<<えーでも文学って難しいし何か読む気しなくなーい? 漫画とかでも勉強できなくない? とかいって活字awayな男女子高生のために有名な文学作品をわかりやすく捻じ曲げて要約するからこれを機会に文学に親しみやがれシリーズ>>
第一回:三島由紀夫『金閣寺』
切腹を流行らそうとして大スベりした世紀の大文豪・三島由紀夫が「金閣寺放火」という実際の事件をもとに描いた一大抒情詩。一大の意味も、抒情詩の意味も博士か彼氏に聞きなさい。
* * *
吃(ども)りの上に童貞さらに重度の金閣寺フェチという利率50%のハンディを定期預金してる主人公こと溝口くん。
溝口くんは、幼馴染であるところの「有為子(ういこ)」という少女に恋をしている。
実はこの有為子という少女、とんでもないサセ子なのだがそこは童貞特有の「きっとまだ本当の愛を知らないからだ」的フォローでもって有為子を尾行けまわす。
しかしこの有為子ってば思春期の少女と就職活動中の中女がよく発症する「大人の男に憧れ熱病」にかかっており、ふとしたことから知り合った脱走兵にぞっこん毎日。
そうとは知らない溝口くん、キロあたり六十円の勇気を二キロ振り絞り有為子への告白を決意!
早速おかあさんが雑巾をつなぎあわせて縫ってくれたアルマーニのスーツをビシッと着こなし有為子を草むらで早朝に待ち伏せ。
チャリで時速25kmを楽しんでる有為子が草むらの前を通りかかった瞬間、黒い影が自転車の前に!
「やせい の どうてい が とびだしてきた!」
「どうてい は なにか いおう と しているが どもっている!」
「どうてい は どもっている!」
たたかう
にげる
にげる
にげる
→よけてにげる
「ういこ は どうてい を よけて にげた」
「どうてい は がっかり した!」
溝口くんの告白は大失敗、それがもうトラウマでトラウマで「現実の女なんて皆クズだ! 金閣寺が一番だ! 金閣寺が一番エロいんだ!」どんどんおかしな方向へ走っていく溝口くん。
「みんな俺を吃りで童貞だからって馬鹿にしやがって! あ、あそこに同じくらい童貞っぽいやつがいるぞ、おーい! 友達になろうぜ!」
「さわんなクソ童貞! お前とは友達にならねーよ! 俺の名前は柏木だけど、これは独り言だからな!」
「え、え、あ、柏木くん! よろしく!」
「だからさわんなチェリーボーイ! さくらんぼが伝染るだろ! ちなみに俺は童貞じゃないぜ? なぜなら、モテたからな! 本当にモテたからな!」
「そうなんだ! 凄い!」
「おう! 美人に一杯モテたんだぜ! でも童貞を捨てた相手はババアだけどな!」
「なんで!?」
「女なんて皆同じなんだよ! 要するに思い込みが大事だ! ババアも美人も思い込んだら同じなんだ!」
「そうなんだ! 凄い!」
(そうか……思い込んだら同じなんだ……それにしても有為子かわいかったなー……でも金閣寺もエロいし……有為子……金閣寺……有為子……有為閣寺……有為閣寺!?)
「有為閣寺だよ! 柏木くん! 一緒だ!」
「何バグってんだ溝口。WindowsMEでもインストールしちゃったのか?」
「有為子も金閣寺も似たようなもんなんだよ!
あ、そう考えたらムカついてきたよ!」
「なんで?」
「だって! 金閣寺は僕をフったんだよ!?」
「洗濯ん時、脳みそも一緒に脱水しちゃったの?」
「燃やしてやる! 燃やしてやるんだ金閣寺を!」
「おい、どこ行くんだ溝口、おーい!」
「燃やしてやる! うひっ、燃やしてやる! ああ、なんか昂奮してきた! エロい! 燃えてる! エロい金閣寺が燃えてる、うひひ、燃えてる! 燃え、燃えー! 金閣寺燃えー! うひっ、熱っ、熱い、熱いな……空調壊れてンのかよ。えー! 火ついてるじゃーん!? なんでー!? ヤバいって、逃げよう! 逃げなきゃ逃げなきゃ……」
「ふう、ここまでくれば大丈夫。
うわー、燃えてるなあ金閣寺……まあいいか。
何かスッキリしたし、まあいいや。
それにしても燃えてるなあー……
……生きよう」
**Happy END**
史上最大の名作「金閣寺」のあらすじはこれでバッチリだね! 明日学校で求められてないのに説明してアレな子扱いされてみよう! 次回は夏目漱石の「三四郎」を要約するよ、じゃあ、君が思ってるよりも意外と早くまたねー!
2007年05月12日 00:09