■こちらがヌンチャク視点の映像

「おい、買ってこいよ早く」
「え、恥ずかしいよ、やっぱり」
「いいから、大丈夫だって、いけよ早く」

今日も今日とてレジでバイトが終わるまで意識濃度をファンタの果汁並にしてたところ、こんな会話が聞こえてきた。見るとなにやら中学生二人が一人にエロマンガを持たせて押しくら問答をしている。

ったく、童貞が脳髄にまで穿孔するとろくなことにしねーななどと思いながら眺めてると「買わないのなら、買おうとしてたって女子にバラすぞ?」という余りの滅裂さに最強の矛、最硬の盾ともにパラドク死しかねない論理で何故か折れた少年がマンガを持ってレジに。

案の定、蚊の鳴くような声で「これください」と言いながらレジにエロ本を。
まあ、俺は相手が十八歳未満だからといって「君にこれはまだ早い、いきなり東鉄神じゃなくてまずは鳴子ハナハルにすべきだ」などと説教できるほどモラリストでもないので普通に会計をすます。

味をしめた同級生が「次はこれだ」などと言いながら、結局その日その子は計三回もエロマンガをもってレジにいかされていた。

うん、こんなの挨拶というか通過儀礼のようなものだから仕方がないといえばないのだけれど、そこでどうするかで割と今後の人生が左右されるってのは大袈裟だけど実際そう。

「やめろよ!」と拒否るか「う、うん」と肯定するかで搾取被搾取の分岐点。
そういう意味でいつかあの子が「ふざけんな!」といえるように成長することを祈るばかりとか思ってたら今日また同じ子が一人でマンガ買いにきて、お、成長したか? と思いきやToLoveるとユリア百式を迷いなくレジに持ってきて堂々たる会計にうわー性徴しちゃったーでも俺もその手のマンガ好きだぞ! 結局ユルいエロマンガが最高だよな! だから今度はナナとカオル買えよ、な! 早く買ってこいよ、な!

早くしろよ。

2009年06月20日 21:57