携帯の機種を変えた。
携帯なんてものは電話とメールと街頭アンケートをかわす口実になればいいと思っている僕は機種変するスパンが極端に長い。放っておけば壊れない限りずっと使い続けるという意味ではバクテリアにも劣る好奇心と言えるだろうけど、物持ちがいいといえばあっという間に抱かれたい物持ちのいい男ランキングの二位にランクイン! ちなみに一位は挟まったニラを集めて餃子を作る玉木宏。
というわけで以前使ってた携帯が充電しても全くバッテリー残量が増えないくせに、一度充電器から離して十分ほど充電するとすぐMAXまで充電される二度電を覚えてしまったのでやむなく機種を変えることにした。変えた携帯はとにかく薄い。以前のものの半分の薄さのくせに妙にボタンが多い。さらに赤外線通信だとかbluetooth通信だとか3Gだとか色々できるくせにアンテナが無い。アンテナがないのにどこから電波を受信するんだ、ははーん、お前さては今月分の電波使い込んだな。お母さんが持たしてくれたお電波ちょろまかしやがって! 出しやがれこの野郎! と、拳でこづくと何もしてないのに携帯がぱかりと空く。携帯の側面にあるボタンを押すと、ワンタッチで開閉が可能なのだ。
何もかもが自分の理解を超えている、きっと黒船を初めて見た人はこんな気分だったのだろうなと新携帯を愛でていた僕だが、現在この携帯に致命的な欠陥があることに気づいた。
アラームが弱いのだ。
以前の携帯は頼んでもないのに耳に鉛流し込まれたコブクロの巨体みたいな音量でアラームを鳴らしてくれるばかりでなく、何故だかバイブ機能まで作動するといったオーバーサービスを見せ付けてくれた。そのお陰で起きれなかったことはない。スヌーズ機能ももちろん搭載しており、何度これに遅刻を助けられたかわからない。しかし今の携帯は、音が進歩しすぎてアラームがうるさくないのだ。むしろ心地よい音量で心地よいメロディーをならし僕は口からアルファ波を垂らし鼻からはアルファちょうちんを出し夢の中へ帰省する。
弱い、とにかく弱い。アラームなんてのは人の機嫌を伺う必要はないのだ。時間が来たらアラームとバイブで武装され一個の鉄器と化した携帯が勝手に開き僕の鼻を摘んでそのまま起床orDieのサブミッションに持ち込んでくれるぐらいがちょうどいいのに、何がお前パッヘルベルのカノンなんかをオシャレにならしおってからに、起こす気があるのかと問いたい。電話して問いたい。携帯が人間に遠慮する時代などは終わったのだ、たとえアンテナを奪われても、心のアンテナは折れぬ! 拳をふりかざし! 蹄をかきならし! 心をたかぶらせ勝利の歌を吠えて! 吠えて! 吠えて! そして僕を起こして。八時半ね。
2007年01月06日 23:15