クーラーが反逆している。
うちのクーラーが僕に対して猛反逆している。反逆それ自体は今に始まったことでもなく、これまでも「フィルタを洗ったら異臭」や「なぜだか暖房になる」といったバリエーションで僕の逆鱗を乱切りにしてくれていたのだけれども、今回の反逆は今までのものとはランクが違う。時代が時代ならアニメ化やゲーム化そしてノベライズされた挙句最終的にマガジンで「クーラー反逆物語」が連載されてもおかしくないほどの反逆。
「スイッチが切れない」
スイッチが切れないのだ。スイッチを押せば、そのときは運転が止まる。確かに止まる、止まるのだ刑事さん俺は見たんだあれは確かに止まっていた。しかしながらその押したスイッチから手を放した瞬間、また「運転」のランプが点灯し、クーラーが再起動する。
つまりクーラーを止めるためにはスイッチを押しっぱなしにしていないといけない。しかしどうだ、いくらクーラーを止めるためとはいえ、愛指一本をクーラーに嫁がせるのは父さんアドレナリンがいくら出てても承認できないぞ。
きっとその生活も困難を極める。指をクーラーに固定したまま食事や睡眠をしなければいけないし、気になるあの子を家に誘おうとして「うちに珍しい動物いるからおいでよ」などといっても、居るのはクーラーのスイッチに心を奪われた僕だけ、珍しい動物が僕自身ではきっと女の子にも振られてしまうだろう。せっかく濃酸を吐きながらエーデルワイスを歌う柴犬を手に入れても、彼女は見向きもしないのだ。
じゃあ何だ、ずっとクーラー付けっぱなしで過ごすか? それも断じてNoだ。クーラー付けっぱなしによる電気代でヒルズが八本は建つし、何より地球温暖化への影響が恐ろしい。一年中クーラーONっぱなしとなればその辺の発展途上国よりも温暖化へ悪影響を及ぼすこととなり、いずれは国連から直アドで文句を言われてしまう。
そうつまりどうにかしてこの止まらないクーラーを止める術を見つけ出さなければいけない。どれだけかかるかわからない、一ヶ月、もしかしたら一年かかってもクーラーを止める方法が見つからないかもしれない、けど僕が諦めたら地球はおしまいなんだ! I've got the power of LOVE故に、僕は戦う、この命ある限り!
次週「連打したら止まった!」の巻
2007年08月28日 17:09