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■残り二機

さて、日に日に肌暑くなってまいります今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。そろそろ夏休み、女性が開放的な気分になる季節でもありますね。男性諸氏の皆様におかれましても合同ンパなどで知り合った女性とのデートに心を砕く時期だと思われます。

せっかく捕獲した女性でも「ねえん、どこか美味しいところ連れてってえん」といわれたときにオシャレなイタ飯屋もしくはフランス料理店要するに外人の作る飯屋の一つも知らないとガーターベルトに仕込んだサバイバルナイフで鼻を削がれてしまいますね。そういったレストラン世代の皆様に、ウェイター馬鹿一代の僕が「ウェイターが選ぶナイス・不ナイスなお客リスト」をお教えしましょう。これを読めば貴方もウェイターにモテモテ間違いなし。あの堅物ホールチーフを唸らせましょう!

・全く残さないお客様。
片付けは非常に楽なのですが、これでは客が空きだしてお腹も減り始めた閉店間際につまみ食う、ということができません。いいですか? 残さないということは、それだけ誰かのカロリーを奪っているということなのですよ。

・食べこぼしの多いお客様
これは言わずもがな。食べこぼしが多いと片付けるのも大変ですし、目を盗んで食べるとしても余り気持ちのいいものではありません。後から食べる人のことを考えて食べてください。

・飲食物を持ち込むお客様
飲食店に飲食物を持ち込むのはオススメできません。日サロでピザを焼くようなものです。

・家庭の事情を持ち込むお客様
これもオススメできません。ただでさえ家族連れは注文に時間かかるわ、余計なことを言うわ、食べるのが遅いわ、注文が遅いとすぐ文句言うわ、デザートは頼むわ、飲み物は頼むわ、ワインは白と赤両方頼むわ、もう帰ってくれよ!

・右腕にサソリの刺青があり、俺から右腕を奪った男を捜しに来たお客様
他のお客様のご迷惑となります。

・みすぼらしいフードに身を包み、帽子を深くかぶっているせいで表情が読めないお客様
他のお客様のご迷惑となります。

以上、このあたりを守れば貴方は天下一マナーのあるお客様として、往来を肩をそびやかして歩けることでしょう。この町であなたに逆らえるものはおりません。レッドスコルピオンに逆らえば死んだ方がマシだと懇願したくなるような報復が待っているのは目に見えておりますから。娘のことは、あれは悪い夢だったと思っています。しかしどうか、残されたあの子だけは、あの子だけは見逃してあげてください。あの子を失っては、私にはもう…次女と長男しか残らないのです……もう充分でしょう! お釣りが出るくらいあなたは私に悲しみを与えてくれました。またのご来店を、心より。

2006年05月27日 20:11


■少女はもちよりミルフィーユが好き

もち米ジャイアント。

全体の構成成分の実に八割がもち米で作られた巨大人造物、古代に兵器として使用された、という説が有力だが足元にあるコクピットとおぼしき部分に三段万能引き出しがあることから、足元だけは野菜室として使われたのではないかという見方も最近では出ている。

さらに内部を解析していくうちに、その主成分がもち米からレーヨンに変わっていることがわかり、使う洗剤次第では色落ちするのではという懸念の下、調査は打ち切られた。しかしながらレーヨンでも色落ちしない洗剤の開発によりさらに深部の研究が可能になり、現在ではそのジャイアントの実に半分以上が失敗した似顔絵で埋まっていることが明らかとなっている。

内部に点在する人を象った彫刻のようなものは、すりガラスを通して見ると着替えをしている女子に見えることからその歴史的価値が認められフリーメーソンが独り占めして楽しむことに決まった。国連ではこの決定を「人類共通の利益を独占、また冒涜する行為」だとして各国の首脳がそれぞれのすりガラスを持ち寄って抗議の構えを見せている。

コクピットと同時に内部で保護された少女は現在十八歳、あゆを原キーで歌うなど、その適応力の高さから胴上げのどさくさにパンチラを覗こうと主張する研究者たちと、医者に行かずにインポを治そうとする学者の間でちょっと気まずいことになっている。

2006年05月27日 19:45


■風&邪

どうも、風邪です。

季節の変わり目は気温の差が激しいから風邪など引きやすい。そんなのは常識であって、季節の変わり目はそもそも風邪対策のために国民全体が立ち上がり国際うがい法によるガラガラペッが敢行されるため、風邪のウィルスも季節の変わり目は逆にバカンスなんかに出かけてんじゃないかと思われるのに僕はこういう時期に例外なく風邪をひく。

また大阪に来てからというものひく風邪の重いこと重いこと。いわゆる両親のお膝元にいる時代の「風邪」というものは学校を休むために切られる最後のジョーカーであり、前日から思わせぶりな咳を布石とし、翌日の朝一番に体温計をマッハで素股することで体温を捏造。これにて擬似風邪が完成するというものだったのだけれども、大学に入ってからはそれがナチュラルに起こっている。人の手を加えなければ作れなかった38度越えの体温がお手軽に体験できる。

齢二十二歳にしてやっと本物の風邪に出会ったと言えよう。現状、また例に漏れず39度越えのサウナひとり。薬で解熱して何とか文章を書いているけれど、一度薬が切れればアンビエントなリミックスのかかった世界が待っている。しかしこんなときだからこそ思いつくことがある。非常は天才の引き金なのだ。ベッドの傍らに備忘録を設置してみたところ、才能の片鱗が綴られていた。

人妻冷蔵庫(はるか)
日本昔話(かぐや姫)
日本昔話(ペッティング)
きまぐれヒットマンの欧風シチュー(×)

みんなも風邪には気をつけよう。

2006年05月24日 06:34


■着エロ

「や、ぁん、ふぅ、ぅん……はぁ…あっ!」 ピッ
「もしもし、あ、うん、俺、え? あ、わかんない、ちょっと調べてみる。うん、はーい」

「何それ」
「着メロ」
「今の喘ぎ声が?」
「うん」
「恥ずかしくないの?」
「何、俺が? それともこの女が?」
「いや携帯の頭撫でられながら言われても」
「こいつはもうそういう女だからさ」
「おまえがどういう男だか、俺にはちょっとわかんない」
「何、気に入らない? 喘ぎ声嫌い?」
「嫌いじゃないけどさ」
「じゃあいいじゃん」
「いや、でもさ、凄い視線集めてるんだけど」
「見られて感じるんだよ」
「誰がだよ」
「ホラ、もうこんなに立ってる」
「アンテナだな」
「ここもこんなに固くしやがって」
「バッテリーだな」
「いやらしい女だぜ」
「恥ずかしい男だな」

「あ、あ、あ、あ、あんっあんっあんっあっ」ピッ
「もっしー、うん、そうそう。いや、多分机の中なんだよ。いやニルヴァーナじゃなくて。そう、井上の。違う、陽水の。うん、そう、ナメ回したら開くから、うん、やってみて、はーい」

「何の話だっけ」
「こっちの台詞だ」
「お前はちょっと神経質なんだよ、気にすんなこの程度」
「高僧でも無理だ」
「だって俺の好みじゃん」
「そりゃそうだけど」

「あんあんあんあん、あっ、イッ、イクッ、あっ」ピッ
「はいはい、え? 無い? 足跡も? おっかしいな、じゃあさ、あっち探してみてよ。うん、そう、小さい方ね。間違えんなよ、小さい方だからな。うん、はーい」

「まあ俺もさ、お前の言うことがわからんでもないのよ」
「よかった。お前との意思疎通を諦めかけたところだ」
「飽きるってんだろ? 確かにこいつとも長いしさ」
「まずい、罠だったか」
「そろそろさ、ま、言い方悪いけど鞍替えしようかなあ、とか」
「機種変って解釈であってるかな」
「ただ色々めんどくせえんだよなあ」
「手続きがね」
「ぜってぇ手切れ金とか言うしさ」
「新規の方が安かったりするしね」

「やっもぅ、お願っい、イッ、イッ…くっ、あっあっあっ」ピッ
「もし、あ? 大きい方開けたの? マジで? 何で? ばっか、そんなの、えーじゃもう家で待っててよ。つづらはそのままで。うん、はーい」

「あのさ」
「なに」
「イかせてやれよせめて」
「えー」

2006年05月20日 20:18


■天職ナビ

暇、なの。

とりあえず語尾を聖子ちゃんカットにしては見たものの、暇が改善されるわけでもなくただただ惰眠は貪り性欲は持て余すばかり。やらないといけないことはたくさんある、就職活動に卒業論文しかしそれらの優先度を四捨五入するとゼロになってしまう。そのため暇が残るのだ。

酒をたくさん飲めば、この暇がどうにかなると思い一人でアーリータイムスをがぶがぶ飲んでみると、たった四杯で黒船に乗ったコロンブスが反物質砲を種子島に伝えにきやがった。お陰で武田の騎馬隊は分子単位まで分解されてしまう。絶体絶命武田軍! 空中要塞で高笑いする織田ホログラム信長、さらにその後ろで糸引いているものがいる。この戦、もはや地球単位では済まされない! まあチンケなSF色で戦国を彩ったところでだいたいが失敗に終わるということは歴史が証明してくれている。伊藤博文のターンA髭が限界だろう。

こうなった以上僕に残された唯一の手段としてはダブ寝、それに尽きるわけで夢のチャンネルを何度も何度も変えながら僕は世界を旅していく。いつか僕の暇を解消してくれる世界があるはずだ。そうさあるはずだ。辿りついたそこが言葉の通じない場所だったとしてもハローハロー見知らぬ人、君の名前を教えておくれ「ヘイ、アイアムリクルートナビゲーター」オーケー、チェンジ。

2006年05月20日 20:18


■地震は膣痙攣

きょうは、あさおきて、ごはんを食べてました。そして昼ごはんを食べて、すこしねました。

思うに小学生が、何の飾り気も無いすっぴんの日記を書くのは、その文章力の未熟さではなく要するに日々に刺激がないからである。だいたいにして小学生なんて生き物はつい最近まで膣をほっとステーションにしてた奴らであり、今我々が同じくそう感じているようにその辺のローソンよりもよほど刺激の強い場所にいたわけだ。膣から急に世間なんてものに放り出されてしまったのだからそりゃ生まれたなりに号泣もするだろう。

そのときのショックで自我と言葉を失い、人はそれを長い時間をかけて取り戻していき、やがて土に帰る。そう、帰っていくのだ。膣を逆にしたら土なのである。出てくるときは膣であり、帰るときは土なのだ。この世の中は膣社会といっても過言ではない、膣と土という因果律の中に閉じ込められてウィンウィン言っているバイブレーターに過ぎないのだ!

ただ僕は最近思う。今は小さな振動かもしれないけれど、いつかはこの世界に一潮吹かせてやりたい、と。

2006年05月13日 22:49


■火の鳥毛髪編

体毛が気になる。

年々濃くなっていっている体毛、まあ当然の生理現象といえばそうなのかもしれないがスネの毛に始まって髭やらケツやらの毛が僕の体を覆い始めている、このままでは最早人間というよりは植え込みといった方が早いほどの毛まみれになった僕と、僕を明らかな不審人物と思い込んだ警察とが夜な夜な奏でる輪唱ランナウェイによって全力疾走する僕の毛に世界中の小蝿や蛾が絡まり、世界から野生の虫が消滅する。

子供たちが虫を見るためには、もはや記録映像を観るか僕の毛の中を探索するしかないのだ。かつての雑木林はただの酸素製造林と成り下がり、かつての自由研究における昆虫採集の賑わいは影を潜め、ただただ夏休みの研究結果として提出されるのは血文字で書かれたアサガオの観察日記か吐寫物で描かれた家族の似顔絵か遺骨ピンボールのみだろう。

そうして僕は外界からのコンタクトの一切を絶ち、毛の中では閉じ込められた虫たちが独自の進化を遂げ、独自の生態系を構築し、独自の文化を形成する。始めのうちは僕を神と崇めていた虫たちも、やがて科学の進歩に沿って自らを神とするようになり、対立する。対立は炎となって燃え上がり、ついには核の炎が世界を包み込み、虫たちは己の生み出した文明によって滅ぶのだ。そして僕と、爆弾の炎によってパーマのかかった毛髪だけが残された。

「どうしたの、それ」

僕はただ一言「失敗した」とだけ答えた。

2006年05月13日 22:47


■永遠のクエスト

このごろは思い出したように暑くなる。

今日など半袖とパンティ一丁といった体でのオリコン五位入賞を果たし、僕は寝起きにぐしゃぐしゃの髪の毛をかきむしりながらその都度落ちる毛髪一つ一つに祖母の顔を彫り、窓際に並べる。そうすると一陣のいたずらな風が祖母ヘアーたちをさらっていき、一瞬翻ったかと思うと、重力に惹かれて祖母たちは落ちていくのだ。何もいわず。何も残さず。

僕はそんな祖母たちを傍らに見ながら、鉛筆を持ってたいまつのふりをする。僕は勇者だ。このダンジョンにお姫様を助けに来た勇者だ。どんな怪物が来ようとへっちゃらだ、このたいまつと、そしてこの右手に持ったボールペン然としたカリバーで、お前らなんかインクまみれにしてやる。

そうしてダンジョンの深部にてお姫様を見つけ、抱き上げる。もう大丈夫だよお姫様、僕が来たからには無事にお父様のところへ帰らせてあげるからね。さあ怪物ども、僕を止められるものなら止めてみろ、この左手にもったたいまつと、そしてこの右手に持ったお姫様然としたカリバーで、お前らを滅多打ちにしてやる。殴るたびに返り血と悲鳴がエコーする。

さて、強い武器も手に入ったことだし、お姫様を探さないと。

2006年05月06日 19:41


■卒業論文

卒業論文。

全く進んでいない。全く進んでいないのだ。それこそ一歩も動かずに僕の卒業論文はスタートラインで棒立ちし続ける、そう、まるで何かを待ち続けているかのように。卒業論文は時折考える「自分はなぜここにいるのだろう」答えはただ風に吹かれている。

卒業論文が物心ついたとき、すでに母は亡く、父親も実の父親ではなかった。唯一、彼の慰みとなった少年も、いつしか北の方へと行ってしまった。卒業論文はずっと独りになった。彼を懐かしむ人も、彼を慈しむ人も、彼を愛する人もいないまま卒業論文は一人ぼっちだったのだ。

ある日、ツバメが彼の肩に止まって言った。「やあ、何をしてるんだい?」「わからない」卒業論文は答えた「わからないだって、おかしなやつだな」ツバメは飛んでいってしまった。

ある日、犬が卒業論文の足に小便をひっかけながらいった。「やあ、何をしてるんだい?」「わからない」卒業論文はしたたる尿を黙って見ながら言った。「へん、きどっちゃってさ」犬はどこかへ歩いていってしまった。

ある日、乾いた尿の上に苔が生えた「やあ、何をしてるんだい?」「わからない」「わからないだって? 僕と同じだ!」卒業論文に友達が出来た。

ある日、ブルドーザーがやってきて言った。「やあ、君が何をしてるかしらないけど、もうじきここにパレスが建つから、どいてくれないか」卒業論文は「人を待っているから」と答えた。ブルドーザーは卒業論文ごと地面を平にしてしまった。

卒業論文がたいらになった上に苔がいっぱい生えた。

その苔は、健康にとても良くて、みんながむしっていってしまった。

卒業論文はまた独りになった。


僕はそんな卒業論文のことを考えると、涙が止まらなかった。僕はこの卒業論文の話が嫌で嫌でしかたなかった。卒業論文なんか、大嫌いだ! 死ね!

2006年05月06日 19:40


■中間発表

卒業論文の中間発表。

が、迫っている。何をするかといえば、中間発表である。私の卒業論文の進捗状況はただいまこんな感じで、これからこんな感じのことをしていけば、最終的にこんなピサロが出来上がりますといったロザリーなのだ。しかしながら五月、まだ四回生になって間もない眼も満足に開いていないし、つかまり立ちも覚束ないような僕らに卒業論文の話をするのはどうだろうか。

だいたい中間発表なんて銘打ってるくせに全く中間じゃない。聞けば十一月にも中間発表があるという。中間が二つのいわゆる三節根方式を我が大学では採用しているようだが、肝心の真・中間である夏休みに何のケアもないというのはどういうことか。学校側は敢えて中間を避けているように見える。おそらく昔はまさに中間の八月あたりに中間発表があったのだろう、しかしあの太陽が僕らを過保護に照らす暑さの中で、臭う黄泉の調べ。死体を片付ける無表情な学長、副学長の腕に抱かれた赤ん坊、その赤ん坊の額に浮かぶ謎の紋章。

八月。「八」という文字は末広がりなどでは断じて無い。八という文字は、人類の行く末を表す決定的な文字なのだ。先細って行く進化の過程を予言したこの「八」という文字は、生物全てに適用されるカースト制の象徴。八月、カーストの頂点に立つ王の誕生となったあの月に行われた中間発表で、いったいどういう論文が発表されたのだろうか。その場にいる全ての人類を忘却の彼方へ葬らなければならない理由とは何だったのだろうか。そして僕のこの額に浮かぶ紋章の持つ意味は。ニキビだが。

2006年05月06日 11:27


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