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■ファンタオレン?

「ロバート、ねえ、ねえったらロバート」
「なんだいキャサリン」
「あたしイタリアに行きたいわ」
「血を止めてからにしなよキャシィ」
「もうロバートったらいっつもその話」

***

「ロバート、ねえ、ねえったらロバート」
「なんだいキャサリン」
「あたしのこと、徴兵しないでね」
「……」
「ねえ、ロバート、しないって言ってよ、ねえ!」

***

「ロバート、ねえ、ねえったらロバート」
「なんだいキャサリン」
「あたし納得してみたいわ」
「つまり、納得したいってことだろ?」
「なるほど、凄いわロバート」

***

「ロバート、ねえ、ねえったらロバート」
「なんだいキャサリン」
「ニュー?」
「ヨーク」
「ポセ?」
「イドン」

2006年02月28日 20:13


■ジャングルポテト

飲食店でバイトしていると色んなお客様を目にします。中にはピンとこなくても110番したくなるぐらい破天荒な客もいるわけですがその中でも一際ひどいのが中途半端に偉い役職の人。

基本的に奴らは僕を見下して接してくるので圧倒的に接客しづらい、ただでさえ下手に出なければいけない接客業の中でさらに見下されてしまってはもう萎縮に次ぐ萎縮で動くこともままならない。またそういう人間に限って常連さんだったりするので下手にエルボー入れるわけにもいかず、ただただ緊張しながら接客するばかり。

そしてまたそんな状態で接客するもんだから、注文を噛んだり、注文を取り違えたりなど失敗が相次ぎその度に嫌味を言われる。だいたいこっちが聞こえるか聞こえないかわからないトーンで注文しやがって聞き返したら「耳遠いのか?」おうよ僕の声が聞こえないぐらい遠くまで意識の初フライトを手伝ってやろうかと思うもじっと我慢、最近では相手をじゃがいもだと思うことにしている。喋るポテト相手に接客していると思うだけで平常心の耐震性がぐんと向上し、ゆくゆくは鋼の飲食店バイトとしてアニメ化ゲーム化に大忙しの毎日を「なあ兄ちゃん、向いてないんとちゃうか?」

んだとこのイモ野郎。

2006年02月28日 20:12


■誰も触れない

飲食店でバイトしていると色んなお客様を目にします。中にはワインオープナーでへそをほじくってやろうかと思うぐらい破天荒な客もいるわけですがその中でも一際ひどいのが若いカップル。

基本的にうちの店の客層は高齢の方が多く、マナーも高齢者特有のおすそ分け精神でお料理を床にボランティア落としする以外は非常に丁寧に接してくれ、こちらが失敗しても愛嬌として受け取ってくれるくらい底なしの懐なので、こちらとしても緊張せずに接客することができるんですが若年層、しかもカップルとなると自分たち以外の世界が見えないのかどうなのか非常に腕白なテーブルマナー。メニューを話し合って決めるのはまあいいとしても、散々「えータカシこれ食べなよ」「いいよ、オムライスだけで」「じゃあ一緒に食べよ?」「お前が食いたいんじゃん」「バレたー?」みたいな会話をひとしきりした後無言で僕の顔を見られても困る。今の会話に出てきたメニューを全部羅列してたらお前らのお会計一万飛んでイスタンブールだ。しかもその後注文聞きなおすと「使えねー」って顔で見るし、つーか言ってたの聞こえてるし。

もう大体にしてぶっちぎりの隔離世界、スリップストリームにさえつけないラブラブマッハは銀河を包み込む勢いで頭が悪い。電車の中で必要以上にいちゃついたり大声でじゃれあったりするカップルは基本的に光速を凌駕しているせいで彼ら以外の世界が凍ってることに全く気づかない。するなとは言わない、ただある程度にとどめて欲しい。今自分がどこにいるのか、そしてそこは何をすべき場所なのか、TPOを最低限弁えた行動を取って欲しいと僕は切に思いながら「お客様、店内に飲食物のお持込はご遠慮願えますか」「え、マジ?」じゃねえよメスブタ。

2006年02月28日 20:12


■知恵のリンゴが口に合わない

えー。

今現在ぶっちぎりの進行形で家庭教師をサボっているんですが、いやサボっているという言い方は少し語弊がありますね、電話したんですよ。電話。サボりますよっていう電話。なのに出ないんですよ。どういうことですかちょっと。

まあそもそもあんなBSEの菌が途方にくれるぐらいスカスカ脳の生徒に教えることなんか何もないし、むしろつるつるぷっくりの湯上り卵脳に皺を刻む仕事なんてのは、悪徳以外何者でもない。僕は守りたいんだ、彼の清らかさは財産だ。

常々疑問に思っているのは、知識を蓄えることが果たして人間にとって本当に善だと言えるのか? ということ。知識を蓄えたお陰で、人は地球を滅びへ導いているではないか、これが善だと果たしていえますか? もちろん、知識は素晴らしいものでもある。知識によって救われる人々も無数にいることだろう。だからこそ、あの、知識とは無関係の領域にいるある意味でオリハルコンを守ってあげたい。そのバランスによって人は輝くって、そう信じたいから。わかってくれるかい、君にだけは伝えたいんだ。だから、ね? 電話に出てくださいよちょっと。

2006年02月28日 20:11


■いかがお過ごし

最近ゴキブリが出ない。

いや、それは非常に結構なことなのだけれども、何の前触れもなく、ぱたりとゴキブリが出なくなったのだ。出会った頃はそれこそ僕がどんなに忙しくても会いたがる癖に、こっちが構ってやろうとすると逃げるなんてツンデレイズムにティッシュが何枚あっても足りなかったアイツがどうして最近来ないのか。

特に最近清潔にしているとか、生ゴミを出さないようにしているとか、そういったことが全く無い。むしろゴキブリ全盛期の頃と同じ生活をしているつもりだ。なのに出ないということは、完全に何かを目論んでいる。僕の部屋をのっとり、ここを一つのコロニーとして支配し、ゆくゆくはアパート、区、市、府とそのテリトリーを広げて行き最終的にはNASAから無人のシャトルが冥王星に向けて飛び立ち、惑星間エレベーターによって冥王星と結ばれた地球は、有無を言わさず殖民星として永劫の隷従を余儀なくされてしまうだろう。ゴキブリはその斥候なのだ。

時折、自らゴキブリホイホイに突っ込んでいったり、あるいは諦めたかのようにすぐ潰されるゴキブリを見ることがあるのは、彼ら一人一人が機密を帯び、それを守り抜く義務を負っているからなのだ。惑星間エレベーターの完成は近い。空を見ていると、寒気に襲われることがある。

まだ上着は手放せない。

2006年02月28日 20:11


■やぶ蛇で鬼を釣る

免許を取ろうと思う。

厳密に言えば取りたいわけでもなんでもなく、むしろ免許なんて取りに行く足をこたつに突っ込んでは寝て突っ込んでは寝てしながらたまに描いた漫画が大ヒットして金が出窓から降ってくるような生活をしたいのだけれども、今現在仕送りという名の生命維持装置のスイッチをその手に握り、いずれは僕という小宇宙の全域を侵食し僕を情報を集め続けるだけの単なる生きた棺桶にしてしまおうと目論む両親が、僕にどうしても免許を取らせたいらしい。

僕と免許の因縁はかれこれ二年前ぐらいから続いており、最初は取った方がいいよぐらいのプレゼンテーションだったものが今では事あるごとに免許免許と言われるようになり、去年の暮れ彼女と屋久島に行ったという話をしたら「免許もないのに?」と、持ち前のライセンス狂いっぷりを発揮され僕としては携帯電話の方を疑うことしか出来なかった。

この二年戦争に終止符を打とうと思う。屈するわけじゃない、これは一つの和解だ。こんなのは非生産的だ、お互いに何も生まない。僕は免許を取る。両親はそれで納得する。これでいいだろう、母さん、僕だってもう大人なんだ、いつまでも母さんに反発してばっかりの子供じゃない。だから、オレ、免許取るよ母さん!

「免許はどうでもいいけど、就活は?」

このっ

2006年02月28日 20:11


■向こうは就活の帰りだったし

就職活動をしようと思う。

一体何一つ手をつけていないこの状態から、果たして僕は就職なんかすることができるのだろうか、そもそも就職活動って、どういうことだ。活動というからには何か、動かなければいけない。動くだって、この居心地の良いこたつから動くだって、そんなことが!

とりあえずはリクナビ、に登録すれば超大陸パンゲアが復活するのでそこで気に入った企業にエントリーするとオリハルコンの原石が見つかるので、エントリーシートを書いて面接に行くというのが全体の大まかな流れらしい。まあ細かいことはいいとしてまずはリクナビ、しかしリクナビ、一体全体これはどこにあるのだろうか。

僕はリクナビを探す旅に出た。リュックサックにたくさんの勇気とその緩衝材に拾った髪の毛を詰め込んで僕はリクナビを探す旅に出たんだ。道のりは激しく険しい、双子山を通り過ぎたあたりでマンホールがゼリー状になってきた。もうすぐアメリカだ。アメリカに行けばきっとリクナビの事を知っている人たちがいる、なんてったってアメリカも四文字だしカタカナだもの。勇気付けられた僕の足取りは俄然リズムを速め進む進む、しかし突然、鞄の中の髪の毛がざわざと波立ち始め、鳥たちがざわめき出し、小動物が急に怯えだし、暗雲が立ち込め、故郷がダムに沈み、ジャンプが月曜日に手に入り、妹と血が繋がらなくなった。ふと地面に視線をやると、さっきのマンホールが一定のリズムで震えている。ずん、ずん、ずん。ある脅威の接近を知らせるかのように、マンホールの震えが大きくなっている。ずん、ずん、ずん。僕は引っ張られるかのように後ろを、振り向いた。

白亜紀最大最強の恐竜・ティラノサウルスだ。

鋼のような鱗、研ぎ澄まされた牙、貪欲に光る眼、全てを引き裂いてしまいそうな爪を持っていた僕は圧勝した。

2006年02月28日 20:09


■ってバカ!

大阪市は僕のものなので、大阪市内にあるコンビニにも入り放題なのだ。梅おにぎり105円。これに関してはまあいい、結構だ、むしろこれがおにぎり的底値なので梅好きの僕としては梅おにぎりを見るたび生まれる時代を間違っていなかったことを痛感する。そして鮭おにぎり、105円。人間の僕からは別段高いとも安いともつかない、ただこれを冬眠中の熊を無理やり起こして見せたらもしかするとその爪で八つ裂きにされてしまうかもしれないが。しかしその隣に陳列された「鮭粗ほぐしおにぎり」が135円なのだ。鮭を粗くほぐしただけでこのインフレーション。これにはさすがの僕も納得がいかない、まして熊に見せた日には間違いなくその爪で八つ裂きにされてしまうだろう。虎に見せても八つ裂きにされてしまうかもしれない。

一体鮭をほぐしただけで三十円高とはどういう了見だろうか、怖気づいて買わなかったのでもしかしたらほぐすべき人間がほぐした鮭は政権が入れ替わるぐらい美味しいのかもしれない。僕らが今まで食べさせられてきた、ほぐされていない鮭は、鮭の十分の一も旨さを引き出されてないとすれば。血のにじむような努力と、鮭のあくなき研究、生爪をはがしながら身に付けたほぐし技術は魔術と見紛うばかりに鮮やかで、その手に包まれた鮭は自らがほぐされたことも知らずに水槽を泳ぎ続けるという幻のあの技術を以って初めてシャケ・完成に至り、オートメーション化の進む現代日本においても未だにその技術を伝え続け、選ばれたほぐシストたちのみ足を踏み入れることが許されるその場所こそほぐワーツ魔法学校、ってバカ!

2006年02月28日 20:08


■肉を斬らせて骨は別料金

あっち向いてホイということに関して。

あっち向いてホイ、という遊び、皆様なら一度は経験したことはあると思います。じゃんけんに負け、さらに示した方向に顔を向けてしまうとさらに負けという敗北の二層仕立て。

しかし人々はなんとか指の示す方向とは逆を向こうと努力します。これはいわゆる最後の抵抗でありファーストキスを理不尽に奪われた乙女が泥水で口をすすぐように、まったく解けないテストの問題をせめてボケてみたりするように、いたちの最後っ屁なのです。しかし摩擦によって熱が生じるように、抵抗は憎しみしか産みません。

ここは一つ考え方を変えて、指の指し示す方向を向いてみてはどうでしょう? その指の先に天竺があったりすれば玄奘のテンションぶち上げです。指の先、というのは思いがけないパワーを秘めているものです、それを否定してばかりでは勿体無いと、私は思うわけです。いわばあっち向いて本意とすることで、そのパワーが己のものになるのです!

負けますけど。

2006年02月28日 20:08


■マドンナにも種類があり

俺たちは二人で一人だ、と叫び続けてきた僕ですが、とりあえずもう一人を探すべく最近では俺は二人で一人になるうちの一人だ、と叫ぶことにしております。

これならば、もし相手が僕の二人のうちの一人だった場合、お前は二人で一人のうちの一人なら、俺はもう一人だ、ということでその場で二人で一人が完成することができます。そうしてようやく二人で一人になれた僕たちは人前で二人で一人だと名乗れるわけですが、ここで一つクエスチョン。

相手が三人目だった場合、俺たちは二人で一人、といわれても相手と自分の二人で一人なのか相棒と自分の二人で一人なのかの洗濯を迫られ、その結果どちらかと二人で一人になることは出来なくなります。かといって三人で一人では法に抵触し、警察官が夜な夜な枕元で寂しそうに立つはめになり、せっかくの自慢の観葉植物を全てどかして盛り塩をしなければいけません。

要するに、二人で一人と名乗るからには、そのミニサボテンがただの盛り塩になる覚悟が必要だということです。サボテンの上に塩を盛ってみてはどうか、という意見も出ていますが盛り塩のサボテンへの影響が判明しておらず、現在研究会では学園のマドンナとコミックバーズの読者に塩を盛ることでその安全性を確認しているとのことです。

2006年02月28日 20:07


■ほとんどが鷹に食われて死ぬ

大杉さんは凶暴な熊だ。

凶暴な熊である大杉さんは、近所の人たちから怖がられている。僕は鮮魚コーナーでシャケをその場食いしてしまって従業員にこっぴどく叱られている大杉さんのさびしそうな背中と、リポビタンDばりに首をねじ切られる従業員をしょっちゅう見ている。

大杉さんは凶暴な熊だ。

大杉さんの家は、小杉さんの隣にある。小杉さんは大杉さんのことを、そこまで凶暴な熊だとは思っていないらしい。というのも、小杉さんの家には獰猛な鷹がすんでいるからだ。小杉さんはよく大杉さんのことを「凶暴な熊だとは思っていない」とよく言いながら、砂利を子供にぶつけていた。砂利をぶつけることで骨を強くするらしい。

大杉さんはいつも帰ってくるのが遅い。深夜二時ぐらいに千鳥足で帰ってくる。そしてハチミツに映った自分の姿を見て、泣く。大杉さんは、凶暴でもなんでもない熊だと僕は思う。大杉さんの家にあるタンスには、おちょこがたくさんある。暇なときはおちょこを部屋にしきつめ、その上を転がることでエクスタシーを得るのだと言う。おちょこの中には一匹ずつ大きい芋虫が住んでいて、それらが育つとルータになるんだそうな。

いつかこのルータたちが、ITの未来を背負うことになるんだろうか。

2006年02月28日 20:06


■すいませんと四回言った

数を数えようと思う。

数って奴は非常に不思議だ、増やそうと思えば際限なく増えるくせに減らそうと思うと際限なく減る。この無限とも思える数の中で誰を僕は選んで、そして溺愛して、生涯の伴侶と定めればよいのだろうか。

数を数えることは、無限への挑戦だ。生涯をかけての無限への挑戦だ。このチャレンジを君は無謀というのだろうか、大海原に帆を張って、新大陸を目指したコロンブスを君はバカと笑うのだろうか。否。それこそ英雄になれない凡人の僻みに過ぎない。要するに風呂に入って100数えなさいといわれたときから、その挑戦は始まっている。

子供は数え続ける、数を。数を数え続けることが、彼を束縛から解き放つ唯一の手段が数を数えることなのだ。まるでこの永遠に続くかと思われる入浴を、幾たびも超えて子供は大人になるのだ。そしてさらに節分という数と豆のコラボレーションによって、人は無限への挑戦を諦めるのだ。しかし立ち止まってはいけない、そこで諦め続けてしまっては、もう二度と無限へのチケットは得られない。数を数えよう、1から順に数えよう。無限があるはずなのだ。そこには無限が潜んでいるはずなのだ。なのにどうしても210円しかない。

もうすぐ店員が肉まんを三つ持って帰ってくる。

2006年02月28日 20:05


■軍はすぐそこまで来ている

「人は自由だと思うかい」
「人は自由さ」
「どうして」
「僕は今自由に生きて、自由に君と喋ってる。
僕に不自由さがあるかい?」
「確かに君は今自由だ、だからといって人が自由とは限らない」
「不自由そうな人はいるが、それだって自由だ」
「温泉には入る?」
「たまにね」
「自由に?」
「わからない」
「間違いなく、温泉に入っているときは、例えばだが」
「何がいいたいんだ」
「不自由ってとさ」
「温泉が?」
「君がさ」
「どうして」
「温泉に入っているとき、温泉から出れないだろう?」
「そりゃそうさ、温泉に入っているんだもの」
「なぜでない?」
「寒いからさ」
「じゃあ出ても寒くない用意がしてあったら?」
「わからない。出ないかも」
「なぜ?」
「なぜって。それは温泉に目的があって入っているから」
「盲目的に温泉に入っていたら出るかい? 例えばロボトミー手術で……」
「何が言いたいんだ」
「つまりだ、温泉に入る目的というものに縛られて、あ、砂糖いるかい?」
「入れてくれ」
「いくつ」
「四個だ」
「つまりだ、目的が人を縛るってことさ。歩いている人は、目的のために止まれない。目的を凌駕する目的が生まれない限り止れないんだ」
「なるほど、しかしその目的の選択に自由があるんじゃないのか」
「違うね。」
「なぜ」
「一味は?」
「入れてくれ」
「ミルクも?」
「ああ」
「君は全部入れるんだな」
「だって、君が入れたがるんだろう」
「まあ、つまりだ、目的無しで生きることができない以上、人は目的に縛られてしまうんだ」
「だから、不自由ってことかい」
「バニラエッセンス」
「入れてくれ」
「そうさ、人は自由に生きているフリをしているだけだ。人は本当に自由にはなれない。どこまでいっても奴隷さ。」
「おもしろくないことを言うな」
「まあそういうな、奴隷には奴隷の娯楽がある」
「ふん」
「ところでどうだい、シチューは美味くできたかい」
「失敗だ」
「どうして」
「バニラエッセンスがとどめになった」
「そうか。そりゃ悪いことをした」
「一味が浮かんで綺麗だ。見て楽しむシチューも悪くは無いよ」
「味わえなきゃ無意味さ、どうせならこのうんこでもぶちこんでやればよかったかな」
「ずっと持ってたのか」

2006年02月28日 20:05


■明日がもう昨日

就職活動をしようと思う。

今現在は勤労学生として誰からも認められる存在である僕はそれこそもう故郷に錦どころかオシャレだけど実用性に欠けるインテリアを飾る勢いではあるのだけれども、この、僕自身の中に眠る向上心という名の魔物が現在の地位に留まることを良しとしないのだ。

そう、僕はさらに上のステージ、社会人へと足を踏み出さねばならない。社会、そこは人外の魔境。灰色の巨大な生物が人をどんどんと飲み込んでは精力を絞りつくして吐き出し、また女は生贄に、子供と老人は労働力に、青年はサイボーグ兵士として改造を施され王国の礎とされる。人は社会を恐れ、社会から逃げようとするがサイボーグ兵士たちが俺たちをどこまでも追いかけ、蹂躙する! あいつらの屈伸を準備体操と勘違いしてハンコを押しに行こうと近づいたが最後、膝から射出されるパトリオットで空まで吹っ飛ばされちまうぜ! なんで月にクレーターなんて穴ぼこがあるか、わかるか? あれは隕石の衝突によってできたという説が有力なんだぜ!

でも僕はそこへ立ち向かわなければならない、僕の身体に奔流する血潮が、止まることを許してくれないのだ! 恋人はそんな僕を黙って見守ってくれる、両親は僕の背中を押し「がんばれ」と言い、友人は暖かいまなざしでエールを送り、教師は「まだやってなかったのか」と僕を励まし、両親は僕の背中をどんどん押し、いや心の準備が、両親は僕の背中をユンボで。

2006年02月20日 16:36


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