「はいどーもー。浪花モトリー&クルーでーす」
「………」
「いや、ほら、お前もちゃんと挨拶しろよ。どーもー! ねー、いやー」
「……ども」
「元気出せよーオイ、どした?
何か気分でも悪い? 大丈夫?」
「……いや、目が」
「目? ああ、さっきからなんかしぱしぱやってんな
何、目にゴミでも入ったの?」
「いや……目にゴミ野郎が入った」
「ゴミ野郎って何だよ、どういうことだよ」
「三十歳で実家暮らし」
「いやゴミ野郎のプロフィールとかいいから」
「趣味:インターネット」
「いや、だから」
「無職」
「ゴミ野郎だなー!
三十歳でニートは相当ゴミ野郎だなそいつ!」
「痛てー…」
「そりゃ痛いだろそんなゴミ野郎が目に入ってたら」
「『産んでくれなんて言ってねーだろ!』 とか言ってる」
「痛いのは発言の方か! 確かにイタいけどその発言!」
「『別にやればできるし!』」
「イタいなー! やらないのはできないのと一緒だぞ!?」
「『俺この頭脳のまま子供になったら、最強じゃね?』」
「イタいイタいイタい! どうせ努力しないんだから二十歳ぐらいで並ばれるよお前なんか」
「あ、取れた」
「取れたの?」
「うん、カナダにダンス留学いったっぽい」
「うわー絶対二ヶ月で帰ってくるぞそれ」
「ごめんごめん、続きやろう」
「あ、はいはい。いやー最近はすっかり涼しくなってきたねー」
「……」
「ちょっと、どうした今度は?」
「いや、鼻……」
「またゴミ野郎?」
「いや、クズ野郎が入った」
「どーなってんだよお前の鼻と目は!」
「あ……くしゃみ出そう……くしゃみ……」
「おいおい」
「は……は……っ
『二浪して入った大学中退』っ!」
「どういうくしゃみなんだそれ」
「は……っ
『フリーターなのに社会人に説教!』っ!」
「クズ野郎だな!
『夢捨ててまで金欲しい?』とか言っちゃうんだろうな」
「はっ……
『しかも仕送り五万!』っ!」
「クズにも程があるだろ! せめて全部自力で稼いでから説教しろよ!」
「はっ……
『三年前から自分探し中』っ!」
「もう見つけれない自分を現実として受け入れろよ」
「『ラブホから出てくるカップルをオカズに!』っ!」
「エロ本ぐらい買えよクズ!」
「『そこ俺のパンチラスポットだぞ!』っ!」
「しらねーよ、何の縄張り争いなんだよそれ」
「あ。
取れた」
「取れたの?」
「うん、実家帰ったっぽい」
「まあ、ありがちな末路だな。
じゃ、漫才の続きやろうか」
「あ、いたっ、いたたたたたた!」
「どうしたどうした、今度はなんだ」
「いや、さっきのクズ野郎がゴミ野郎になって戻ってきた」
「いい加減にしろよ!」
2007年09月13日 20:41