■この形見が俺を(口臭から)護ってくれた、のか……?

電車に乗ってたら、隣に座った色黒のおじいさんから「これが貴方を守ってくれる」と、何かヒモで繋いだお守りみたいなのをもらった。

よくRPG類のゲーム、まあ具体的な名前を出すならばドラクエとかファイナルファンタジーとかで日常茶飯事に行われている「アイテムをもらうイベント」。

例えば村を歩いているだけなのに

「あなたの後ろに後光が見える! あなたは光の戦士に違いない、これをお持ちください!」

つって回復薬とかをもらうみたいなイベントだけれども、なんだろ、俺もさ、子供の頃はこういったゲームに慣れ親しんだし以上のようなイベントが起これば「ラッキー! イエーイ!」なんてテンション開花の末、ヤクルトの試供品配りに来たおっさんに対しても天岩戸全開にして「麦茶でも飲んでく!?」ってなもんだけど、駄目だ、俺わかった、リアルでこのイベントが起こっても全然そんな気分にならない。

おじいさんの顔とかマジ職人の表情、原作トールキンかと思うほどの匠っ面で「ワシらドワーフ族はの……」と今にも言い出さん感じだったんで「いやマジいりません」とも言えず「はあ、ありがとうございます」とか言っちゃったんだけど、このお守りがホントなんていうかうまく伝わるかな、えーと。
ベニヤ板。
それも日本を代表するレベルで。

いやあるよ、あるある、見たことあるよ。「こんな錆だらけの剣が、聖剣だって!?」っていう展開! 知ってる! けどもなんだろ、俺このヒモに繋がれたベニヤが「光の戦士にしか使えないペンダント」とか言われてもホント、ベニヤにしか見えないしあのゲームの主人公みたいに「この聖剣をよみがえらそう!」みたいな思考にならない。

あ、ちょっと待って。

あー駄目だ。今もっかい確認したけどやっぱりベニヤ! 何かこう、あれ? ベニヤかと思ったら不思議な光を放っているぞ!? まさか近くにいる魔族を察知しているのか!? 的な展開を期待したけど無理、無かった。どんだけ道具袋を確認しても「ただのベニヤ」からの変化が無い。

しかもさっき気づいたんだけど何かこのベニヤ臭い。クールミントガムみたいな臭いする。

え、もしかして魔族?

魔族の気配を察知してクールミントガムの臭い出るの? え、そんなの焼肉食ってきたヤツに対してすべきことじゃないの? いやむしろ俺の近くに今、焼肉食ってきたヤツが近づいてきてるのか!? まさか! そんな……この平和な町に……!? しかもこのミントの香りは尋常じゃない……! よほどの口臭力の持ち主が近づいているに違いな、あー駄目! 無理! ノれない! 無理! 

2009年09月13日 21:36


ベニヤに筆で「驚異の洗浄力」って書いて便所に飾ってください。

投稿者 Anonymous : 2009年09月14日 00:24

香木じゃね

投稿者 Anonymous : 2009年09月14日 09:49

ヤクルトのひとに麦茶っていう物々交換がすてき

投稿者 Anonymous : 2009年09月14日 11:21