■ヒューヒュー! ヒュ~ゥ! ヒュッ!(喉笛を噛み切られた)


「あ、藤崎さんだ、オーイ」
「どうしたの、それは2キロ先の人を呼ぶテンションよ」
「え? いや、わかんないですけど、えと
 どうしたの? 今日授業は?」
「ウィルソンくんこそ、授業はどうしたの」
「え、僕は今日昼までだから……」
「そう、なら私も昼までだとしても、違和感はないわね」
「あれ、昼までだったんですか?」
「ウィルソンくんが昼までなら、私も昼までにするまでよ」
「あ、うん、えーと、言いにくいんだけど」
「仰れ」
「僕の名前、あ、わかってると思うんだけど
 伊藤、です」
「……! なんてことかしら、ウィルソンくんの名前を間違えるなんて」
「あ、伊藤です」
「ウィルソンくん」
「伊藤です」
「ウィル藤くん」
「無理しないでください」
「ウィ藤くん」
「非常に近いです。発音的には」
「お褒めにあずかりオルガズムだわ
 ところでウィルソンくん」
「……はい」
「こんなものがあるの」
「これ……福袋?」
「そう、福袋、とでもいえばわかりやすいかしら」
「あ、正解の上塗りしちゃうんですね
 てか福袋なんていつ買ったんですか?」
「一昨年だったかしら」
「ずいぶん持たせましたね」
「でもね、来ないのよ」
「何が、です」
「福よ」
「えーと」
「生理は来るわ」
「大丈夫、聞くつもりなかったです」
「月四回来るわ」
「来すぎです」
「毎週火曜日に、トリコを読んでると来るわ」
「それは医師か島袋先生に相談してください」
「でも福は来ないの」
「えっと、福袋って、持ってたら福が来るものじゃないんですよ」
「初顔だわ」
「初耳ですか」
「私の人生の中に様々ある観点の中で初顔の観点だわ」
「無理矢理合ってるような使い方にした
 まあ、だからですね、開けないといけないんですよ」
「何が入っているの」
「それは開けてみないとわからないですよ~」
「もし中身が猫だとしたら、もう」
「怖いこと言わないでください」
「でもダメ、私耐えられそうにないわ」
「な、何がですか?」
「福建省をうまく統治していく自信なんてないもの」
「福建省が入ってる前提なんですね」
「ダメよ、お前はニーソックスをミキサーにかけたのだから死刑なのだわ」
「いったいどういう条例を作る気ですか福建省に。
 ていうか大丈夫ですよ。生き物とか地域とか入ってないです」
「では、いかなるものが入っているの?」
「んー洋服とか、あとちょっとした家電とかですかね」
「心躍るわ」
「でしょ? 買った値段よりちょっといいもの入ってたりもしますよ」
「胸高鳴るわ」
「でしょでしょ? 福袋でしか買えないものとかもあるんですよ!」
「是が非でも素敵だわ」
「ね? 開けちゃいましょうよ!」
「開けるわ」
「ちなみにどこで買ったんですか?」
「落合博満記念館」
「開けない方がいいです」
「どうして」
「多分がっかりします、いや絶対」
「どうして、中身がサインボールとか色紙や野球関連のグッズでない限り、がっかりして自害したりしないわ」
「絶対開けちゃダメです
むしろ買ったことすら不幸な事故です」
「言うわね」
「そっとしておきましょう」
「そうするわ
 やはり持っておくのが一番ね」
「福が来るかもしれないですしね!」
「来なくても構わないわ」
「どうして?」
「あなたが来たじゃない」

2009年07月14日 19:28


え~、絶対オチは落合福嗣くんが来ただと思ったのに!

投稿者 ベタ : 2009年07月14日 21:56

× オルガズム
○ オルガスムス

投稿者 Anonymous : 2009年07月14日 23:08

感動した

投稿者 Anonymous : 2009年07月17日 13:10