■鏡の中の。

師走。

師匠(骨法)が走り回るほど忙しくなるということでの十二月。まあ誰が言い出したかはわからないけどこれが非常に言い得てYes.やらなければいけないことが少しも終わっていないというのに、どんどんやらなければいけないことが増えてくるこの頃。もしもやらなければいけないことを全て放り出し逃げ出して飛騨の山奥にある湖に泣きながら卒論の草稿を投げ込んでいると、湖面が急に波立ち、中から大きな大きな昔のゲームボーイが現れ

「お前のやらなければいけないことを、一つだけ終わらせてやろう」

と言われた日には「人生を終わらせてください!」と叫んでしまう、そして僕は上から降りてくるNintendoの文字に押し潰されて死ぬんだ。

とにかく終わらせないと終わらない。この地獄は時間さえも解決することは出来ず、ただ己のみそれを解決することが出来る。果たしてどっちが楽か。死ぬ覚悟で何かに取り組むか、それとも最早諦めて死ぬか。どちらにしても死ぬのであれば、少しでも立ち向かうべきだろうか?

師走は人を殺す季節。そうして頑張って頑張って、頑張っても終わらずに力尽きてしまうこともあるだろう。そうした場合、誰が僕を慰めてくれるのだろうか? ただのあの天空に浮かぶNintendoの文字の、迅速なる落下を望むことの何がいけないと言うのだろう? 僕は歩いて歩いて、そして倒れて動かなくなる。それを見つめるゲームボーイ。僕の屍体を誰かが拾っていく。そうしてWiiの、"i"がまた一つ増える。

2006年12月02日 17:36