■セーラー服と光学迷彩

咳払いと女子高生。

ノドがいがらっぽいときなどによく「おほん!」とする咳払い。
しかしこの「咳払い」ってやつはなかなか厄介な代物で、使いどころによっては「不快感」などを示す手段としても使われる。例えば、道を塞ぐように歩いている人の後ろで咳払いをすれば、それはたちまち「邪魔だよ。どいてよ」という意味になってしまう。

だからといって咳払いは万能ということでもない。道を封鎖しながら歩いているのが女子高生だったりする場合、咳払いは何の効果ももたらさないんだ。
いくら後ろで「げふん! げっふん!」と咳払っても女子高生たちの「バイト先の先輩がマジありえないんですケド」話にかき消されてただノドを痛めるだけだ。

また咳払いが通用しない場合として、戦車が挙げられる。
戦車の前に出て「おほん! おっほん!」と何度やっても、聞こえやしない。万が一聞こえて振り向かれたが最後、砲塔からもっとうるさくてよく爆発する咳払いが返ってくるだけなんだ。

女子高生と戦車は同じくらい空気の読めない存在であると言える。

そんな女子高生が戦車に乗り込んだら、もう手がつけられない。
空気の読めない人間が、空気の読めない戦車に乗り込んでいるのだ。
隊長や基地からの指示なんて全く聞きもせずに、iPodから流れる浜崎あゆみの楽曲にノってジャングルを進んでいくだろう。
多分、トイレとかも友達の戦車と一緒に行くだろうし。砲塔の先にはマイメロのストラップが豊作で、キャタピラなんか超ルーズ。

だもんだから「あの基地を撃て!」とか言われても「え? え? 聞こえないンですけドーン!」で前方の村が消滅。

「超ウケるんですけドーン!」で前方のやっくんが爆砕。

「バイト超ダルいんですけドーン!」でバーミヤン全焼。

「ほっとけないんですけドーン!」で子猫こんがり。

「ウザくね?」で自主休講。

「はあ!?」で彼氏と喧嘩。

「そういう言い方なくね!?」で喧嘩が白熱。

「電話切っていい?」彼氏が土下座。

「えーじゃあ今回は、許す」喧嘩が鎮火。

「え、マジ? ディズニーランド? 超行く!」仲直り。

「マジ嬉しいンですけドーン!」彼氏消滅。

2007年04月10日 15:50