何か十年ぶりぐらいに「北斗の拳」をちゃんと読んだ。
面白かったんだけど、子供のころは「すげー!」で済ませてたことに何か一つのパターンが見えてきた。まず強敵が雑魚を倒す時は
悪党「そんなちっこい体で何ができる~!
お、おいどうした。どこへ行く?」
強敵「すでに決着は着いた」
悪党「な、ぬぁーにを馬鹿な……ば、ばか、ばかっ、ばからっ!」
っていう感じ、これは読んだ当時でも理解できたし小学生でもわかる典型的なパターンだ。しかし強敵同士の戦いにもパターンがある。原作から引用するとわかりにくいので、算数に例えてみよう。
「ふ、うわははははは! この拳王、貴様を倒して天を握る!
さあ解いてみよ……
『6÷3=?』!!」
「なんという闘気……しかし、退くわけにはいかん!
この天は貴様のためにあるのではない
この天は、明日を生きる全ての者のために!
『6÷3=9』っ!」
「ふんっ!」
「ぐわあああああああああああ!」
外野(や、やはり、割り算を足し算で解くことは……ッ!)
「何者も我が割り算の上に立つことはできぬ!
さあ、死ねい! そして礎となれい!」
「ふん、我が拳が足し算だけと思ったか
侮ったな拳王!」
「何ィ!?」
「『6÷3=3』!!」
「ぐ……だが、甘い!」
「ぐおおっ!」
外野(あ、ああ……っ! やはりトキの体は、病で、もはや……!)
「さすがはトキ……! さすがは我が弟……!
お前の拳の意地を、しかと見せてもらった
しかしここまで! 我が拳は、今こそ貴様の拳を超える!」
「ふん!」
外野(!! トキが拳王の剛拳を受け止めた!)
「ぬうううう!?」
「ラオウ……我が兄よ
受けてみろ、我が命を全て燃やす最後の奥義!
『6÷3=18』っ!」
外野(は、入った!)
「ぬぐぅわっ……ふんっ!」
「何っ! 完全に入ったはず……!」
「……けぬ」
「何だと!」
「解けぬ……解けぬのだ!」
「ラオウ、貴様……!」
外野(あ、ああっ! 拳王が涙を!)
「貴様の算数が呼び起こしたのだ……
とうに枯れ果てた、我が涙を!
トキ……我が弟よ……見事だった!
貴様の全てが我が礎となる!」
「ぐわあああああああああ!」
外野(ト、トキーッ!)
「ケ、ケンシ、ロ…ウ」
「トキッ! 喋るな! 今傷を……」
「ケンシロウ……ラオウを、我が弟を、あの凶拳を……」
「わかった、わかっているとも!」
「ふっ、ふふっ……いい顔に、なった、な……ケン……」
「トキッ! トキーッ!」
「トキ……恐ろしい男であった、ヤツが病に侵されてなければ……あるいはっ!」
「ラオウ……!」
「ふん、ケンシロウ
その悲しみを越え、我が前に立つか!」
「トキがその命を賭して教えてくれた
この悲しみで
魂で!
拳で!!
割り算で!!!
北斗神拳伝承者として、ラオウ貴様を倒す!」
「ふん、かかってくるがよい!
それでこのラオウの、割り算が解けるものならな!」
って感じ。
2007年11月10日 10:10