクがこの世に生を受けてしまった、覚悟するがいいお茶業界、貴様らの欺瞞を暴き、この世に正当なお茶の価値観を蘇らせてみせよう。ここからお茶革命は始まるのだ、さあ武器を取れ国民よ、そして進軍し、速やかに伊藤園を蹂躙するのだ! さあ同志よ! 今こそ革命の、さあ! ちょっと! 聞いてる? ねえ? ねえったらちょっと、ちょっ、お~い。

2006年11月12日 00:55