■サマーウォーズ

「いやーアッついねぇ!」
「お、トクさんじゃないか。今日はいいアレが入ってるよ」
「お、いいねェ、じゃあビールと、アレをもらおうか」
「あいよっ! いやあ真昼間から酒たぁ、いいご身分だねえ!」
「へっ、女房が見てねぇ間だけだよ!」
「あいよお待ち! ビールと……ドリンクバーで遊ぶ中学生だよっ!」

てことで出てきたわー夏の風物詩。サイゼリヤで。東京に来てからとんと見なくなったからアレは石川県だけに出没する郷土神かなんかだと思ってたけどいるねー東京にも。

中学生と思しき男女その比3:3なんて青春成分の濃い割り下、もうその状況だけで男子勢は勃起'in on Heavens Doorじゃないかと思ってたけど女子のうち二人が今にも「私の女子力は五十三万です」とかいいそうな戦闘民族だったため男子の盛り上がりは残り一人のマトモ女子に集中。

誰が言い出したか「じゃあ罰ゲームは、俺の特製ドリンクを飲むことな!」から始まる市民革命で場は一挙にヒートアップ。「うぇー俺かよー!」このあたりで好きな子の前で罰ゲーム受けてオーバーリアクションすればモテると勘違いしてた俺のトラウマがウォームアップし始めたので、なるべく見ないフリをしながら目の前のハンバーグに没頭するも、ドリンクバーの全種類を等分ずつ混ぜ合わせる特製ドリンクを「うぇーコレ飲むのかようぇー!」などと女子をチラチラ伺いながら叫ぶ男子の姿がさらにトラウマを容赦なく取り立てにやってきて、やめろ帰ってくれお願いします。

願い空しく特製ドリンクは完成し「うひゃー! 何コレコーヒー牛乳みたい!」などと叫ぶ男子。できた飲み物を鼻に近づけては「うはっ! 駄目だこれ! 飲めないよスゲー匂いするもん!」と、あっという間に石垣外堀を積み上げ土台は完璧。秀吉も思わずtwitterで報告しちゃうような速さでオモシロ一夜城が組みあがっていく様がホント見てられない。しかし目を逸らすこともできない。そうか、コレは罰だ。あの愚頂面の中学生は俺だ、あの日の俺だ、過去の俺が俺に復讐しにやってきたんだ! 

「飲めよー! 早く飲めよー!」コールが俺の心のやらかい場所を隈なく絨毯爆撃する。終われ早く終わってくれ「いやいや! 飲めないって! こんなの!」もう充分だ! 俺の心はもうポツダム土下座だ! 勘弁してくれ、許してくれ! 「駄目だ飲めないって! 捨てるわー」

そういって、特製ドリンクを捨てる少年。

え、と伏せていた顔をあげる俺。

「えー!」「飲めよー!」と言いながらも特に責める様子も無くドリンクバーから離れていく中学生たち。

俺は呆然としてバーを見つめた。

持ったまま飲むのも忘れていたアイスコーヒーのコップが、結露し、テーブルに一つ、二つ。小さな水溜りを作った。

2009年07月25日 22:04


あなたがいれば
歩いていける
怖くはないわ
この東京ヤング砂漠♪

投稿者 雫 : 2009年07月25日 22:46

飲めよwww

投稿者 Anonymous : 2009年07月25日 22:52

ゆとり!

投稿者 Anonymous : 2009年07月26日 09:21

勃起'in on Heavens Doorとか、どうやったらこんなフレーズが思いつくんだww

投稿者 Anonymous : 2009年07月26日 13:05