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■プレ死闘

「あ、教室に忘れ物した。
 ちょっと取ってくるから荷物持ってて、はいっ。
 地面に置いたら殺すからね」
「え、あ、ちょと、宮村さん!
 もう……いつもこうなんだから……」

* * *

「きゃ~~~~~!」
「ど、どうしたの宮村さん!?」
「むむむむむ、虫、虫が!」
「え? なに?」
「あ、あ、あたしの机、え、え、うえに、虫!」
「あ、なんだ、虫かー」
「なんだとは何よ!」
「いや、宮村さんもかわいいところあるんだなあ、って
 たかが虫ぐらいでこんなに怯えるんだもの」
「だ、だ、だ、だってしょうがないでしょ! 私は昔からああいう黒くて羽があってちょこまか動くくせに体長25メートル体重500キロで口から鉄さえも溶かす硫酸を吐きながら九九の五の段を早口で叫び続け、毎週第二第三土曜日になると家族と一緒にディズニーランドに出かけてはミッキーをつかまえ触手を着ぐるみの間から入れて中身をチューチュー吸う習性を持つEXILEのガラの悪いグラサンの方よりも歌の上手い大型自動二輪の免許取得済みでおばあちゃんっ子の虫が大の苦手なんだからあ!」
「ごめん、たぶん僕もそれ苦手だわ」

2007年05月16日 01:00


■写真で一言:アニマル


「助けていただいたお礼に、竜宮城へお連れいたしましょう!」



「どうした? 手は使わないと言ったが、足を使わないとは言ってないんだぜ?」



「イヤよ。お母さんの連れてくる人変な人ばっかりだもん」



「しかし、あの洞窟に入れば二度と生きては戻れんかもしれんのじゃぞ?」



「マスター、俺はミルクを頼んだはずだが?」



「ここは酒場だ。酒を飲みな」



「じゃあお腹の赤ちゃんが、あなたの子じゃないって言ったらどうする?」



「え! 会ってその日にセックス!?」



休日のストーンヘンジ



「うわ、エヴァンゲリオンってこんなグロかったっけ」



「あれ絶対整形だよなー」



「僕が……"キラ"だ」



「え! 会ってその日にセックス!?」



「え! 会ってその日にセックス!?」



「え! 会ってその日にセックス!?」


2007年05月14日 00:30


■誤解を招く感じで。

<<えーでも文学って難しいし何か読む気しなくなーい? 漫画とかでも勉強できなくない? とかいって活字awayな男女子高生のために有名な文学作品をわかりやすく捻じ曲げて要約するからこれを機会に文学に親しみやがれシリーズ>>

第一回:三島由紀夫『金閣寺』

切腹を流行らそうとして大スベりした世紀の大文豪・三島由紀夫が「金閣寺放火」という実際の事件をもとに描いた一大抒情詩。一大の意味も、抒情詩の意味も博士か彼氏に聞きなさい。

* * *

吃(ども)りの上に童貞さらに重度の金閣寺フェチという利率50%のハンディを定期預金してる主人公こと溝口くん。

溝口くんは、幼馴染であるところの「有為子(ういこ)」という少女に恋をしている。
実はこの有為子という少女、とんでもないサセ子なのだがそこは童貞特有の「きっとまだ本当の愛を知らないからだ」的フォローでもって有為子を尾行けまわす。
しかしこの有為子ってば思春期の少女と就職活動中の中女がよく発症する「大人の男に憧れ熱病」にかかっており、ふとしたことから知り合った脱走兵にぞっこん毎日。

そうとは知らない溝口くん、キロあたり六十円の勇気を二キロ振り絞り有為子への告白を決意!
早速おかあさんが雑巾をつなぎあわせて縫ってくれたアルマーニのスーツをビシッと着こなし有為子を草むらで早朝に待ち伏せ。
チャリで時速25kmを楽しんでる有為子が草むらの前を通りかかった瞬間、黒い影が自転車の前に!


「やせい の どうてい が とびだしてきた!」
「どうてい は なにか いおう と しているが どもっている!」
「どうてい は どもっている!」

 たたかう
 にげる
 にげる
 にげる
→よけてにげる

「ういこ は どうてい を よけて にげた」
「どうてい は がっかり した!」

溝口くんの告白は大失敗、それがもうトラウマでトラウマで「現実の女なんて皆クズだ! 金閣寺が一番だ! 金閣寺が一番エロいんだ!」どんどんおかしな方向へ走っていく溝口くん。

「みんな俺を吃りで童貞だからって馬鹿にしやがって! あ、あそこに同じくらい童貞っぽいやつがいるぞ、おーい! 友達になろうぜ!」
「さわんなクソ童貞! お前とは友達にならねーよ! 俺の名前は柏木だけど、これは独り言だからな!」
「え、え、あ、柏木くん! よろしく!」
「だからさわんなチェリーボーイ! さくらんぼが伝染るだろ! ちなみに俺は童貞じゃないぜ? なぜなら、モテたからな! 本当にモテたからな!」
「そうなんだ! 凄い!」
「おう! 美人に一杯モテたんだぜ! でも童貞を捨てた相手はババアだけどな!」
「なんで!?」
「女なんて皆同じなんだよ! 要するに思い込みが大事だ! ババアも美人も思い込んだら同じなんだ!」
「そうなんだ! 凄い!」

(そうか……思い込んだら同じなんだ……それにしても有為子かわいかったなー……でも金閣寺もエロいし……有為子……金閣寺……有為子……有為閣寺……有為閣寺!?)

「有為閣寺だよ! 柏木くん! 一緒だ!」
「何バグってんだ溝口。WindowsMEでもインストールしちゃったのか?」
「有為子も金閣寺も似たようなもんなんだよ!

 あ、そう考えたらムカついてきたよ!」
「なんで?」
「だって! 金閣寺は僕をフったんだよ!?」
「洗濯ん時、脳みそも一緒に脱水しちゃったの?」
「燃やしてやる! 燃やしてやるんだ金閣寺を!」
「おい、どこ行くんだ溝口、おーい!」

「燃やしてやる! うひっ、燃やしてやる! ああ、なんか昂奮してきた! エロい! 燃えてる! エロい金閣寺が燃えてる、うひひ、燃えてる! 燃え、燃えー! 金閣寺燃えー! うひっ、熱っ、熱い、熱いな……空調壊れてンのかよ。えー! 火ついてるじゃーん!? なんでー!? ヤバいって、逃げよう! 逃げなきゃ逃げなきゃ……」

「ふう、ここまでくれば大丈夫。
 うわー、燃えてるなあ金閣寺……まあいいか。
 何かスッキリしたし、まあいいや。

 それにしても燃えてるなあー……

 ……生きよう」

**Happy END**

史上最大の名作「金閣寺」のあらすじはこれでバッチリだね! 明日学校で求められてないのに説明してアレな子扱いされてみよう! 次回は夏目漱石の「三四郎」を要約するよ、じゃあ、君が思ってるよりも意外と早くまたねー!

2007年05月12日 00:09


■チューチュードレイン

<<一寸の虫にも五分のラブコメ>>


ぶーん

(キャッ! ふ、藤田先輩!)
(え、どこどこ!?)
(ホントだ! 私立第二モスキート高のプリンスこと、藤田先輩!)
(かっこいい……)
(ちょっと、サトミあんた藤田先輩見すぎよ! あんたみたいなヤブ蚊が藤田先輩と釣り合う訳ないじゃない!)
(そうよ! 噂だと藤田先輩、ヒトスジシマ高のチカさんと付き合ってるらしいよ?)
(マジ! チカ先輩って、もはや貴族じゃん!)
(それぐらいじゃないと藤田先輩とはつりあわないのよ!)
(でも、あたし、藤田先輩ならボウフラでも……)
(ちょっとサトミ、あんたロリコン?)
(ち、ちが!)
(あ、先輩、吸うみたいよ!)
(どこ吸うのかしら……先輩が吸うところ見るの、実習以来だし……)
(服の中入った!)
(ウソ! 難度βじゃん!)
(まさか先輩、ニンゲンのメスの胸の部分を吸う気じゃ……)
(確かに皮膚薄いし柔らかいし心臓近くて美味しいけど……でも、気づかれたら逃げられないし、リスク高すぎ……)
(え、えええ、吸った、吸ったーー! 吸ってる! でも気づかれてない!)
(すごいすごいすごい! かっこいいー!)
(……)
(あ、サトミ、どこ行くの)
(……藤田先輩の吸った場所……)
(あんたまさか!)
(えいっ!)
(吸ったー! サトミが吸ったー!)
(ちょっと! それ間接吸血じゃん!)
(しかも何!? そのディープ吸血!)
(藤田先輩! 藤田先輩!)
(ちょっと抜け駆けは許さないわよ! あたしも藤田先輩の吸ったところ吸うんだから!)
(どきなさいよ! ちょっと!)
(あたしも!)
(あ、あたしだって!)
(ちょ、狭い!)


* * *


「……うーん、あ、お姉ちゃん、おはよー」
「いつまで寝てんのよアンタ、って、

 ……

 何その胸」
「え? あ、え!? 凄い! 超でかくなってる! 凄い凄い!
 ねえこれアルファベットで足りるかな! 凄いって!」
「右の胸だけね」
「やったー!」
「やってないと思うけど」
「どうしようこれ! 学校行ったら『ぎょっ!』って言われちゃうよね?
 もうそういう意味じゃ、おっぱいっていうよりぎょっぱいだよね!?」
「今日学校休みな」

2007年05月10日 11:07


■仲間達の想いが勇者のキャパを超える日

「ぐわあー! ぐへぇー!」
「おい大丈夫か魔法使い!」
「へへ……俺はもう駄目だ……」
「喋るな! 傷は浅いぜ!」
「わかるんだよ……俺はもう助からねえ……
 だがせめて勇者よ、これをもっていってくれ……」
「これは! 魔法の紋章!」
「その紋章に込められた魔力が、いつかお前の助け、に、ぐはっ!」
「魔法使いー!」

「クッソー! 魔法使いの無念を晴らすためにも必ず魔王を倒してやる!」

「ぐわあー! げろりー!」
「わー! 大丈夫か武道家!」
「ぐう……俺はもう駄目だ……」
「何言ってんだ、こんなのかすり傷だ!」
「どうやらかすっただけで死ぬ毒が武道家一人分塗ってあったみたいだぜ……」
「なんだって! くそー!」
「俺はここでリタイアだが、これを俺だと思って……」
「これは、お前の大事なダンベルじゃないか!」
「へへ……あばよ……」
「武道家ー!」

「クッソー! 武道家と魔法使いの無念を晴らすためにも!」

「ぐわあー! べろべろー!」
「あらー! 僧侶だいじょぶー!?」
「あたしはもう駄目よ……」
「何言ってんだちょっと漆にかぶれたぐらいで!」
「これをあたしのかわりに……」
「これは! お前の大事にしてた三国志全六十巻じゃないか!」
「必ず、世界に平和を……ガクッ!」
「僧侶ー! ちくしょー魔王め必ず皆のかたきを「ぐわあー! ずぎゃーん!」うわー! 言い終わる前に戦士がー!」
「へへ……もう俺はアレだからこれを俺の代わりに持っていけ……」
「これは! お前の大事にしてた延長コードじゃないか!」
「ぐわあー! わーい!」
「あー! 今度は何故かついてきた三姉妹がー!」
「ふふ……あたしたちの代わりにこれを」
「受け取れないよこんな大量のキーホルダー!」
「ぐわーあーあ!」
「あー! 後援会のみなさまー!」
「我々はもう何かダルいので……これを……」
「段ボール一杯のロール芯を僕に!?」
「ぎゃーす! これを……」
「ノック式ボールペンを二百本も!」
「あひゅー! これを……!」
「豆おかきを10キロだって!」
「よし! これを……」
「きびだんごを今さら!」
「えーと、これ……」
「お前の卒業制作じゃないか!」
「これ……」
「シャワーカーテン!」
「これ」
「残り湯!」
「これ」
「ポストイット!」
「これ」
「クリーニングタグ!」
「……」
「……!」

* * *

「大魔王さま! 大魔王さま!」
「なんだ、騒々しい」
「城に近づくものがいます!」
「なんだと? もしかして勇者か!」
「いえ! 違います!」
「じゃ誰だ!」
「軽トラです!」
「なんで!」
「わかんない!」

2007年05月08日 21:17


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