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■米より先にガムが渡来

朝すげーもうコートとか。

朝すげーもうコートとか着ないととてもじゃないけど細胞単位で氷結し、ハッと目が覚めたら街の様子が全然変わっててあれ、こんなところにビルなんてあったっけ? あれ、あの車宙を浮いて走ってるぞ? どういうことだ、どういうことだ! ちょっと失礼! 新聞を見せてください……2044年……? バカな、僕は2009年に道端で氷付けになっていたはず……それがどうして……一体なぜなんだー! 「何コイツキモい」 あ、時間は経ってもそのへんの評価は揺るがないんだ。

ってなるぐらい寒いのに、日中日が差してからは急に暑くなって今度はとてもじゃないけどコートなんか着てらんない、コートなんか着てたら体内に滞留した熱で僕が……僕自身が……溶け……。ハッ! と目が覚めたら街の様子がさっぱり変わっててあれれ、こんなところにビルなんてあったっけ? あれ、あの車宙を浮いて走ってるぞ? どういうことだ、どういうことだ! ちょっと失礼新聞を! え、2044年!? バカな、僕は2009年の道端で融解して液状になって春雨を入れられて……「何コイツカロリー低い」 あ、すすらないですすらないでOLの人。「これが私の朝ごはん!」目線おくらないでおくらないでOLの人。

ってなる日があって困るよね。

2009年10月27日 08:13


■せーのっ、見たーい!

掃除。

引越しがもう一ヶ月先に迫ってることからして今にも掃除、それも未曾有の大掃除に取り掛からなきゃいけないんだけどもこれどうしたらよくて、こんなのどうしたらよくってよ! 爺や! 爺やはどこなの! この惨状をあたくしどう掃除したらよくって!

「まずはゴミを捨てられるところから始められたらよろしいかと、フロイライン」

つってまあホント爺やが全く手伝ってくんないので掃除を自分でしなければいけない。

ホント、何で誰も「ゴミはどんどん増えていく」ってことを教えてくれなかったの。俺の引越シミュでは引っ越した時の行動を逆算していけば効率的に引っ越せる予定だったのにそれがまる崩れ。家具とかは引っ越したときそのままのレイアウトの癖してプラス何このゴミ量、どうすればいいの。

またこういうこと書くと「いらないものからまず捨てなよ」って言われるんだけど、なんか物が多すぎて正直どれが必要でどれが不必要かわかんない。もともと優柔不断な俺の目にはもうこれ、ゴミの山ではなく完全に玉石混交、ちょっとしたインディーズシーンなわけで。

それでも明らかにゴミってものがあるはず、ってんで半ば無理やり「これはゴミ! この得体の知れない紙袋は絶対ゴミ!」って断じて中開けたら思いっきり米。白米。ゴミに混じって米があるとかどういうトラップだよ、こんなの絶対無理だわ、ダイアナ妃でも撤去不可能だわこんなの。地雷地雷米地雷米、米米地雷なんてノリでバンバン撤去してたらいつかトラクターで轢かれる。

やーほんとさ、政治家とかさ「この日本を変えてみせます!」とか「クリーンな政治を!」とか謳ってるヤツに俺の部屋見せたい。じゃあまず法律とかじゃなくて子の部屋を日の丸ニッポン国だと思って掃除してみろと、それが出来て初めて政治家だろうと。

だってホント叛乱分子の数が半端無い、割合がおかしい、どう見てもここにあるモノの三割以上が叛乱分子だよ。男子・女子・分子だよ。「ちょっと分子~! ちゃんと掃除しなさいよ~!」ってそら掃除しねーよそいつら叛乱分子だから。

てなわけでとりあえず今は現状を維持しつつトルネード待ちです。もうガーッと家ごと浚っちゃっていいからさ、後で引越し先にいるものだけ降らしてくれよ。ていうか作ろうよそういう機械。小型トルネード発生機、そしたらもっと平和になるよ、もっとゆとりある社会になるよ、吸引力とかいって馬鹿じゃないの。強引力だよ強引力。有無を言わさぬ強引力でゴミ浚って、ついでに町行く女子をパンチラさせてくれよー! パンチラー!

パンチラが見たーい!

2009年10月25日 21:48


■しかもラーメンとかばっかり頼む

人の優しさ。

優しさ、って、あるね。いやー親切とか善意とか優しさとかそんなもんただの都市伝説もしくは林業の次に廃れてる産業か何かだと思ってたけどあるわ。人の優しさって確実に存在する。

先だって某所で「俺が財布を落としてこんなに気の毒なんだから、皆もっと優しくすべきだろ! カード再発行に手数料かかるとかマジV.S.O.P(very superior お前、ペコちゃんの膨らんでる頬にはみっちり舌がとぐろ詰まって、それでもなお収納しきれないからちょっと口から出てるの知ってて言ってんのか? の略)だよ!」とか言ってたんだけど、いやーホント、ちょっと見くびってたわ人類の優しさ。

俺の落とした財布を届けてくれた人がまずもって人類親切のアルファにしてオメガにして再放送であるのは間違いないんだけれども、それ以上に親切あったわ。

いやね、今日は再発行の手続きに行ってきたわけですよ郵便局。

もうアレだろな、財布落としてるドジ岡クズ彦の俺なんざ銀河開闢級の失笑くらうんだろうなとか思って行ったんだけれどもその時俺を担当してくれた人、男性、ボウズに近い短髪に朴訥な顔立ち、もしこの郵便局が潰れたとしても案山子として十二分にやっていける麦わらフェイスの局員。この人がすんげー親切。

「カードを失くしてしまって……」と言った辺りではまだ営業スマイル。あらそうですか、そりゃ大変ですね、ぐらいのテンションだったものが話が「いや実は財布を落としてしまって」に及んだときの「え……」これ! この「え……」のタイミングと間が凄い。この郵便局ごと岩井俊二が監修してんじゃねえかってぐらいの間。万感の間!

もうそっからは親切のドミノ倒し。
財布を失くされて不安もおありにある中で、こういったお手続きはお手間とは存じますけれどもこちらとしてもやはりそれを省略するわけには行きませんので、どうか、どうかどうかご理解くださった上で、その上で失礼を承知私の素直な気持ちを吐露いたしますと! こちらに生年月日とおところお名前をご記入していただけたら! 絶頂千万でございまズム! いやホントに終始おかわり無制限の気遣いバイキング。

頼めばそのまま二日ぐらいは泊めてくれそうなほど心配してくれるもんだから、俺もどうにかしてこの人を安心させてあげたいって気分になっちゃって最終的に「俺、ちゃんと頑張ります!」って思った。本気で思った。もっと頑張って、そして人生において胸を張れる結果を出せたら今度こそ笑顔で、また再発行しにここへ来てあの人に報告するんだ。そして二人で酒の席を囲み「俺やったよ、俺がんばりましたよ!」って、そして今度こそあの人を安心させてあげたい……笑顔にさせてあげたい、本気でそう思うんだ。

まあそん時また財布は落としてるんで、おごってもらうけど。

2009年10月24日 23:36


■嬉しくても全裸で取りにいったら逮捕だぞ?

さ、

さっさ、さ

財布見つかったー!

六つ裂きにした後よくおダシを沁み込ませてさらに八つ裂きにされたハートを引きずり、止めたカード類を再発行をしにいこうと玄関に行くとハガキポトリ。見ると「うちさ、かわいい財布飼ってるんだ……だから、今夜は俺んち、に、その……来ない」って警察署からお誘い来ててヤベーなんて口下手な国家権力かしらアタシそういうのに胸デュン! 胸デュンなの! そしてまんまと出頭。

受付の「どうしました? レイプ魔ですか?」みたいな視線をくぐって「あの、財布を失くして……」つってもらったハガキを見せた途端に顔が気の毒シフトし「あ、これですね」と持ってきたのは、俺の財布! この不幸スパイラルの只中にあっては喜ばせておいて実は俺の財布じゃなくよく似たカブトムシの幼虫でしたオチもあるな、とか思ってたけど俺の財布! まごうことなき財布! 俺の!

いやー晒しちゃったよ今生ベストのほっこり顔! もう超ほっこり、出産に立ち会って「元気な男の子ですよ!」って言われたときにするレベルの嬉し顔、いや、超えてた、そんなの完全超えてた。だって俺ここで赤ちゃん出されて「元気な男の子ですよ!」って言われたらむしろガッカリするもん。財布じゃねーのかよって思うし。でも名前は付けるけど。

しかし最早財布が戻ってきたっていう事実と、財布を拾ってくれたイケモンがいるっていう世界の真実に感動して涙3way。とにかくお礼を言いたい、目の前のポリスあなた! あなた方にせめてお礼を! ありがとう、ありがとうございます!
「まあ落ち着いて。一応、中身確認してくださいね。カード類大丈夫ですか?」
はい大丈夫です! クレジットもキャッシュカードも無事です!
「ほか免許証とかも大丈夫ですか?」
はい! 免許証もビックポイントカードもちゃんとあります! ありがとうございます! こんな奇跡初めてです!
「現金も残ってましてね」
え!? まさかそんなバカな! 奇跡の大盤振る舞いじゃないですか! ミラクりたおしすぎでしょ神様! まさか入れてた九千円がそのまま……!?
「えーと現金は七千円五十円入ってましたね、間違いないですか?」
はい! まちが、え? 七千円? 落とす直前に買い物してたから残額の記憶違いは絶対無いと……。
「大丈夫ですか?」
あ、はい! 大丈夫です! きっと時間がたったから二千円引きなんですね! あります! よくありますそういうこと!
「で、拾われたのは武蔵小金井の辺りですね。落としたのはこの辺ですか?」
はい! 二駅離れてます! ……あ、なるほど! つまり俺が落としたところから、カラスか何かが俺の財布を食べて武蔵小金井の辺りに糞をし、その糞の中に残っていた俺の財布の種が芽吹いたんですね! 二千円はその時養分に使われたから減ってるんですね! 合点がいきます! 合点がいきました! 本当にありがとうございました!
「今度から気をつけましょうね。今回は凄く運がよかったですよ」
「はい! やっぱり水と土がいいからですね!」
「え?」
「ん?」

2009年10月23日 21:38


■おめでとうへありがとう

はい誕生日。

やっとこ引越しが決まって一息ついたところで携帯が「ここは俺に任せてお前らは早くダブルホワイトプランにぐわー!」とかいって電源入らなくなったのでショップに修理依頼した翌日、コミック担当がいないのにコミックの補充新刊、さらにライトノベルの新刊プラス地図・ガイドの新刊補充が合計で二十箱ほど入荷。

「よーしやるぞー!」とかいって荷物を運んでたら今度は腰が「ここは俺に任せない方がいいぜぐわー! ほらーだから任せない方がって言ったじゃーん、言ったからねー俺ー」とかいって爆ぜる。

爆ぜた腰の欠片を拾って、足りない部分がレゴで補いつつ翌日(六連勤→九連勤の中休み)身体をシュリン風に曲げながら整形外科に行き何とかエビから人類に昇格させてもらう。走ったり飛び跳ねたりするとまだ耳からハトが出るぐらい激痛が走るも、二足歩行は出来るのでバイトに復帰。

なんとか痛みも退いてきて、走ったり飛んだりすれば耳からスイレンが出るぐらいには回復した矢先にソフトバンクショップから「工場でお前の携帯ルアーにして釣りしてたら主が釣れた代わりに全損しましたぁん! あと主はタニシでしたぁん!」との連絡。

じゃあバイト終わりにショップに寄って機種変するかと思った当日に夜番の子が「家が衛星から確認できるぐらい全焼したのでバイト遅れます!」と言い出したので俺が埋め合わせ残業、さらに帰ろうとすると「労災用紙届いたから記入してってよ」と部長に言われショップに行けず。

翌日早朝、病院に行って労災の用紙を提出すると「あーこれ七号様式ですね。七号はかっこ悪いんで五号様式でお願いします」と突っ返される。この辺りから部屋の蛍光灯がチカチカし始め、あーこりゃダメかなそろそろ限界かなと思っていると案の定ふっと寿命到来。仕方ないので夜の十時過ぎに蛍光灯を買いに出かけ、その帰りに財布を紛失。

カード会社と銀行と郵便局に連絡を入れ、警察に届出を出して本日。免許証の再発行をしにいこうと駅まで行ったところで書店から連絡が入り「ライトノベルの新刊がほっとくとゴーレムになるぐらい来てるんだけど」と言われ、踵・トゥ・トロワ。書店で二時間ほどタダ働きをした現在十月二十一日、二十六歳の誕生日ー! イエーイ! おいおい盛り上がっていこうぜー! え? お金? いいって馬鹿何いってんの誕生日だぜ!? 神の奢りだよ神の! なーおい!

2009年10月21日 19:53


■探さないでください。財布は探してください。

やったー!

財布どっかいったー!

いやあ無理ホント無理もう無理。財布が無い、って確定したときはもうパーン! ってなったわ。ここんところの腰壊しーの、携帯全損しーのでもう相当限界に来てた心の生命線、いやそれでも「佐々木希ちゃんも毎日俺のことを考えながら芸能界でがんばってるんだからへこたれちゃダメだ!」でなんとか持ちこたえてた心のシャンパンタワーがパーン! ってなった。銀座ナンバーワンホステスが豪快にルチャかましてくれやがった。

よし、顛末を書くことで冷静になろう。

事の始まりは昨日の日記でも書いた蛍光灯チカチカ事件。あの日記を書いた数時間後に蛍光灯がふっと消えた。もうホント何の前触れもなくふっと。「ヤバッ! 先生来た!」ってとき速攻で電気消してくれる気の利くヤツみたいな消え方をしたもんだから、あーこりゃさすがに云々いってらんねーなってことでジャケットを羽織り財布を持って近くのスーパーへ。

スーパーで蛍光灯とタイムサービスで半額になってた助六寿司を買った。そう、買ったってことはこの時点でまだ財布はあったということ。順を追って思い出していく、商品を出す、金を払う、商品と袋をもらう、カウンターで袋に商品を詰める、ふと前を見ると松井が打席に入る、敬遠しろのサインを無視して渾身の財布カーブを投げる、松井が大きなアーチを描く、ファンに野次られながら蛍光灯の入った袋を持ってスーパーを出る。

うん、失くすようなアクションを起こした記憶が無い。

家に帰ってからはもちろん蛍光灯が真っ暗だったもんで、どこに財布を置いたかまでは覚えてない。おそらくジャケットに入ったまんまジャケットを脱いだのだと思う。

しかしジャケットのポケットにはライターしか入ってなかった。

これはどう考えればいいのだろう。財布がライターになったのか。「私です! 先日助けてもらった財布です!」つってライターになって恩返ししに来たんだろうか、いやだったら財布のままの方が何倍もライター買えるんですぐ戻っていただいて結構なんですけども。

いやまて逆だ、逆に考えよう。

ライターで会計をしていた、とは考えられないか?

「お会計で1078円になります」
「じゃあこれで」シュボッ
「熱っ! 熱いっ! ちょっと! 熱いっ! こんなに熱いからお釣りは22円になります!」
「どうも」

こういうことか! こういうことなら合点はいく。つまりライターで炙れば大体のものが買える着火マネーの時代が到来していたということか。そうか、だったら問題ない、ライターあるんだからとりあえず生活は出来るってことだいやー安心した。何でも冷静に考えて対処することが大事だね。ほんと一時はマジでこのまま身投げでもしてやろうかと思ったよ、いやーギリギリだった、危なかったわーあと一個なんかあったらマジでアウト、え、佐々木希ちゃんは俺のこと何とも思って(パーン)

2009年10月20日 18:00


■夜王

部屋の蛍光灯が寿命。

いやーホントこれ以上何書いても蛇足になるぐらい最初の一行で俺に起こってる出来事の正鵠射たわー。射た上にロープの反動を利用してのラリアットで昏倒したところを引っ掴んでからのチキンウィングフェイスロックだわー。

ホント要する必然もないくらいに一行目の通り。もう部屋の蛍光灯が点けてから二時間を過ぎてからチカチカしだして、消えるには至らないまでもいつふっと消えてもおかしくない状態。

んで、まあ、これがさ、女性の四人に一人が尿漏れでさらにその中で五人に一人がムエタイのキックボクサーで、さらにその中で五千人に一人だけがかかる難病に冒された我が最愛の妻ならさ。手術に立ち会い手を握りながら
「がんばれ! 大丈夫! 大丈夫がんばれ! はいメス!」
「旦那さん、できれば奥さんの手を握ってやってください」
「そのこてっちゃんみたいなところ切除した方がよくない?」
「旦那さん」
みたいなこともできるんだけど所詮蛍光灯。そりゃ交換すれば蘇るよ、そうそれはわかっている、わかってる上で、ええと、なんていうか、俺、あと一ヶ月ぐらいでここ引っ越すんだよね。

あと一ヶ月、たった一ヶ月のために蛍光灯を交換するのはなんか凄く勿体無いというか、いやでもその一ヶ月すらもちそうに無いぐらい限界に来てはいるんだけども! でも、でもさ!

癪じゃん!

蛍光灯交換してから引っ越して、ふと不動産屋みたらこの物件が「蛍光灯新品!」とか書かれてたら癪じゃん! そんで入居した人が「うわー! 広いし安いし駅からも近いし蛍光灯も全然明るい! ありがとう魔法使いのおばあさん!」「ホッホッホ、お安い御用じゃよシンデレラ」ってなったらすんげー癪じゃん! 最後の蛍光灯に関してはババアてめぇの魔法でもなんでもなく俺の努力だからな! それだけは十二時過ぎても明るいまんまだからな! って言いたくても言えないんだぜ!?

だからもう何とかこの蛍光灯で引っ越すまでを乗り越えたいんだけども、そうなると間違いなく残り三週間ぐらいのところで闇の住人になって、ご近所からも「あ、ゴブリンだったんですね」みたいな目で見られることになるのは明白で、ああああああ、もうわかったじゃあ蛍光灯換える! 換えるけど、蛍光灯に俺の写真張って「私が換えました」ってメッセージと連絡先と源氏名添えたメモ張っておくわ! 国分寺ナンバーワン蛍光灯ホストの座は、俺のモノだからな……!

2009年10月19日 20:31


■十二割実話

ロリコンって何? っていうこと。

いや今日も無難に書店員業をこなしてたらさ、レジの横に置いてあるイラストが書かれたポストカードとかしおりをじっと見てる女の子がいたわけだよ。で、ああ、こりゃ欲しいんだな、ポストカード欲しがり勢力の一員だなと思ったから「よければ、どうぞ」って言ったらその子がはにかんだような顔で「ありがとう……!」って言ったの。

その表情がすんげー可愛くてめちゃくちゃ可愛くてさ。

もうなんか版元から送られてきた「おめーこんなのライトノベル好きな皇帝が我が書店を訪問なさったとき、座布団代わりに差し出す以外使い道ねーぞ」ってぐらい不自然にでかいポップとかをわざわざ引き出しから出して「こういうのもあるよ」とか言ってそしたらまた「わー!」って、いやホント「わー!」っつったんだよ! あの子に比べたらお前ら全然わ行使いこなせてないからな!

最終的にポストカードとしおりをいくつかあげて、そんで頭まで撫でたりとかしててうわー子供かわいいな超かわいいパイズリしてあげたいとか思ってた俺を参観する母親の顔な。

もうクリーチャーペアレンツ顔を第二形態まで露出させながら「あの、うちの子が何か……?」ってね。完全にロリコン観察用の眼差し。

急いで理由を説明したんだけどそれでも眼差しはあの日のままで、えー!? って。いやさ、俺これロリコン? ロリコンなの? いやロリコンってさ、もっとこう女の子を尾けまわしに尾けまわした挙句その子がトイレに入ったのと同時に自分も男子トイレに入って「今俺とあの子は……同じタイミングで性器を露出して……!」なんて文学的セックスに興じる連中のことでしょ? え、これロリコン? しおりあげただけでロリコン?

いや確かにその女の子に対しある種の好意が沸いてさらに追い炊きしてたのは認める、認めるけども、それは性的興奮では決して無い! 断じて無い! 大体その子結構ブサイクだったからね。いやーもうお母さん間違いなくあなたの子ですよその馬面。見事な馬面シェアリングに、髪型も関が原で負けた方みたいな感じだったしもしあの子が白米の上で卍開脚して誘ってきたとしても俺は納豆をかける手を止めはしないからね!

だから俺は決してロリコン的風情でもってあの子に接してたわけじゃないんだ、ただ単純に、皆が春の桜に対しそうであるように、秋の紅葉に対しそうであるように、愛でていただけなんだよ! だからロリコンじゃないんだよ! 愛でコンなんだよ! それなのになんかもう光速の壁ぶち破る勢いで女の子連れて帰るとか無いだろ! いやもうだったら光速の壁ぶち破れよ! そんで時空が歪んで時が巻戻って、そしたらもう今度こそ俺あの子のケツにしおり挟んでカードリーダごっこするからな! 愛でコン舐めてんじゃねえぞ!

2009年10月18日 18:50


■ゆかしたん

そこは古い一軒家。
築三十年をゆうに超えもちろん耐震構造なんて何それ、食べれるの?然といったおんぼろ屋敷。そのせいもあってか家賃は安く、大した審査も無く即入居が可能だというので、金の無い俺は逡巡するかどうかすらの逡巡もせず契約を済ませた。

入ってすぐのところに十畳ほどのリビングがあり、床は畳張りのまさに古きよき一家団欒タイプのリビングだ。夏場だというのにその部屋だけヒンヤリと涼しかったのが気に入り、そこに生活スペースを設けることにした。

その夜。

気づいたのは夜半を過ぎた辺り。最初に聞こえたそれは、寝ぼけ眼に思索するのも面倒なほどに微かな音だった。どういう音か断ずるのも困難なほど微かであったが、強いて言うならカリカリと、床の内側を節足動物がせわしなく歩いているような音。あるいは、爪で、小刻みに引っかくような音。

古い家だから、畳の下でネズミでも走っているんだろう。そう思ってまた眼を閉じた。それから五分も経っただろうか。音は、最早耳を床につけていなくとも聞こえるほどに増大した。若干の気味悪さに襲われた俺はまず部屋の電気をつける。音は鳴り続けている。

ためしに音の鳴る辺りをゲンコツでこづいてみると、音は、怯んだように止んだ。しばらくそのまま床に張られた静寂の膜を眺めていたが、破られることは無いようであったので電気を消して再び床についた。

しばらくして、またあの音が鳴り始めた。今度は寝転がったままゲンコツを床に見舞う。また音は止む。そして間々あって、また音は戻ってくる。それも先ほどより大きく、はっきりとした響きを持って。俺はなんだか性悪な猫にでも馬鹿されているような気がして、今度は乱暴に足の裏でどすんと大きく床を蹴った。音はまた止んだ。

次またこの音が鳴り始めたら、そのときは畳をむしりとって音の根源を、鬼だろうが蛇だろうがその首根っこ引っつかんで就寝の作法を叩き込んでやろうと思っていたが、引っかくような音はそれきり鳴らなかった。引っかくような音は、それきり鳴らなかった。

俺は思わず床から反射的に顔を上げた。不意に、至近距離から耳打ちされたようなむず痒さが鼓膜を右から左へ貫いた。床をじっと見つめるが、特に変わった様子も無く、あの音も聞こえない。しかし胸の裏側を無数のムカデが縦横に走り回るような胸騒ぎが、恐怖が俺を掴んで離さなかった。

電気を再び点け。ゆっくりと耳を床に向ける。

「……さん……ん……」

風の通り抜けるような音だった。敷布団を払いのけ、畳へ直に耳を近づける。

「お……ん……て……して……」

べったりと耳を畳につけて、音の正体を確かめる。

「お……あさん……だ……て……だして……。おかあさん……だして。ここから、だして。おかあさん、だして。だしてだしてだして。おかあさんおかあさんおかあさんおかあさんおかあさん」

受身を取るように両手で畳を叩き顔を跳ね上げる。確かに聞こえた。気のせいなどではない、確かな言葉だ。なぜ畳の下から。あの引っかく音の主は。少女のような声だった。頭を様々な思案がグルグル巡る。カリカリと、あの音も再びともなって声は部屋に霧のように充満していった。

「おかあさん」
「だして」

なんてありきたりな展開だ。曰くつきの物件、そうだここは確かにその条件を充分に満たして……。「だしてだしてだして」考えるよりも先に体が動いた。「ここからだしてねえいるんでしょそこにだしてだして」ここにいてはいけない。「おねがいだしてだして」このままではいけない。焦燥する頭を振り回して服を着替え「おねがいだしてだして」上着を羽織り「だしてだしてだして」部屋を出ようとガラス戸を開け「だしてっつってんでしょアンタ何ちょっと余裕でハブってくれてんのよ!」ガラス戸を開ける手が止まる。

「……え?」

問いかけに対する返答は無い。俺はまたゆっくりとガラス戸を開け

「はいダメー! はいブー! バレてまーす! ゆっくりバレないように戸を開けようとしてるのバレてまーす! だからちょっとさ、なんでだしてっつってんのよ逃げようとしてんの。社交性虚数なのアンタ?」
「あの……」
「あの、じゃねーわよマジで」
「えっと……誰?」
「ハッ。アンタね。畳の下にいる女の子の向かって『誰?』って何? どういうこと? アンタ好きな子がトイレ入ったの見計らって扉の前で『好きです!』とか言っちゃう人? 出てから言えって感じじゃない?」
「だって、あの、あなた、霊……」
「あー霊。ハイハイ、霊霊。出たわー霊差別。無いわー」
「すいませ……」
「謝んなくていいから、とにかくちょっとアンタここ座んなさいよ。いつまで非常口マークのコスプレしてんの」
「あ……うん」
「えー。だからね。出してほしいって、言ってんの」
「いやそれはわかりますけど」
「けど、何。けどって何よ」
「それはちょっとムズカシいっていうか」
「難しい? 何が? 何が難しい? 別にアタシは明日のオリックス戦スタメンで出してっつってんじゃないのよ? ただこの畳の下から出して、って言ってんのよ!? 前者なら原監督以外すいません系だけどさ、後者の何が難しいの!?」
「いや、そういう物理的な問題じゃなくて」
「じゃ何、シャイなの。一つ畳の下にいる子と一つ屋根の下で暮らすのがそんなに恥ずかしいの? 何、心が仮性包茎なの?」
「いや、なんていうか、死んでるよね。君、たぶん」
「生きてたらこえーだろ!」
「死んでるからこえーんだけど」
「キャー! 男子がアタシのこと怖いってゆいますー! 傷ついたー!」
「え、だって、どういう状態で出てくるかわかんないから」
「まーそりゃあね。United Allows床下店とかあればちょっと気使ってやれるだろうけどねー」
「あの、死体とかそういう子は、ちょっと……」
「ネクロ差別出たわー死体っていっても元人間なんだからそんな大した違いないわよ」
「え、でも、なんだろ、腐ってたり……?」
「ほんと、初対面の女子に言う台詞じゃないわよね」
「腐乱系女子はちょっと」
「何よ、ちょっとばかし皮がめくれてたりするぐらいなんだってのよ!」
「やっぱめくれてるんじゃん」
「いやわかんないわかんない、皮じゃないかもコレ」
「じゃ何なの」
「湯葉かも」
「なんで湯葉と一緒に畳の下に閉じ込められてんだよ。もういいよ、すぐ引っ越すから」
「あーまってまってまって! 結構ちょっと大変なのよこうやって話せる人間と会うのも!」
「だって皮めくれてる女の子とか怖いよ。グロいし」
「あーわかったわかった、じゃあ、えー、化粧品買ってきて」
「絶対ごまかせないと思うよ」
「ファンデとチークと、あとアラビックヤマトとハサミと」
「後半工作道具になってるしね」
「あ、さてはお金無いのね? 道理でねハハーンこんな安物件ハハーン借りるってことはハハーン!」
「合点行く頻度が高すぎるよ」
「じゃーわかったわかった、えーとね、前株の『床下』で領収書」
「絶対経費で下りないから」
「あーもうアレもダメこれもダメ……あ、はいはい、なるほどそういうことか、はいはい
えー……お兄ちゃん! お願い、私をここから出して!」
「……」
「お願い! お兄ちゃん! 出してくれたら、お兄ちゃんに私の初めての成仏……あげちゃう!」
「脳のどこをいじくっても、畳を妹に見せるのは不可能だと思うよ」
「畳じゃねーよ! 本体は下!」
「いやそうだけど、こうしてみると畳が喋ってるようにしか見えないから」
「だからだしてって言ってんのよ! ほら、アンタも床としゃべってる事実を目撃され、ご近所さまから冷ややかな視線をお中元代わりに頂いて、気のドック入りしたくないでしょ?」
「あんた出したところで、他の人には見えないでしょ。だいたい俺が出しても成仏とか出来ないんじゃないの」
「なんでさ」
「おかあさんだして、って言ってたじゃん」
「あー……」
「おかあさんに出してもらわないとダメなんじゃないの?」
「いや、ちょっと、ごめん、それちょっと恥ずいからあんま言わんといて」
「え、何、方言出ちゃうぐらい動揺することなの」
「いやーだってアンタもあるでしょ? 勢いあまって先生をおかあさん! って呼んじゃうこと」
「え、その類のハプニングなのあれ!?」
「いやーこっちも聞こえると思って言ってないからさー。アンタ来る前なんか『軍曹殿!』つってたから」
「そりゃ出してもらえないでしょ」
「『軍曹殿! 不死鳥のハネで乳首をいじってる軍曹殿!』つってて」
「誰向けの呼びかけなんだよ」
「いやだからホントガチレアなんだって聞こえる人、もうそりゃ適当になるわ」
「んーじゃあ、わかった。わかったよ。わかりましたよ」
「え、え? 出してくれるの!? ディズニーランドつれてってくれるの!?」
「何をついでにレジャーしようとしてんだよ。いや、出すわけじゃないけど」
「Booo!!」
「不平の言い方がフランクすぎるわ。ま、ちょっと考えさせて」
「うわーもうホントチャンス逃す人間の考え方だわー。アンタ今五億をドブに捨てたね」
「床下霊にそんな経済効果ねーよ。でも悪い人じゃなさそうだし、俺の気が向いたら出すよ」
「ええー」
「だって畳はがすのだってタダじゃねーんだし、こっちだってそれなりの労力払うわけだしさ」
「んだよケチ。ケチンボーイ。ケチンボーイ・ミーツ・銭ゲババア」
「何その救いの無い邂逅。ま、アンタも俺逃したらいつまた声聞こえる人が現れるかわかんないわけだし、ちょっとしばらく考えさせてよ」
「うわーさらりとエグい交換条件だこと、ま、いいわ。いいわよ。はいはい、飲みますよその条件」
「じゃ、今日はもう寝るから、静かにしててね」
「何時起き?」
「八時かな。え、もしかして……モーニングコール的な」
「アタシ明日休みー! イエー!」
「死ね」
「もう無理ですぅ~! イエー!」
「寝る」
「イエー!」

2009年10月17日 00:57


■私立アイリス四暗刻女学院

「無い……無いわ……私の当たり牌……どうして?」
「あら、霧ノ宮さん、生きたままのガゼルを貪るハイエナのようにカバンを漁って……どうかいたしまして?」
「え、いや、ふふ、なんでもございませんのよ。少し探し物をしてまして……」
「そう、ならよくってよ。あら、そういえば、本日の学年集会で薔薇ヶ峰様がご挨拶なさるようですわ」
「えっ、薔薇ヶ峰様が……?」
「素晴らしい方よね。学年トップの秀才で、スポーツも万能、まさに我が校の誉れ! はぁ、憧れてしまいますわ……」
「そ、そうですわね……」
(薔薇ヶ峰 綾香……いえ。本名『粗忽山 ペロ美』……まさか、また、アナタが……)

「それでは、生徒代表の挨拶を、薔薇ヶ峰 綾香さんよりしていただきます」
「薔薇ヶ峰さんよ!」
「素敵だわ……」
「なんて気品溢れる……」
「しっ、薔薇ヶ峰さんがご挨拶なされるわ!」

「……ただいまご紹介に預かりました。薔薇ヶ峰 綾香です。皆様、ごきげんよう」

ごきげんよーぅ

「あら、うふふ、少しお声が小さいのではなくて?」

ごきげんよーぅ!

「あら嫌ですわ、まだ実力の三割といったところではなくて?」

ごきげんよーぅ!!

「もう、わかってらっしゃるくせに……そんな声では、ウルトラマンティガは来てくれませんことよ?」

「薔薇ヶ峰様ったら……ごきげんようではティガはいらっしゃらないというのに」
「なんてユーモアあふれるつかみでしょう!」
「さすがは薔薇ヶ峰様ですわ……」
「ホンマや……」

「では……こほん。いきなりこんな話で申し訳ないのだけれど、私、先日ある人物に命を狙われましたの」

ざわ……

「その人物は前方より私にGunを突きつけて参りましたわ。そこは一人通るのが精一杯の狭い路地、前方よりはヒットマン、さらに後方には景色をバックに写真を撮る家族。私、進むも戻るも叶わぬまま、ただただ立ち尽くし、わが天命の儚さを呪いましたの……しかし撃鉄が私の人生の幕を引こうとした、そのとき」

ざわ……?

「私の胸に入ってたコレ……その時たまたまツモっていたイーピンが、私の命を救って下さいましたの!」

「なんということでっしゃろう!」
「奇跡、まさに奇跡だわ!」
「薔薇ヶ峰様の、日頃の行いの賜物ね!」

「そしてこのイーピンは私の当たり牌でもありましたわ……私はこの奇跡を、奇跡の和了を神に深く感謝いたしたましたの!」
(違う……アレは!)

ガタタッ!

「あら、どうしましたの霧ノ宮さん? そんな第一宇宙速度突破、みたいな立ち上がり方をして……」
「薔薇ヶ峰様……そのイーピン、私のロン牌ですわ!」
「え……?」
「まさか……薔薇ヶ峰様が放銃するだなんて……」
「ありえないわ!」
「ホンマやで」
「霧ノ宮さん……だったかしら。このイーピンがアナタのロン牌、ですって? うふ。まあそういうこともあるかもしれませんが、しかしこのイーピンはアナタのロン牌であると同時に、私の上がり牌……で、あれば、私の和了が優先されるのではなくて?」
「ええ、そうね。上がり牌がカブっていたなら、そうですわ。しかしこの場合は違くてよ! なぜなら私の上がり牌は、イーピンではなく、「白」なのだから!」
「え……?」
「ではイーピンでは上がれないのではなくて?」
「あの子、キ印ではなくて?」
「せやなぁ」
「霧ノ宮さん……アナタご自分で何をおっしゃっているか、理解できていて? あなたの上がり牌が『白』ならイーピンでは上がれなくてよ? こんなこと、基本ですわ……」
「ええ、そうね、その牌が本当にイーピンならね!」
「何を言いたいのかしら」
「イーピンだとおっしゃったその牌、もう一度皆の前に掲げてくださいまし」
「……」
「どうしましたの? もう一度、先ほどなさったように掲げてくださいまし! ましれ! ましれよ早く!」
「……これが、どうか、しまして?」
「普通のイーピンではなくて」
「どこから見ても普通の……あ!」
「どうしました?」
「真ん中の柄、アレは……もしかして」
「弾痕?」
「え、ということは……!」
「そう! あの牌は元々イーピンではなく「白」なのよ! それを薔薇ヶ峰様は弾痕がついたのをいいことにイーピンと偽ったのですわ! つまりあのツモ上がりは偽りのツモ上がり!」
「な、なんですって……」
「そしてその白は私のロン牌……薔薇ヶ峰、いえ、粗忽山さん! もう言い逃れはできなくてよ! 私の3900点、今ここで支払ってもらいますわ!」
「わ、私ちょっと気分が……」
「逃げるの! 粗忽山さん!」
「いえ、急に生理が五か月分来ただけよ……そして霧ノ宮さん、あまり調子に乗らないほうがいいわ……あなたとの東場は、まだ始まったばかりでしてよ!」
(まだ諦めてないの……薔薇ヶ峰、ライバルながら天晴れ!)


収拾がつかなくなる前に収拾する。

2009年10月16日 00:55


■プロファイリングっ子

「ってー! 遅刻遅刻ー!」
「やだーもー! 学校が目と鼻の随分先ー!」
「わわっ! ハプニング!」

ドッシーン!

「いたたたたた……」
「いたたたたたた……」
「キャッ!」
「えっ?」
「ちょっとアンタ! 私のパンツ見たでしょ!」
「え、み、見てないよそんな青と白のシマシマ……」
「見たんじゃないこのバカ! エッチドスケベヘンタイ幼卒の母親がロシア人父親が日本人で、今は父の仕事を手伝うという名目で日本に来ているがそれは真っ赤な嘘! 何故なら、あの日、そう、あの日父親の研究室から垣間見えたまるで人の精神を、あるいは宇宙の起源すらも冒涜した異形と、それに向かって満足気な笑みを浮かべる父親を見てしまってからというもの、何もかもが信用できなくなってしまい、あれは悪夢だったのか、それとも悪夢が真実になったのか、恐怖と好奇心がないまぜになった精神は今にも父親に事の真相を問いただしそうになってはいるけれどそんなことをしては自分の大事なものが、そう、家族が壊れてしまいそうな気がしてできなかったが、それは長くは持たなかった。ついに頭をもたげた好奇心が父親への詰問を許可してしまい、その口から恐るべき真相を聞いたあなたは父親を勢い余って殺害! 何食わぬ顔で生活しているが、その実今でも真相を知った刺客に怯えて暮らしてるくせにー!」
「な、何を……」
「いたぞ! 博士を殺害した犯人だ!」
「くそっ! 小娘! お前は人質だ、こっちへ来い!」
「嫌よ離してっ!」
「暴れるなっ、うわっ!」
「キャッ!」

ドッシーン

「いたたたたた……おい、犯人逮捕の邪魔をするな!」
「いたたたた……キャッ! み、見たでしょ!?」
「何をだ、本官は何もそんな青と白のシマシマ……」
「やっぱり見たんじゃないエッチバカドスケベ旅行好きで生活に何不自由なくこのままゆっくりと死んでいくことに疑問も抱かない自分だったが、ある妙な事件に首を突っ込んでからというものの人生がジェットコースターのように目まぐるしく変わっていった。その事件は、件の生物学の権威が殺された事件で、まるで異形の生命体を作り出そうとしていた博士がその息子によって殺されたのだ。正義の名の下に殺害犯の青年を捕まえねばならないが、あの研究所で見た異形たちを生み出した博士、その狂気が正義とはまったく思えない、その悶々とした中でそれでも職務をまっとうするしか能の無いヘタレのくせにー!」
「な、何を、本官は決して……!」
「おい何をしている! 犯人が逃げ」

ドッシーン!

「キャッ! パンツ見たでしょこのエッチバカドスケベヘンタイ音楽のジャンルでいうとサイコビリーが好きー! 特にメテオスー!」
「お? お嬢ちゃん話せるねえ」

2009年10月14日 19:26


■「ねー誰ぇ? 私の鞘隠したの誰ー?」と言いながら刃が当たらないように気にしながら人ごみの中で右往左往する子募集

適度に身動きの取れなくなった女の子。


適度に身動きの取れなくなった女の子が著しく好きだ。具体的に例えを上げるならばTシャツを脱ごうとしてこう、腕をバッと上に上げたその瞬間! 腕がアームホールから抜けきれていない、適度に両の腕を拘束されたあの状態だ。あの状態状況に昂奮を覚えた男子は少ない無いはずだ。決して脱ぎ始めではない。脱ぎ終わりでもない。Tシャツ脱ぎ山脈その五から六合目に俺たちの求める薬草があるのだ。

ただ、だからといって手錠とか猿轡とかはやりすぎ論外。そんなのレイプじゃん。そうではなくて、決して絶対的な拘束ではない、やろうと思えばそのまま一イニングぐらいは投げれる状態がいい。

だからまあそういうことでいうなら上述のTシャツ六合目状態も俺としてはやや団鬼六テイストが強すぎる。理想を言うなら、すっげーかわいい子が両肩にグラスたっぷりに注がれた森以蔵のせられちゃってる状態。もしそんな子が職場にいたら一刻の猶予もなくプロポーズしたい。そう、女性の美を完成させるのはさらなる美しさではなく一抹の不自由さなのだ。

なので友人達が道行く女性を指差して「あのスケ、マブくねえ?」などと盛り上がってるのに違和感を覚える。確かにかわいいかもしれない、それは認める、それは認めるけれどアイツらすんげー自由じゃん。アメリカより自由じゃん。

違うの。そうじゃないんだ。もしもあの子が、もしもだよ、人ごみの中で微動だにしてなくてあれ? なんだろう? と思って近寄るとその子のつま先に尻尾を乗せたまま寝てる猫が見えたとしたら、そりゃもうホントご両親にご挨拶だよね。「娘さんと寝てる猫を、僕にください!」だよね。

つまり、世の中の女性は自由に動きすぎ、颯爽としすぎなのだ。もっとこう日本女性的奥ゆかしさを持った女性、佇まい静かに濡れたような黒髪とやや沈んだ瞳を輝かせつつも鎖骨に石油入れちゃったまま出社したり、あるいはもう帰らなきゃいけないのにリゾットの上に肘ついちゃったりする撫子。そういう撫子こそに惑溺したい、愛をささやきたい、そして僕の気持ちが彼女に通じ初めてのデートに至った暁にはガムを踏んだまま待ち合わせ場所にいてほしい。それだけだ、それだけなんだ。

という話を友人にしたら「不自由だなお前」と言われた。

2009年10月14日 01:01


■好きな子の笛に自分の酸素入れたりとかあるある

きりーつ

シュコー

れーい

シュコッ

ちゃくせーき

「えーおはよう、皆。あー、まあ、気づいてる人も多いかもしれないけれど、昨日の深夜五時くらいからかなーまあ君らだけじゃない先生もそうなんだけど、あー、この学校が水没した」

シュコ……シュコシュコ……シュコー

「はい静かに静かに。えー急に水没したことに関しては凄く、先生も悪いとは思ってる。事前にプリントとかで知らせるべきだったと。でもな、先生嬉しいぞ。こう、学校が水没してもちゃんとボンベ持ってきてる生徒が多い。これは素晴らしいことだ。去年の三組と比べたら随分とボンベ率が上がってる、今年の生徒は素晴らしい、校長先生も喜んでたぞー」

シュコー

「誰だ今校長のことヅラって言ったの。聞こえてるぞー。
 まあ、長々と過ぎた水没のことを喋ってても仕方ないので朝礼を始める。えー、木内、木内ー。なんだ、木内はいないのか、誰か木内知らんか?」

シュコ

「なんだアイツまた乗る潮間違えたのか。誰か木内に連絡取れるヤツ、どの潮で戻れるか教えといてやってくれ、な、橋本、お前木内と仲いいだろ、な。

須川!」

シュッ

「はい? じゃないだろ須川! しまえ」

シュコ

「し・ま・えと言ってるんだ。お前が今机の下に隠してるのをしまえ、まだ昼には早いだろ」

シュコナイ

「ほう早弁なんかしてないと、しらばっくれるか……じゃあお前の周りに集まってるグッピーはなんだ! お前の周りだけだぞ!? 何を目当てに集まってるんだ? ん? お前の弁当目当てだろうが! し・ま・え……ったく、えー、次、工藤ー」

シュコー

「工藤、お前学校来るのにその髪形は無いだろう」

シュコじゃん

「いや確かに色は染めてないかもしれんがな、そのパーマ、お前ちょっと珍しい藻みたいになってるぞ。悪いことは言わんから直してこい。メダカに卵産みつけられたくはないだろう」

(爆シュコ)

「いやいや、笑い事じゃないぞ。本当にそういう生徒が以前いたからな、な? 直しとけよーえーじゃあ、次……笹川ー……」

「……はい、じゃあえー、一限目は体育でマラソン……」

シュコブー!

「の、予定だったが……今日は天気もいいしな!
じゃ、全員着替えてプールに集合!」

シュッコー!

2009年10月12日 20:15


■ひえ☆らる

登場人物紹介

川瀬 みくる

主人公の幼馴染。おとなしそうな見た目でクラスでも目立たない存在だが実はアキバのカリスマコスプレイヤー。ただしその趣味は主人公にも隠している。好き嫌いは特に無く、とくに日本食を好んで食べる。料理全般が得意だが、特に魚料理が得意。包丁を持つと人格が変わったようになり「我が美食倶楽部では」が口癖になる。本人にその自覚は無いが、実は鳥類。

フナドリエル・アリス・フォン・ツレィル

イギリスの高名な貴族の末裔。日本にお忍びで旅行していたところ、主人公に出会い一目ぼれ。家族の反対をおしきって主人公のいる私立食物スパイラル高校に転校してくる。輝くようなブロンドのツインテールが特徴的で性格は高飛車。ことあるごとに「軍門に下れ!」と言って皆を困惑させるが、絶世の美貌と破天の知性を兼ね備えている。一見完璧のように見える彼女だが、小型魚類であるということにコンプレックスを抱いている。

沖 亜美

主人公の通う高校の生徒会長。その美貌とリーダシップによって人望は厚い。たびたび遅刻をしたり、勝手に早退したりする主人公に手を焼いている。教師からの信頼は熱く、典型的な優等生だが、その体裁を守ろうとする余りゲームセンターやカラオケに行けないことを内心つまらなく思っている。夢は主人公とゲームセンターでデートすること。家柄は正しく父親は厳格で、亜美は女性だが動物プランクトンとして育てられた。

沖 未来テリア

沖 亜美の双子の妹。たびたび出来のいい姉と比べられるのが嫌で高校生でありながら一人暮らしをしている。そんな中自分を姉と比べるでもなく、一人の人間としてみてくれる主人公に出会い、恋に落ちる。度々キスを迫るなど積極的なアプローチをするが、冬には手編みのマフラーを作るなど家庭的な一面も見せる。厳格な父親に植物プランクトンとして育てられてはいるが、夢は公務員。

オキシ ジュン

主人公。能天気で、明朗快活な酸素。


***


みくる「ジュンくんモグモグ、私モグモグ、ずっとアナタに言いたいモグモグことモグが」
フナドリエル「ちょっとジュン? モグこのワタクシがモグモグ話しかけてモグモグあげモグているのだからモグモグ他の女を見るなどモグモグ失礼千万ですわ! モグ!」
沖 亜美「ジュン……私がモグモグこんなことを言うのはモグモグ、おかしいムシャかもしれモグないが聞いて欲しい……私は、お前の、ことモグが!」
沖 未来テリア「ジュンくん、私ジュンくんがスゥージュンくんのことがスゥーたまらなくスゥーきです! だから私とスゥー付き合っスゥーってくだスゥーい! スゥー……ハァー……」
ジュン「ギャァー!」

2009年10月11日 20:29


■そして味を占めて

だーかーらー。

あのお客様もそんなバカばっかりじゃないんで、そんなね、戦国BASARAが流行ってるからってじゃあその武将の出身地のガイドをイラストを添えて紹介してみました! みたいな書籍が五冊も六冊も売れるわけ無いんですよ。ただでさえそういう「聖地めぐり」みたいな行為がさ、各種マスコミにて「今年も新型アニメオタクウィルスが各都道府県にパンデミック」みたいな報道の仕方されてんのにさ、それ助長してどうすんの。いやだから、「売れてるんですよ!」ってね営業さん、じゃあ言わしてもらうけどアナタ、植村直巳がアニメ化されたら皆が皆ペット屋と南極点はしごするとでも、するとでもおっしゃいますか。あ、おっしゃいますか。まあ、じゃあ、たまたま少しスペースがあるんで多少なら入れてもらってもいいんだけど、今後はね、ホント入れる前に一言相談くれないと棚だって有限なんで、いやこの宇宙は無限ですけどね、うちの棚は有限なんですよ。まあちょっと置いてみますよ子の刻まで。子の刻までですよ! ミッキーショウタイムまでですからね! それで売れなかったらイカの形に切ってカラッと揚げたのちおつまみのコーナーに並べますからね! もう! ホントに……。


う、売れたー! 真田幸村が二冊売れたー!
逃げて! ご当地逃げてー! 駅弁に一服盛ってー!

2009年10月10日 21:59


■おめでとうマサハル

マナ:携帯!
カナ:電話!
マナカナ:全損ーん!

尻ポケットに入れてたら急に電源が切れたばかりか、本体自体も低温火傷するぐらい発熱し「殿! 殿! あったまっておきました! 私が、私本体があったまっておきましたゆえ!」なんて見事に履き違えた秀吉イズムを見せたパナソニック製太閤。

それでもって電源が永劫に入らなくなるオプション付きだったもんだから修理に出したんだけれども、随分と時間がかかるオイ預けてからかれこれ一週間は経つぞこりゃどうなってんだと思っていたら先日ショップからテルプルル。

「えー先日お預かりした携帯電話なんですが、えー、外部からの強い圧迫による故障と判断されまして、えー、全損扱いになります」
「禅孫?」
「はい」
「いやはいじゃないよ何だよその徳の高そうな状態。いや君らがね、僕の携帯をご本尊と崇めるのはいいんだけどさーちょっとまってよ待って待って~もう悟りとかじゃなくてさ~携帯なんだから開くのはバッテリーの蓋だけにしなさいってーの! ニョッ!(前歯の隙間からハブを出した音)」
「いえ、禅孫ではなく、全損です」
「全損」
「はい」
「えーと、それって」
「ええ、修理いただけません」

失った。ああ失ったね。言葉と我と味覚失ったね。未来が真っ暗になった上に味蕾が真っ白になってもうバブリシャス食ってんのに「ちょっと醤油欲しいね」とかいっちゃうレベルの衝撃。

全損、意味がわからない、こちとら仕事中に勝手にアッツアツになってぷくーっとふくらんだ携帯を「ほっ、ほっ、あつっ、ほっ!」っつってショップまで持ってきたわけよ? 何、海苔巻いてなかったから気に入らなかったの? それとも砂糖醤油用意してなかったから?

「いえ、外部からの強い圧迫があったと判断されまして」
「強い圧迫?」
「何か、携帯をぶつけたりとかされましたか」
「いやいや、だって僕は携帯をずっとケツに入れて」
「ケツに」
「いやケツって言っても違いますよ、尻ポケットって意味ですよ!?」
「ポケット、そういう風にお呼びになる」
「ちょっと! 違いますよその穴じゃなくて! やめてくださいよ! その目やめてくださいよ! 完全に僕をケツに携帯を入れた挙句、アナり潰したケツ圧の持ち主を見る目じゃないですか! 違いますよ! 僕はアナルプレッシャーじゃないです!」
「アナルプレッシャー」
「そうですよ! アナルプレッシャー・亮を見る目で見ないでください!」
「ククク」
「な、何がおかしいんですか!」
「とうとう正体を現したな亮! いや……アナルプレッシャー・亮!」
「貴様……貴様は!?」
「そう、俺様こそ怪人・ソフトバンク店員!」
「くそっ、貴様らこんなところまで……くらえっサンシャインアロー!」
「バーカめ! 効かぬわそんな攻撃!」
「ならばっ、アブソリュートゲヘナー!」
「効かぬ効かぬ! これは電話だと言うておろうが……」
「くそ、卑怯だぞ!」
「ククク、ちなみにその携帯は我が組織のものだから貸し出してから十六日を経過すると延滞金を頂くぞ!」
「人質ってワケか……!」
「それが嫌ならば我が牙城まで来い! 貴様の携帯を返してのち、機種変の相談に乗ってやろう!」
「くそっ、どうすれば……」
「ガンバレ! ガンバレ、リョウ!」
「マサハルくん!」
「亮よ、蚊帳の外のワシらなど気にせず、己の為すべきことをなせ!」
「おやっさん!」
「亮ちゃん……保険の利く範囲で無事に帰ってきてね……」
「リョウコさん……。わかった、俺、行くよ! 行ってきっと……いや、必ず、皆と家族割に入ってくる!」
「その意気じゃ!」
「がんばってね亮ちゃん!」
「ウオーいくぞー!」

「いってしまったわね……いいの? おやっさん」
「何がだい」
「ホントは、気づいているんでしょう? 家族同然に思っているからって、家族割には入れないってこと……」
「さて、なんのことやら」
「もう……いじわるなんだから!」
「今日からリョウの部屋俺の部屋にしてもいい!?」
「いいわよ」
「やったー!」

2009年10月09日 21:14


■膝の皿洗いで勘弁してもらいました

前回までのあらすじ

重い荷物を雑に運んだら腰が四十五度曲がったまんま帰ってこなくなった! 客からの何アレ、能登半島のコスプレ? めいた白眼を担保にお辞儀貯金をモリモリ積み立てた岩田青年! 絶望のあまり、今の仕事を即刻辞め自分と同じように腰の曲がった青年を見つけ左右対称になることで世界一のアーチになる夢を掴んだが……?

ってことで腰四十五度優遇の仕事を探すので今日限りでこの書店燃やしますと部長に伝えると「じゃあ労災申請してみようか?」と。

「ローサイ? やだなあ部長、こんなときにコンビニ」
「ローソンだよ岩田くん」
「に売ってるアブラナ科の越年草を用いた中国の代表的な漬物」
「ザーサイだよ岩田くん」
「を出荷せよという社長からの伝令」
「ゴーサインだよ岩田くん」
「を皆に伝える役割の、鼻の角に火をつけると体がどんどん溶けていっちゃう哺乳類」
「蝋サイだよ岩田くん。一番近いけど、一番遠いよ」
「え、で、そのオッパイがどうしたんですか?」
「オッパイはどうもしないよ。ただそこにあるだけさ。
 労災が下りれば治療費がタダになるよ」

、マジで?

話を聞くと、どうも医者にかかる際に使用する保険には何種類かあって、普段我々が提示する保険証の場合は「健康保険」が適用されておりこれは治療費の三割だけを我々が負担しますよという保険。しかし労災保険はなんと治療費を全額負担してくれるというのだ。

つまりタダ、全部タダ。何を注射されようが、何回聴診器を当てられようが、「ぅちらゎ高校いってもマジトモだョ」なんつってデコったレントゲンをアキコと撮ろうが、点滴バーにいって「じゃあ負けたやつはこれ全部混ぜたスペシャル点滴を打つことな! せーのっ、いせので六百七十四!」「オイオイ タカシノヤロウ 指ノ本数ガオオイ ワレワレ モロチンコ星人 ネライウチ カヨー」とかやっててもストレッチャーで轢かれないのだ!

棚からドル箱いっぱいのぼた餅にテンション神輿上げしながら部長に懇願すると「じゃあ申請しとくから」やった! 勝った! 世間に勝利した! 搾取されるばかりの世間に勝利したぞー! わー! オイオーイ! 飲め飲め飲めよー! 今日は俺の奢りだよ! 「え、いいんですか?」 あったぼうよ! 何せ俺っちには労災がついてっかんな! ホラホラ! ブドウ糖でもビタミン剤でも何でも好きなもん頼めよ~「あ、お客様お会計を」おうッ! あれさ、ほら、労災で、ツケといてくんな! 

「本日の診療で、9673円になります」

おう! いいってことよ! 俺っち今労災中だからな、ハハハッ! へいタクシー! ちょいと俺んちまでやってくれ、支払いは労災でな、ガハハッ!

「あの、うちは労災指定病院じゃないんで、労災下りるまでは立替ということで全額ご負担頂いてるんですよ」

おう全額負担な! いやーホントおめぇもな、労災みてーなべっぴんさんを嫁に……ん?

「ええ、ですから全額保険適用外ということで、9673円」

あーえー、あー……あだっ、あだだだだだだだっ! 腰がっ! あだだっ! 腰がいてえや! こりゃおかしいな! これじゃちょっと払えねえな! あだだだっ! こりゃダメだっ、ちょ、ちょっとアンタ! 医者呼んでくんな!

「診察室へどうぞ」

あだっ。

2009年10月08日 20:35


■おいアイツどうやらお前にくの字らしいぜ?

やらかしたー!

腰やらかしたー!

いやー何かホント書店勤務経験のある人間以外を最初の直線で八千馬身差つけるぐらいチギって説明すると、今日は朝からS-Book三箱に補充分六箱、地図共からの荷物が三箱、しかも午後から電撃の新刊が出てコミック担当がいないっていう斬新な地獄がオープンしてて「あれーこんなところに地獄あったんだー?」みたいなノリだったのよ。結構オシャレな拷問器具だねー、ぐらいのグルーヴでさ。

それで焦ったっていわけでもないんだけど、一階にある地図の荷物、一個十五キロぐらい、ああわかりやすく言うなら三千グラムの新生児五人分で、三千かける五のえーと、あ、十五キロだね。うん、いらなかったねこの計算。

まあそれを両手に抱えて計三十キロ。普段なら台車で運ぶんだけど、まあ原付だって六十キロまで出るんだから三十キロなんか余裕余裕とか思って、二階まで運び荷物を置いた瞬間。来たね。

ギックリ腰、って名前つけた人は本当に天才だと思った。マジギックリ。ギックリ以外の言葉が見当たらない。ビックリなんてもんじゃないよ、ギックリだよ。ほんと、とんだギプライズもあったもんだととりあえず深呼吸して立ち上がる。痛い。痛いが歩ける。真っ直ぐ立てる。お? なんだオイオイ、ギプライズ腰は動けなくなるとかいって余裕じゃん! 余裕で歩けるよー!

つって一時間後に見せた驚きの四十五度な。
テトリスのアイツが憑依したかってぐらいに腰が四十五度以上に上がらない曲がらない。最初は痛みながらも真っ直ぐ立ててたものがえ、なに、稲? 今年豊作? ってぐらいに頭をもたげてついには猿人フルスロットル。まさか一時間でこれまでの進化を無駄にするとは思わなかったよ俺も。百年続いたそば屋を俺の代でダーツバーにしてみました的展開にクロマニョンもさぞかし天国でガッカリしてたと思うよ。

それから腰は完全にその形のまま固まって、カウンターの上で作業するのにも肘をガッツリついて前のめりつまり「我が精鋭部隊が全滅だと!?」の格好じゃないとたつこともままならず、ついには台車を押さないと移動すら出来ないほど悪化。

よくお婆ちゃんとかが乳母車を押して歩いてるけれども、その理由がようやくわかったわ。腰が曲がって固まっちゃうとあれ押さないととてもじゃないけど歩けない。万が一道端でアレを失おうものなら、それこそ前のめりにそのまま倒れて「ガキの描く家の屋根」みたいなオブジェが地面に一個できあがる。

それでもなんとか一通り仕事を終わらせ、自転車を台車代わりに押しながらなんとか帰宅。こんなにくの字じゃあコンビニでご飯を買うこともできないし、女の子とのデートだって異常に天井が低いバーとかにしか行けない。

まあとにもかくにも明日は病院に行くかあ、なんて無理やり納得させようとしても仕事が出来ない生活もままならない絶望感は筆舌に尽くしがたく、もう俺このまま死んじゃってもいいかななんて思いながらパソコンの前に座ったとき、全く痛みが走らなかったときのあの安堵感。何時間でもパソコンの前なら座ってられる事実が俺に与えたあの希望! あの光!


色んな意味でもうダメだと、ね。

2009年10月07日 21:21


■逃げろー!

あー!

書店勤務でさらにライトノベル担当であるところの僕はやはりどうしてもアニメを見なければいけない、それというのもライトノベルはその性質上アニメ化と密接な関係を断ち切ることができない。

それはブッダが悟りを開くために、イエスが皆を導くために生まれたよう、そう、宿命。もって生まれたいわば宿命! その歯車を誰が止めれようか! 回転する運命の勢いはまさに武田の騎馬チャリ隊! 怒涛の騎馬チャリの猛攻を信長率いる鉄砲隊は、その鉄砲の銃身をチャリの車輪部分に挟んでスッテーンってなったところをさらに筒部分でガッ! ガンッ! 痛ッ! 痛い! アニメ見ます! 痛いッ! アニメッ! 見なければッ!

------------↑大義名分キリトリ線↑-------------

てことで2009年秋アニメ。とくにライトノベル原作で既に放送開始しているものを抜粋紹介。さあアニメの話を見るくらいならこの沼に沈んで人柱になりんす、って花魁どもは早く高下駄脱いで帰らないと怖いおじさんが来るよ~怖いおじさんが君達をアニメ化しに来るよ~!

「キャァー! わっちの! わっちの顔が作画崩壊しておりんす! だけど斉藤良成作画だからわっち凄くよく動く! オーバーヘッド蹴鞠とかでき・リン・シャン!」ほら今の二、三行で嫌な予感したヤツは早くディスプレイを半身浴させてきな! こちとらたまにこういうデトッ糞して動脈にたまった宿便かきださないとやってらんねーんだ!

けんぷファー 毎週木曜日放送

だいたい毎回一個は出るこのらんま1/2を5/8ぐらいに薄めたエロバカドタバタコメディ。このらんま5/16現象ことるーみっく自治区はごくごく稀に打ち上げ成功して軌道に乗るものもあるけれど、それ以外はほとんど空中で大破するか乗船員が全員ドラクエにハマって登NASA拒否になるのがオチなんですけれどもこちらどうやら後者! でも不思議なのはこんだけアニメの方が「え、公共事業? 売れない声優への救済措置?」ってぐらい面白く無いのに原作の方はやたらと売れるっていう事実。「小説の方は面白いから!」の法則は意外とバカにできない経済効果やで~萬田は~ん!(背景にビッグバンのトーン)

ポップ候補文:
「水をかぶると女に! お湯をかぶると男に! 被害をこうむると傍観者に! 濡れ衣を着せられるとパンダになる!?」

戦う司書 The Book of Bantorra 毎週金曜日放送

うわー! 衒学的な言い回しと含みを持たせた次回予告と間取りだけ見ると凄く広そうな世界観から漂うGONZOっぽさ! またか! またGON僧寿司チェーンか! って思ったら制作が別にGONZOではないのね。選ばれた人間はその記憶経験を全て【書籍】に変換され未来永劫の存在になれる! 未来永劫の存在に、俺はなる! みたいなそういう世界観だと思うんだけど実際どうかはよくわかんない。しかし何、R.O.Dといい図書館戦争といいどうして【本】とか【図書館】とかのド文系沼に体育会系油を流し込んじゃうかね。そういうの好きなら、コミック担当がいないときに補充分が十箱来たときの絶望感を映画化とかしてくれよ。ベン・ハーみたいな感じにしてくれよ。

ポップ候補文:
「戦う司書! 肘打ちの強いコミック担当! 土日はシフト入れない俺!」

聖剣の刀鍛冶 毎週土曜日放送

微妙すぎる。微妙、という言葉、そして概念が存在する世の中に安堵せざるを得ないほど微妙という言葉がマジジャストサイズ。凄い着こなし。制作会社があのマングローブ、サムライチャンプルーやミチコとハッチンを作ったあの! マングローブだから個人的に期待してはいたんだけど、これはどっちが悪いんだろう。王道の「剣と魔法モノ」を作るのが下手なのか、それとも原作がそもそもそんなに面白くないのか。それを決めるべく原作者と制作側でフェンシング対決とかしてほしい。そんでそれをアニメ化しろよ。で勝ったほうがご褒美として豊崎愛生に顔面ローキックされんのな。

ポップ候補文:
「家で刀ばっか打ってないでちゃんとお外で遊びなさい!」

とある科学の超電磁砲 毎週金曜日放送

ド本命ですわー! 売り上げ的にも! 出来的にも! この作品自体は「とある魔術の禁書目録」のスピンオフにも関わらずこの異常な盛り上がり。しかも作画はむしろ本家より力入れてんじゃないかってぐらいに原画メンツがイナズマイレブン。OPだけ眺めても田中宏紀、田中達也、斉藤良成とファンswim涎のアニメーター勢! ストーリー自体は別にたいしたことなくて異能の力を持ったツンデレが町で起こる事件を解決していくという「お前らそういうの好きなんだろ?」ってな何のスクリューも無いドライバーだけれどもはい、自分そういうの大好きです! ごま油かかってりゃ中華です!

ポップ候補文:
「超電磁砲に『レールガン』とフリガナを振ったら減点にする国語教師は、殴れ!」

生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録 毎週金曜日放送

富士見ファンタジア文庫最大の稼ぎ頭。内容はドタバタ学園コメディであってまあ当たればそれこそハヤテのごとくロングヒットするもんだけれど、当たらなきゃそれこそ陽も差さない窓も無い地下の工場で、ベルトコンベアから流れてくるおっぱいマウスパッドを一揉みしてしこりが無いかを確かめる閑職に回されるしかないんだけれども、アレ? 意外とこれ出来がいいんじゃないか? 今後次第だけれども、作画はともかく会話劇のテンポやパロディを入れるタイミングなんかは結構普通に観れる。なんだよ、俺としてはこれが大コケしてもうヤケを起こした角川の営業がモヒカンでうちに新刊案内しにくる、みたいな展開を期待してたのによー。

ポップ候補文:
「俺が醤油をこぼす前に買ったほうが身のためだぞフリーザー!」

テガミバチ 毎週土曜日放送

しゅ、主人公の声優が、沢っ城っ、みひゅき、ひゃん!(つららが乳首に刺さったときの例のあの声と顔)

ポップ候補文:
「ひゃん!」

以上。

2009年10月06日 23:03


■四コマ的帰結

mixi.

そらmiろお前はどこへ行ったって友達がいないxi! 略してmixiの話ですこんばんわ。

なんだか最近mixiじゃmixiアプリとかいって色んなゲームだとかちょっとした豆知識クイズだとかが出来るようになり、そんでそのスコアをマイミクの皆さんと競っては「わー! 岩田さんて大抵の哺乳類ならオスメス区別つくんですねすごーい!」とか言われたり言われなかったりするのが流行っているらしくてもうホントそういうヌルいことばっかりやって何が楽しいんだよ、マイミクテトリスで「負けないぞー!」とかやるぐらいなら生コンでパイ投げした方が五千倍マシだわ!

などと思ってたけれどもこないだあるmixiアプリに招待されてハマった。激ハマりした。
そのアプリは「当たれ! Hondaマイミくじ」。

ルールはいたって簡単で要するにネット上で出来るスクラッチくじ。一日一枚、くじがもらえてそれをこすって絵柄が揃えば商品が実際にもらえる! というものなんだけれども普通のスクラッチくじと違うのは、友達、つまりマイミクがいればいるほどチャンスが増えるという部分。

登録した段階では一枚しかもらえないけれども、友達を一人、マイミくじに誘えば「マイミクチャンス」というものが与えられそれによって追加でくじをもらえたりするのだ。もちろん、マイミくじをやるマイミクが増えれば増えるほどチャンスも増え、一日削れる枚数もうなぎ上りに増えていきどんどん当選する確率は上昇! あなたも幸せ、友達も幸せ、ほら、早く友達誘おうよ、皆で幸せになりましょう! なんて説明すればするほどディズニー講の匂いがぷんぷんするけれどこれがすんごい楽しい。

当たる賞品が全部食い物だという辺り、Hondaの「どうせmixiなんかやってヒモにしてくれる女漁ってるおめーらのことだから良いモン食ってねーんだろ、ハッ! 無理すんじゃねえよ欲しいんだろ? こいつがよ! このThe Power of Dreamsがよ!」ってな主張が見え隠れするけれども、「リップクリームは食料」でお馴染みの赤貧ボーイの俺は「ふぐちり白子鍋セット」とかいう文字だけでご飯何ヘクタールでもいけるわけで。

まあ要するに何、みんなやろうよ! って話なんだけどさ。いやいや! もちろんもちろん僕が当たったら君たちを呼んでパーティだよそりゃそうさもちろんじゃないか! 君達が参加してくれたお陰で当たったようなところも五厘ほどあるわけだし、君達にもふぐちり白子鍋のだし汁でシャンプーするぐらいの権利はあると思うよいやホントそうさ!

まあ、逆に? 君達が当たった場合も? いやいやいや、こうやって僕が教えなかったらさ当たるものも当たらないわけだし、トレビの泉で虫取り網振り回す生活から解放してあげたということを考えれば! 考えればだよ! ふぐちり白子、ぐらいはもらう権利がさ、いやもちろん! もちろん鍋は君らの! 君らのだよ! 鍋まで取ろうとは思ってないさぁ~マイミクだろぅ~俺たちぃ~? え、ちょっとどこ行くの、あ、わかったわかった! ごめん! 調子乗りすぎたよわかったよ、じゃあさこうしよう、紀州南高梅が当たったらさ、種は植えさせてや[ マイミクから外されました ]

2009年10月05日 22:24


■福はー内。鬼はー、鬼はー! 鬼はー!? ねえ鬼はー!?

引越しめんどくせー!

いやまだ何にも手をつけてないんだけど、ちょっと想像を巡らせただけで異常なめんどくささが感じ取れる。以前大阪で住んでいた大豪邸はもうホント十三部屋あってそれぞれの部屋に黄道十二宮の星座をかたどった守護戦士たちが鎮座しており「リビングが欲しければ俺を倒してみせよ!」「風呂とトイレを別に……フ。浅はかな人間の考えそうなことだ」「人間の持つロフトで寝たいという想いとやらで見事俺の拳、砕いてみろ!」

まあめんどくさくて全部放置して結局ワンルームだったので掃除するスペース自体は狭かった、の、にも、関わらず、それでも空前のめんどくささだったわけだ。そして今、住んでいるこの一軒家。その広さたるや以前住んでいた六畳一間とは比べてものにならない大草原!

さらに加えてキッチントイレ台所など水周りが屈指の汚ブリビオン。とくに風呂場なんて地獄以外の何者でもない。序盤でうっかり訪れたら「もうちょっとレベル上げてから来よう」つって速攻引き返す次元。

以前の引越し作業を100メンドスとするならば今回の作業は目算でも300メンドス、いやさらにそこへ50ダルーと80ネムー値を加算してさらに排水溝から沸きあがってくるナメクジやらゴキブリやら、そして飛び回る得体の知れない虫、油汚れ、食べ物のカスといったインテリアによって溜まるストレスが大体1500ザケンナであることを加味して再計算しなおすと

[100+50(m)+80(k)]*1500(n)

m変数によってダルー値にマジ属性が付与され、さらにk変数によってネムー値に今日はいいや係数が加わる。ザケンナについたn変数によってナメンナ値が付与され、ここに予測される値を代入すると[100+450+2400]*1500(n->1)となりnが1に近づく極限の値を求めると以上の式はあーもういいや、めんどくせ。

2009年10月04日 23:37


■太陽神信仰

担当。

先日、というか今月よりとうとう店内担当を持つことになってしまった。以前のライトノベル・攻略本担当者と、地図・ガイド担当者が互いの書籍力を競って争った結果とうとう三日三晩勝負のつかないまま四日目。

「このままでは二人とも……! やめて! シフトが回らなくなる!」
「へっ、そろそろ終わらせてやるぜ!」
「それはこっちの台詞だ! 喰らえ!」
「ミシュラン奥義! 三ツ星ドロン隠れの術!」
「ラノベ拳奥義! ポップ微塵隠れの術!」
「き、消えた! 二人とも!?」
部長「いないんじゃ仕方ないよね」

ってことで俺がライトノベル・攻略本・地図ガイドの担当を持つことになったんだけど、担当ってからには何だろ発注とか営業への対応とか在庫の追加補充とかまあその辺の事務的なこともやんなきゃいけないプラス、ポップを描かなきゃいけないわけですよ。

ポップ。ポップ。要するに平台の上からちょこんと飛び出て「この本がどうだ!」だの「この本を読んで俺の尿道結石が何グラムいくらになった!」みたいなアピールをする紙、ヴィレッジヴァンガードとか行った事ある人なら何となくノリがわかると思うんだけれどもアレを、アレを描かなきゃいけないらしいんですよ。

なんつーの、俺、アニメは見るけど実際ライトノベルの方ってまったく読まないし、地図ガイドにいたっては店内の誰よりも興味ないホント旅行先往路の電車で網棚に置き忘れるレベル。地図ガイドが俺の息子だったら、ディズニーランドどころか、平日昼間開園直後のとしまえんでもはぐれてるわ。んで「知りませんかー!?」って言ってる。「なくした地図ガイドのガイドってありませんかー!?」って言ってる。

あんまりにも何描いていいんだか思いつかないもんで地図ガイドのポップ紙に「遠いッ!」「遠い……!」「遠い?」とか描いてたら「ちゃんとやって」と十年に一回のガチトーンで言われションボリングス。その後も隙をみて「アニメの方がおもしろかった!」だの描いてたらとうとう「岩田くん!」って言われた。名前だけで怒られた。

あんまりやらかすと明日から俺だけ給料ビスコ払いとかになりかねなかったので、とりあえず今回は先達に倣って当たり障りの無いポップに落ち着いたけれども、せっかく担当を持つことになったのだから今後隙をみてちょいちょい「遠い」とか「アニメは面白かった」とか「豚肉の匂いがするぞ!」とかそういうの描いていきたい。

そんでいつかバレて怒張天になった部長が俺のポップを手裏剣みたいにして投げてくるからそれを避けるんだけど、たまに投げてくる肉まんは食べると1500点ボーナスがもらえる。そういう書店にしていきたい。

2009年10月03日 21:14


■連絡先募集

携帯壊れて三日目。

いやー参ったね。誰からも連絡来ない。いや携帯電話壊れてるから携帯に連絡来ないのはわかるよ、来たら何? ってなるもん。俺とお前終わったじゃん? ってなるからね。しかしなんていうの人と人とが繋がる手段って結構いっぱいあると思ってたんだよ。こう霊的なものとかさ、あと口コミとか。

「今朝吊り広告で見たんだけどね、なんでも岩田くんのお母さんが岩田くんにお米が足りてるかどうか聞いたらしいわよ!?」

みたいな、まあ、何公共広告スペース使ってうちの米状況サーベイしてんのって話なんだけどそんなの。いやーでもあると思ったんだよそういうの、しかし現実は虫not知らせだからね、虫すらだよ。虫すら。

最近うちに羽アリがよく出るから「ハハーン、こりゃアンテナバリ三ならぬ、アリ三だな! ハハッ! こいつは(肋骨)一本取られたワイ! くびれたワイ!」ってなったのもつかの間。オメーらアレかよ俺の食い散らかしたオールブラン回収しにきてただけかよ!

ってことでいきましたぁ。ショップにいきましたぁ。あなたたちのせいですよぅ。虫の、あなたたちがあまりにもふがいないのでぇ。ハイ後輩イビるときのうつみ宮土理のモノマネもギガ似シャスってことでね。ショップにいきましたよ。「携帯が通じぬわー!」とね。こう、肩いからして、胸張って、堂々とした感じで「この俺の肉体に、うぬらの携帯など通じぬわぁ!」

そしたら何か店員が適当な携帯取り出して、俺の携帯を呼び出そうとするんだけども通じなくて「なん……て、こと……だ。本当に通じない!」「無駄だ……貴様らの貧弱な携帯が今の俺に通じるとでも思ったか!」「う、うわぁ、駄目だ、これでは連絡を取る手段なんて……」「ヌワハハハハー!」ってことで完全リペア候補。

しかも店員の話だと、電源が一回も入らないとデータをサルベージすることが出来ず要するに、今まで登録したメモリや着信履歴や、一輝と闘りあったときのスリ傷、ジェミニ兄弟とバトったときのスリ傷、そういった諸々の擦過傷の一切'n合切が全部消えるとのこと。

んでまあ店員の方も流石にそれは申し訳ないと思うのか「電源さえ入れば……せめて一度でも電源さえ入れば……!」みたいな感じで必死に色々やりだしちゃってもう何か俺が親の死に目にコンマ一秒間に合わなかった息子みたいな感じになってきたので「もういいです! もういいんです! 親父も死んでないし! 母親も元気だから!」つって『私はオールリセット承知ノ介でござる』にマルをつけて代替機もらって帰ってきたでござる。

して。

俺の携帯番号やアドレスは一切変わってないので、もし俺のアドレスを知っている人がいたらそこに名前と電話番号、住所氏名、年齢をお書きの上俺の携帯アドレスまでご応募ください。抽選で百名の方に「(ゴリラと)ペアでいく、エジプト遺跡探検ツアーご招待券」を差し上げます。

アドレス知らないよ! という方はサイトにあるメールフォームを利用するか、同じくそこに記載されてるメールアドレスまでどうか送ってください。電話だとその場で盛り上がって結局登録するの忘れちゃうので、どうか形として残る方法でお願いします。

お願いします。ホントどうか送ってください。

2009年10月02日 23:34


■メェ論

携帯が、壊れて、二日目。

現代社会に生きとしイケてるあなた方からすれば何マゴついてんだよ早くショップにいってこいよYOU! さっさと修理してもらっちゃEVA? って感じなんだろうけども昨晩からうちの保証書が見つからないの! (俺の)カバンも置いたまんまだし、玄関にはちゃんと(俺の)靴もあるからちゃんと居るはずなの!(俺は) でも保証書は居ないの!(俺じゃないから)

んでさ、なんかさ、保証書持たずに精密機器を修理してもらった経験がなくてさ、何、わかんないんだけど類推するに多分保険証をもたずに診療受けるようなもんじゃないの? だとしたら今引越しだの何だので非常に財政が逼迫している俺バチョフ政権、ただでさえペレストロイカを炙って、ペレストロスルメにしたものをおかずに命を繋いでる現状では命取りになりかねないわけですよ実際。

こっからはもう混じりっ気なしストレートの想像オンザロックなんだけど、たぶん、店頭で「保証書ないんですけど」って言った瞬間に店員の顔が嘲笑と憐憫と嗜虐の入り混じった笑顔になり「では」と案内された応接室にはスーツを着たオスとメスのヤギがいて「そこに座りたまえ」と。んで三者面談の形になった途端、店員がヤギと俺の目の前に保証書をパンッ! と置いて俺がそれに飛びつこうとするより早くヤギがそれをムシャムシャー!

「あらあら、若いのに……あんまり運動が得意ではないの?」
「幸恵、あまり言ってやるな。我々のように挫折を知らないで」
パンッ!
ムシャムシャー!
「エリートと彼は違うんだ。そら、どうした、保証書の枚数には限りが」
パンッ!
ムシャムシャー!
「あるんだぞ。ボヤッとしていると、あのようになる……」
「あのように? 何言ってるんだ、あれはソフトバンクのロゴ……違う! 遠くから見るとロゴに見えるが、【=】の上に無数の生首が……! 生首が乗っている!」
「あれが保証書を無くしたものの末路だ」
「う、うああ~~!」

でもしばらく待ってたらインクでヤギが腹壊すのでその隙に保証書取れば大丈夫大丈夫。

2009年10月01日 23:11


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