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■習作2にぎり

おにぎり。

おにぎり、ってなんてシンプルな名前だろう。
これほどまでにそのまんまな名前がつけられているものも少ないのではないか。

米をにぎって作ったものだから「おにぎり」って、シンプルにも程がある。犬にだって「カニス・ファミリアリス」なんていう学名がついているのだ。犬のくせに超かっこいいじゃないか「カニス・ファミリアリス」。

道端でいきなり「くらえ! カニス・ファミリアリース!」って叫ばれたら絶対ムチを使った必殺技が飛んでくるって思うだろ。実際は胸ポケットからチワワが顔を出すんだけど。

なのに米をにぎったから「おにぎり」て。

名付け親はよっぽどシンプルなものが好きだったのだろうか。
ユニクロで色違いのジャージを何着も買う人だったんだろうか。
だからってここまでストレートな名前はどうだろう。余りにも直球過ぎやしないか。
逆立ちしながら縮毛矯正したってこんなにストレートにはならない。

ここまで不自然にシンプルな名前だと、何か別の目的があるんじゃないかと思ってしまう。
そう、きっと、おにぎりを作っている最中に「咄嗟に名前を言わなければいけない必要性」があったんだ。本来は全然別の目的でおにぎりを作っていたのに、急に誰かに見られて

「何つくってるの?」
「え、あ、えーと、お、おにぎりだよ! おにぎり!」
「おにぎり? 確かににぎってるけど」
「う、うん! だから『おにぎり』! ね、シンプルで良い名前でしょ!」
みたいなことを口走っちゃったんだろう。
上下ユニクロのジャージで口走っちゃったんだろう。

じゃあ一体、おにぎりの本来の目的は何か?
おにぎりの「中に具を入れる」「最後に海苔を巻く」という特徴から考えられることは一つ、そう、おにぎりは「財布」だったのだ。そう、「財布」だ。中に入れる具は「小銭」 外に巻く海苔は「お札」と考えれば全てのつじつまが合う!

うん、合う!

きっと最初に見られた人は、へそくりをおにぎりにして隠そうとしたんだろう。だからごまかさなければいけなかったのだ。

たった一人のへそくりマダムのせいで、今ではおにぎりは完全に「おにぎり」として浸透してしまったけれど、これを「財布」として考えれば非常に効率の良いものだということがわかる。
大きさは自分で調整できるし軽いので、持ち運びにも便利だ。万が一カツアゲされても「お弁当だ」と言い張れば「お弁当なら仕方ねえ」ってなるだろうし、もしお金を使ってしまったなら食べてしまえば荷物にもならない! さらに驚くべきはその収納性。おにぎりの中には、五百円玉が四つは入るし、外側にだって一万円札を二枚は巻き付けることが出来る。

つまりおにぎり一個=500×4 + 20000=22000円、おお。すごい、すごいぞこれは!
コンビニに行けばおにぎり一個でおにぎりが二百二十個も買える!

2007年03月30日 15:33


■習作1

僕はときどき。

僕はときどきジャムパンが食べたくなる。別に空腹でも何でもないのにジャムパンが食べたくなる。なぜこんなにジャムパンが恋しいのか原因はよくわからないけど、多分産まれてから初めて見たものがジャムパンだったんじゃないかな。まずジャムパン見て、次に看護婦見て、看護婦の右おっぱい見て、看護婦の左おっぱい見て、最後に母親をチラ見して「おつかれッス」だと思う。

そんなわけで、乳離れはできてもジャム離れのできないまま二十三歳になった僕は今日もコンビニでジャムパンを探す。そう、まるで母親を探すように。うそ、ジャムパンを探すように。そんな僕の目にあるパンが飛び込んできた。マーガリンとジャムを挟んだ、まさに理想的なパンだ。

しかし名前が「頭脳パン」

悩んだ。
すげー悩んだ。確かにジャムパンは食べたいけれども、今年二十四歳になる男が「頭脳パン」なんて、頭脳を小さじ一杯も使ってないような名前のパンだけを買うってのはかなり恥ずかしいだろう。ズボンのチャックが開いててそこからリスが顔を出してるのに気づかないぐらい恥ずかしいだろう。

しかしジャムパンは食べたい、どうしても食べたい。次のコンビニまで我慢なんて出来そうもない。
しかし頭脳パンだ
「頭脳」パンだぞ。

ジャムパンは食べたいけれど、買うのは恥ずかしい。万事ガチ休した。こんなに絶望的な状況は久しぶり、まるで前をライオンに囲まれたまま崖っぷちに追い詰められ、さらに上から銃で狙われながらたっぷり入ったホットコーヒーを運んでる気分だ。何のバイトだそれ。

おそらく五分は頭脳パンと見詰め合っていただろう。まるで久しぶりに会った恋人のようだ。知らない人が見たら織姫と彦星だと思ったことだろうが、周りで笹を燃やされても「あ、あの」としか言えないので頭脳パンを陳列棚に戻し、店から出た。買えなかったけど、まあいいさ、たかが頭脳パンだ。

しかし何だろう、この心の寂しさは、まるで頭脳パンが恋しいかのように足取りが重い。一体何故だ。何でこんなに頭脳パンのことが気になるんだ。
ジャムパンだったからか。
ああ、そうか。

2007年03月27日 21:38


■ジャムパン的転回

ジャムパン。

ジャムパンって凄い。ジャムって本来はパンに塗るものだと思うんだよね。最初にジャムを考えたのはどこかわからないけど、じゃあ多分フランス。フランスっつったら油絵の国じゃんか。油絵八割国民二割じゃんか。油絵って、最初に白い絵の具塗ってから、上に他の色を重ねて塗るじゃんか。トーストってマーガリン塗ってからジャム塗るじゃんか。同じじゃんか、油絵とジャムトースト。

だから「パンの中にジャムを入れる」って発想は、コペルニクスの地動説とマブダチになれるぐらいのレベルだと思うんだよね。たぶん最初にこれ作ろうとした人は周りの人から止められたと思う。ハブられたと思う。新しいドラクエ買ってもやらしてもらえなかったり、妻も愛想つかして実家に帰ったり、あとジャムパンを作る実験の過程で息子とか死んでると思うんだよね。放射能とかで。放ジャム能とかで。ジャムにまみれて窒息死してる可能性ハイだと思うんだよね。実験してる当人は体中にマーガリン塗ってるから平気だったけど、死んでる息子見て「うおー!」ってなって「息子の命は無駄にはしない!」とかってジャムパンを完成させたと思うって、うわ、涙とまんねー。

2007年03月25日 13:16


■古きよきアゴ

卒業式。

卒業した。卒業式では会場の最左隅というオセロならヒットラーにだって勝てる位置に坐っていた僕だけれどもやはり、どうしても、卒業式は暇なもの。ぼんやりを壇上に居並ぶはたらくハゲを見ているうちに、喋っている校長を中心として放射状に坐っている来賓が何だか「歯並び」に見えてきて、来賓が挨拶のために立ったりするたび「あ、抜けた!」とか思っていた。

ぼんやりしている内に式も進み、最後は記念演奏。黒い衣服に身を包んだ演奏者たちが、指揮者を中心として放射状に坐り「歯並びだー! しかも黒いから全部虫歯ー!」そうこうしているうちに演奏も終わり、挨拶のため全員が起立「抜けたー! 虫歯全部抜けたー! まああんだけ虫歯あったら削るなんてレベルじゃなくて顎ごと取り替えるしかないよね。しかも医者が下手で顎がちょっとズレてくっついちゃって友達から『何その凄いしゃくれ! 角度といい長さといい、身長160cm以下のお客様にはご遠慮いただくレベルの絶叫マシンじゃないの!』なーんて言われて落ち込んでたけど、カバンとかかけれることがわかって今ではお気に入りの顎だもん!」

僕は、大学を、卒業した。

2007年03月24日 16:43


■アニメ窟

<<少し落ち着け! 俺のアニメレビュー娘が寝付くまで!>>

鋼の錬金術師

アブラハムには七人の子、一人はドチビで後は鎧! つってもう割りとお馴染みの作品だけども、魂は人間で体は鎧って結構馴れるまでに時間かかりそうだな。絶対最初体の尺とか理解できてないから腰骨とかタンスにぶつけまくったり、振り向いた瞬間にヒジでポン酢のビンとかこぼしたりするんだろうな。多分携帯のメールもボタンとか超押しにくくなって「はーい!」みたいな文章も「は」と「な」を同時に押したりして「ハノーイ!」とか打っちゃう感じ? いや大変だなそりゃ、頑張って欲しいよこの兄弟には。

フリクリ -FLCL-

おしゃれなのかどうなのか、とりあえず前衛的に! みたいなコンセプトありきで後のストーリーとかは手品の万国旗よろしく後からぞろぞろついてくる。アバンでギャルドな雰囲気を楽しんで、あとはもう適当に自由行動してください。でも展示物に触れちゃ駄目! ルーブルでモナリザの目に画鋲を刺そうとするジャリどもを憤怒面の係員が片っ端からちぎっては投げちぎっては投げのダヴィンチ無双。主旨と意味はおおまかで、あとはもうその子供達がぶっとんでいく様とかカメラワークとか係員の形相とか、そういうのを観ておくれってな関係ない話。面白い。それを面白めれば後はストーリーなんて考察するだけ野暮ってさ。

ひぐらしのなく頃に

復讐だろうね。「ときめきメモリアル」でさえ女の子のハートを掴めず「ゲームでもモテない」まさに童貞の起源みたいな人間が、ありとあらゆる萌えアニメ顔の連中に対する復讐で作ったとしか思えない。目がくりっとでかくて、頭身が低くて、常にサカった猫みたいな喋り方をする萌え万象を鉄腕バットでぼっこぼこにすることで成功する溜飲フリーフォール。萌えアニメが大嫌いなヤツがみても、大好きなヤツが観てもある意味で楽しめるようなシャングリラがここにある。そんな歪んだもんが売れるってことはだね、要するにだね。

2007年03月21日 16:36


■詰問ブス

縦列駐車。

縦列駐車、に限ったことではないけど方向転換とかS字とかクランクとかそういう低速で行う作業ばっかり僕は超得意ということに気づく。というか何だろう、一速以外のギアって完全に蛇足。良かれと思って蛇の絵に六速までのギアを書き足したことで皇帝の怒りを買い、素っ裸に生肉一丁で崑崙山をスキップで五周という極刑に処されたという故事に基づくとおりギアって蛇足。一速なら轢かれてもいたいのいたいのとんでけで八割飛んでく程度の怪我しかしないけど、六速で轢かれたら粉末になっちゃうもんね。

そこで提案なんだけど、日本の各所にワープゾーンを設置して、そこに上手く駐車できたら目的のところへワープできるようにしたらどうかな。それなら一速だけで日本全国どこへでも行くことが出来るし、混み合いそうな人気スポット、シンデレラ城の本丸とかへのワープゾーンは難易度を高く、例えば「眉毛のある中島美嘉を想像しながら駐車」とかにすれば脚きりにもなる。着いた先で「お前どんな眉毛想像した?」とか眉毛の情報交換もできるし、思わぬ出会いもあるかも? 何か間違ったこと言ってますか!?

2007年03月21日 02:35


■一部熱血甲子園

「バッター、井崎くんに変わりまして、竹田くん」


(竹田……? 聞いたこと無いやつだな。こんな場面で出すなんて、よほどの隠し玉なのかな)
「とうとう俺の出番が来たようだな……よう、久しぶりだな。飛鳥 一球!」
(俺、長谷川だけど)
「あの日以来、俺はお前の球を打つためだけにバットを振ってきた……!」
(マジ誰だろうこの人)
「この左目の傷! 忘れたとは言わせねえぜ!」
(忘れたって言いてえー)
「さあ、投げな! 俺に打たれる勇気があるならな!」
(よく喋る人だな、まあいいや)

ずばん!
ットライーック!

「見えなかった、だと。この俺が! 貴様、あの球を完成させたというのか!」
(フォークだけど)
「噂には聞いていたが、これがお前の『ステルス・タイガー』か!」
(勝手に名前つけられた)
「しかし残念だったな! 貴様のその球、俺はすでに見切ったぜ!」
(見えなかった、って言ってたよな)
「さあもう一度投げてみろ! 貴様の『ステルス・タイガー』を!」
(これからフォーク投げるたびに言われんのかな、やだな。
 普通に三振とっても『出たー! ステルス・タイガーだ!』とか、すげー恥ずかしいな)
「いくら見えない球とは言え、実体がなくなっているわけではない。そう、例えばハエの羽は飛んでいるとき、怖ろしい速度で動いているため肉眼では見えなくなっているという。この球もそのハエの羽と同じ原理によって、高速でブレて落ちる変則ナックルだとしたら……」
(なんかすげー喋ってる。気持ち悪いからフォーク以外投げよ)

ずばん!
ットライーク・ツー!

「何! これは!」
(あ、なんか怒らした)
「審判、あんたには、いや、ここの球場にいる全員が見えちゃいないだろうが、俺の目は誤魔化せねえ……! 貴様、『白龍衝』まで会得していたのか!」
(カーブだけど)
「最初の『ステルス・タイガー』は撒き餌だったってわけだ……フフフ……クックッ、ファーハッハッハッハ! 楽しませてくれるぜ、飛鳥一球!」
(長谷川です)
「ならば俺も本気を出そう! 六時間山にこもって編み出した必殺技!」
(飽き性なのね)
「『竜虎心眼打』」
(うわ、あいつ)
「何! アイツ、目隠ししてしまったぞ! あれでは見えるはずがない!」
(自分で言ってるよ)
「フン! しかし、心の目はバッチリ開いているぜ! さあ飛鳥! 俺を楽しませてくれ! そして俺がお前の球を打ち

ずばん!
ットライーック! バッターアウッ!

「……なん、だと……」
(悪いことしたかな)
「ククク! おもしれえ! 負けたってのに、ワクワクしているぜ! おい! 飛鳥!」
(はい)
「今日は負けたがな、今度はそう上手くはいかねえぜ? 覚えておくんだな! 貴様をもっとも手こずらせた男の名を!」
(凡退ですが)
「そう、この俺、不知火 瞬の名をな!」
(竹田くん)
「あばよ! 飛鳥一球!」
(じゃあね、竹田くん)

2007年03月18日 01:06


■プリミティブな密室

「なんだ……この部屋は。壁も真っ白、ドアも、窓も無い! 何、だ、頭が、割れるように痛い、なんで俺はこんなところにいるんだ! おい! 誰かいないのか! 出してくれ! 何なんだこの部屋は! 出してくれ! 出せ、出して、出してくれ! 誰か! ここから出してくれ!」

「さっき出たじゃありませんかおじいさん」

2007年03月16日 19:44


■ついていいウソ

タイタンくん

タイタンくんは野球好き、中でも阪神の大ファン。たびたび夜中、精霊合宿を抜け出して球場に行っていた。しかしその巨体のせいで阪神ファンから大不評。それでもタイタンくんは足の中指一本で立ち見するなどしてなんとか不評を買わないようにしていたけれども、ある日飛ばした鼻くそで金本のホームランを弾いてしまってさあ大変! 激怒した阪神ファンから「てめえそもそも巨人のくせに阪神ファンとは良い度胸だ!」などと罵詈雑言を浴びせられ、心を縦じまに引き裂かれてしまった。

心から涙が溢れてくる。でも、まだ試合中、泣いては駄目だ。大好きな阪神の試合だ笑って観ないと駄目だ。うずくまり、涙が体から出ないように目を手で覆い、ケツにカナダ杉を刺して耐えるタイタンくん。そのうち、杉が根を張りタイタンくんはそのまま大きな一つの「山」となってしまった。

山頂に大きな杉を頂くその山を人々は「六甲山」と呼ぶようになって数十年後、大人たちが六甲山を開発してゴルフ場やスキー場を作り始めた。山は削られ木は切り倒され、とうとう山頂の杉さえも切り倒されたその瞬間! タイタンくんの我慢していた涙が根元から大噴出。天を衝くほど勢い良く吹き上がった涙は上空で冷やされ、雪となって山へ、町へ降り注ぐ。季節外れの雪、奇跡のようなその景色を見て、タイタンくんの悲しみが街を白く彩ったその日を「ホワイトデー」と呼ぶようになったとさ。

2007年03月15日 15:38


■タイムズドン

引き出しの中からの来訪者。

「やべーレポート終わらねー提出明日だってのにーもーおー!」
「おっす」
「わ、誰、何、誰、おま、何、誰?」
「whatとwhoを交互にぶつけるんじゃないよ、統一しようぜ」
「誰だよ何なの」
「聞けよ人の話。いいか、俺は未来から来たお前だ」
「帰れよ」
「早ええよ、もっと驚けよ『未来から来た』って部分に」
「レポートやんなくちゃいけねんだよ、帰れよ」
「めんどくさい女追い返すのと同じトーンで未来人追い返すなよ、まあ聞けって」
「わかった聞こう」
「いいか、近い未来、お前に重大な選択肢がつきつけられる」
「なるほど。帰れ」
「待てよー!」
「用件済んだろ帰れよ」
「お前、俺は未来のお前だぞ!?」
「確かにお前俺そっくりだけど、何で服装とか全部今の俺と一緒なんだよ!」
「そりゃニ時間後から来たしな」
「近えよ。近未来通り越して近所未来じゃねえか。ニ年後から来いよ未来人なら!」
「仕方ないだろ、重大な選択肢がお前に迫ってんだから」
「どうせアポロを上から食うか下から食うかとかその程度だろ」
「それもあるけど」
「あんのかよ」
「わかった、信じてないんだな? よし、それなら」
「いや信じてる全力で信じてる。寸分違わぬ俺だから」
「証拠を見せてやろう! これ、俺の時計見ろ、ニ時間進んでるだろ」
「帰れよ」
「ちょっとぉ!」
「信じた上で言うよ帰れよ」
「わかった、じゃあこれ、食いかけのアポロ」
「下から食ってんじゃねーよ、イチゴチョコの部分だけ残してどうすんだ」
「一度で二度美味しいだろうってば」
「チョコの部分のが多いんだから、イチゴから食えよ!」
「それは俺も思ったよ! 今すげー後悔してるんだって!」
「お前やっぱニ時間後の俺じゃないだろ。俺ならアポロ下から食わないもん」
「いやそれは俺がお前にアポロ見せたからだろ。見せなかったらお前下から食ってたし」
「でもいいのかよ、俺がアポロ下から食わないってことは、未来変わるだろ。人類やばくなったりしねえの?」
「お前のアポロの食い方でヤバくなるほど人類は暇じゃねえよ」
「ていうか何なんだよ。帰れよ。死ねよ」
「要求がグレードアップしてるぞ」
「お前全然成長してねーじゃねーか、今の俺から」
「そりゃニ時間後だしな。ニ時間で人は変わらん」
「……あ、そうだ、ニ時間後ってことなら、一つ頼みがある」
「何だ」
「レポート、出来てるだろ? ニ時間後なら完成したレポート見せてよ」
「いや、出来てない」
「クズだなもうほんっとクズだな」
「アポロの下だけ食うのって意外と時間かかるんだって」
「何にニ時間かけたんだよ! レポートやれよ!」
「そのレポートに関係して重大な出来事が起こるんだって! 俺はそれをお前に!」
「伝えに来る暇があったらレポートやれよ! 時を飛び越えてアポロの食い方伝えにきただけじゃねえか!」
「お前が余計なこと言うからだろ!」
「って、もう二時間も経ってんじゃねーか! 帰れ!」
「ちょ、ちょっと! 押し込むな押し込むな! せめて話を」
「うるせえ! レポートやるんだ俺は!」
「話を、聞けよ!」
「おい! 袖引っ張るな! 袖引っ張るなって、俺も、落ち、うわああ!」

………

「やべーレポート終わらねー提出明日だってのにーもーおー!」
「おっす」
「わ、誰、何、誰、おま、何、誰?」
「whatとwhoを交互にぶつけるんじゃないよ、統一しようぜ」
「誰だよ何なの」
「聞けよ人の話。いいか、俺たちは未来から来たお前だ」
「たち?」

2007年03月14日 15:51


■俺ニメン

((轟け! 俺のアニメレビュー喪中だとしても!))

ガン×ソード

アッツーい! もうやだ何コレおかあさーん! お風呂から岩石蒸気出てるよー! このどんどこどんどこ鳴る太鼓BGMは作品にマッチしすぎてて心臓を取り出してゴム風船よろしくドリブルしたくなるってもんだ。童貞の主人公がでっかいロボットに乗って妻を殺したアイツにチョップ! チョップしたいんだマジで! マジでだぜ!? ってな道中劇。アレか童貞喪失できるところだったのに妻殺されたからそんなキレてんのかいお前さん? ってな作品最大の謎も二話目ぐらいで勘違いと気づくぜ。でも悪の陰謀プロットはR.O.D -The TV-とあんまり変わらないんだねどうなってんだ倉田コラー! 英之コラー! 

BLOOD+

血まみれの女子高生がポンソードを振り回すってノリだけでもご飯三京倍はいけそうだけど肝心のアクションシーンがそんなに心踊らない、そんなときはあの人を呼ぼう、せーのっ、垢舐め先生(押井守)ー! まああのぬるぬるモンスターが企画協力だっつってどこまで口出してるかわからないし「押井色」みたいなのもわかんないけど、ただビジュアル面でアイツほどのモンスターはいないと思う。何あのフロドから指輪盗んで逃げ出しそうなゴブリン面。肝心のアニメ本編はやっぱり五十話っつって相当長いので三十二話まで見て勃起しなかったなら見るの止めるが吉。面白いけど見所らしい見所がそんなにない、あ、最終話でハジがあのセリフ言うシーンだけは口伝すべき。

serial experiments lain

無欠。無欠っぽいねこんなの。武蔵がこのアニメ見ても「隙が見当たらない!」っつって冷や汗のドリンクバーになるだろうさ。これを面白い面白いってのは相当危ない気もするけど面白いんだから仕方ない。サイバーホラーとかになるのかどうかわからないけど「現実って何」「自分って何」って人は是非観て白線の外側に飛び出すキッカケにしてください。あ! 無欠っつってウソ、何あの子役のポテトっぷり! 演技がイモすぎる、ああでも子供が背伸びして喋ってると考えれば妙にリアルでもあるか、いやでも普通に演技が下手な気がしてきた! どっちだ!

>>キャストは声優ではなく、キャラクターとほとんど歳の変わらない子役が演じている。これは当時の清水香里についても同様。(wikipediaより)

下手なだけかー!

2007年03月13日 20:25


■the right for right

右折待ち。

人は皆、平等に愛される権利があるはずなのに、右折車だけ何故右折待ちなどという枷を背負わされているのだろうか。例え目の前で対向車に母親が犯されていても僕らは右折待ちをしなければいけない、こんな理不尽な世界に屈するのか、否! 我々は英雄を必要としている、この世界を打破する英雄、そう、対向車線から天皇がマッハで迫ってきても構わず右折しちまう火の玉右折ボーイが!

「ヒャッハー! 対向車サマのお通りだ! このうす汚ねえ右折野郎ども、俺たちが通り過ぎるのを待つ or DIEだぜ! げっははは!」「あ、兄貴、曲がろうとしてるヤツがいますぜ!」「あ~ん? なんだあ? 右折しようってのか? 良い度胸だ、だがひき殺してやるぜ!」「兄貴! あいつ! あの右折野郎の胸の傷!」「胸に七つの傷……あ、あ、あ、あいつ、あの伝説の!」「ビビビビビってんじゃねえ! 構わずいっちまえ!」「ひいいいい!!」ドッギャーン! はい、八つ目の傷。

2007年03月12日 00:43


■ご利益シリーズ

俺の考えたご利益シリーズ
『お咎め無し観音』

ある程度の悪事ならお咎めなしで済ませてくれる観音、観音としての位は中の下のパシリといったところだがその霊験はあらたかであり、これに祈ったものは赤信号の横断やトロくさい右折待ちもパッシングなしの人生を送ることが出来るという。中世ならギロチンをエンジョイさせられてもおかしくない母殺しの罪や、他国への亡命行為もこの観音に焼きそばパンを数個ぶつければたちまち軽減! ギロチンとクビの間に濡れた古新聞を一枚挟ませてもらえるという救済措置を受けることが出来ます! 足に自信のないメロス諸氏も、走る前にこの観音に参拝しましょう。ちょっとぐらいの日没ならば、セリヌンティウスも二体満足ぐらいで助けることが出来ますがバイトに無断欠勤はさすがに無理、それは怒られるよー常識じゃーん?

2007年03月09日 15:02


■俺ニメ

-=とどろけ! 俺のアニメレビューあちらのお客様まで!=-

コードギアス ~反逆のルルーシュ~

そもそも「ルルーシュ」って何だろうって話。「妖精のシンフォニー」みたいな感じで「反逆のルルーシュ」? あるいは「コンソメとトリュフのパスタ・ルルーシュを添えて」みたいな感じでちょっと酸味の利いた木の実の一種かなっつって主人公。ゴリゴリの人名でしたー! ははーん。ルルーシュが反逆すんだな。多分母親の遺言とか父親のダイイングメッセージとかいとこの寝言とかで「反逆は駄目だよルルーシュ」とか言われてたんだけどもう俺も高校生だから! みたいなことで反逆すんだな! と思ってたらガチ、そんな感じ。ブリタニア帝国に征服された日本に生きるブリタニア人の学生ルルーシュがブリタニア帝国をぶっ潰すため軍にスポーツに大忙し。エロスもあるよ!

スクライド

俺のこの固めた拳でカプコンの三次試験まで通ってやるぜ! アルターと呼ばれる特殊能力を持ってる俺の拳は戦車もぶっ壊すほどに凄いからお前とか邪魔するならドカーン! だ! 悪の親玉もね! 痛快暴力懲悪アニメ。フラストレーションの溜まらない展開は僕みたいなニートには苦い良薬。「スクライド」自体は漫画・アニメ・小説と多岐にわたって展開している一つのプロジェクトであって、特筆すべきはアニメより漫画。ジョジョ、覚悟のススメ、北斗の拳といったダイヤモンドたちを足して圧力釜で六世紀煮込んでカーボンに戻したような作品、だがその輝きはブリリアント・ブラック、作品からほとばしる頭の悪さは常軌を逸す。全五巻でこれより頭の悪い漫画を、僕は知らない。

宇宙のステルヴィア

ストレスの溜まる主人公の喋り方とストーリー展開はもうちょっとひどキツい。便秘になったので座薬入れたら便意が押し寄せてきたけど出てきたのは座薬だけ! みたいなアニメ。そもそもこういう「ボーイミーツガール」ものが得意じゃないってのが大きいのかもしれないけどこのカタルシスに乏しい展開は僕のせいじゃないと思いたい。それでも、と、思って観てたら、落ちこぼれの主人公が努力で天才を凌駕して未完の巨大ロボに搭乗し地球を危機から救うとかお前何勝手にトップをねらってんだよってな展開になって落胆。外に出ようにも吹雪が酷いし、電波が弱くて助けも呼べない、吹雪がやむまで二、三日することがないって人なら観るといい。

2007年03月08日 03:27


■15sec

前回までのあらすじ

突如主人公の目の前に現れた謎の高校生! 彼の現れた朝八時という時間は、主人公たちのもっている八つの四星球と何か関連性があるのだろうか? そしてその彼が主人公たちに言った「すいません、どいてください」の意味とは!? 彼の目的は? 彼は何を伝えに来たのか? 私立!? 公立!? 一限目の始まるその刹那、主人公の最終奥義が炸裂する! 次回、「そういう大事なことは直接電話で連絡くださいよ」の巻! 乞うご期待!

2007年03月06日 02:04


■道三ブログより抜粋

コンビニでバナナが二百円。

コンビニでバナナが二百円とかマジ何考えてんだと、声を勘亭流にして叫びたいそして走り出して見つけるんだ俺達の理想郷、バナナが二百円じゃないあの場所へ! そんなロードムービーが一本作れるくらいの衝撃で危うくバナナを持ったまんま生鮮品コーナーからぶっ飛んでホットケースに頭から刺さるところだった。

最近のコンビニは何か勘違いしている。ローソンプラスだか道三ブログだか知らねえが何なんだあのコンビニは。俺が空軍なら基地よりまず先にローソンプラスを破壊して回るね。おにぎりにしたって最近は百九十円といったものまで出てきている、もうすぐ二百円に届きそうなバベル価格だ。奴らはいずれありとあらゆるコンビニを吸収していき、そして一個二百四十円のおにぎりを売り出し始めるだろう、しかしそれも長くは続かない! いずれソドムの雷がお前らを罰するのだ。そしてローソンプラスは粉砕され、大地にその欠片が降り注ぐ……やがてその破片から芽吹くものがある、そう、後のホットスパーである。

2007年03月05日 01:13


■急騰部

プリティに。

プリティに生きようと思っても中々できないまま酸素を二酸化炭素といくらかのふわふわしたものに両替している毎日。プリティに生きるために必要なものそれは、フィルターの交換である。埃にまみれて、泥にまみれないフィルターを泥にまみれて埃にまみれていないものに取り替えることによって、泥の上に埃が塵積もり、それはフィルターから逞しき大地へと成長する。日本などという地球の僧帽筋の上に生まれたからにはもうこんなフィルターのままではいられない。フィルターを取替えティーカップをお揃いのにして奮発して高いコーヒーメーカーを買ってモカを淹れ! その横にはストレッチをする篠原涼子!

忘れるな。風俗に行こうとした時点でセックスだ。

2007年03月03日 03:25


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