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■どこかで見たような

「お父さんお父さん!」
「どうしたんだいボビー」
「お父さんは僕にとってマザーファッカーだね!」
「ハハハ、じゃあお前はサノバビッチってところだな」
「あなた」

2006年04月29日 10:27


■津市meets津市

納豆が腐っていた。

まあベタな初行で全く申し訳ないとは存じ上げればキリがないんだども、つまりはそういうことであり、僕の監督不行き届きここに極まれりといったある意味での免許皆伝を、納豆が腐るという形で下賜された、と。

納豆なんてものはそもそも根が腐っている、どんな法廷に出しても裁判官が満場一致の尻文字で「極刑」と判決を下すぐらいどうしようもなく腐っているものだ。それがこれ以上腐るということは、要するにマイナスに次ぐマイナスであり最早そうなると「虚」の世界の物質に他ならない。つまりこの腐った豆と腐った腐った豆を衝突させれば対消滅の理論により大阪市が丸ごと津市になるほどのエネルギーが生まれるのだ。

津市となった大阪市に、元大阪市民は「まあそれでも」といった心持で住み始めるだろうがそれで納得行かないのはオリジナル津市であろう。オリジナル津市は突如として現れたブラック津市を、仇敵として徹底抗戦の構えを見せ始める。しかしながら元大阪市民にはそんな気が毛頭ないのでオリジナル津市民の津蹴り・津固め・ダブルアーム津ープレックスによって圧倒的制圧の憂き目に合い、ブラック津市はオリジナル津市に統合される。

これの繰り返しによっていずれは世界中が「津市」となるのだ。恐るべきは納豆の生み出すエネルギーだがそれ以上に、津市の覇道に感服すべきだろう。

2006年04月28日 16:49


■無理な踏み切り横断

電車に乗っていると、「無理な踏切横断は止めましょう」というアナウンスが起ります。。無理な踏切横断は危険である、とのことですが一体無理な踏切横断とはどのようなものでしょうか。

・踏切を縦断する。
よほど運が良いか廃線になっていない限り必ず轢いてくれます。オススメ。

・電車に轢かれた瞬間、同じ方向に飛び衝撃を殺す。
繰り返せばタダで時速120kmを出せます。

・逆に轢かれてもいいと考える。
轢かれます。

・遮断機に今年のボージョレーをくくりつける。
ソムリエ不足を感じたなら。

・途切れてる線路を、自らの身体で補う。
轢かれますが乗客の心には残ります。

・子供を踏切に挟んでおいて、電車が通過する直前に助ける。
美形じゃないと轢かれます。

・車輪の間を見極め、超スピードでその向こうにある墓石を割る。
相手から「ほほう、なかなか大したスピードだ、だが……」と言われれば勝ちです。

・親友が遮断機を食い止めてる間に渡る。
轢かれます。

皆さんも是非無理な踏切横断を考えて、やらないでおきましょう。

2006年04月22日 20:17


■チェル野ブイ美8

「テニスの放射能」第八話

「というわけよ!」
「キィィィイィ! 私のサーブによもやそのような欠陥があるとは!」
「とにかく、これであなたの亜光速サーブはもう使えない!」
「くっ、小娘がっ、必殺技の一つや二つ、破ったくらいでいい気におなりでないよ! 天才ってのはね、天才ってのはね! その場に応じて新たな必殺技を生み出すものなのよ! くらえ! 新・亜光速サーブ!」
ドブスッ!
「なっ! これは!」
「オーッホホホホホホ! どうかしら新・亜光速サーブの味は!」
(さすがだわ便津さん)(瞬時に新しい必殺技を生み出してしまうなんて)(まさにビッグ・必殺技館!)
「もう一発いくわよ、そぉらっ!」
ドブスッ!
「こっ、このサーブは! 新・亜光速サーブとはまさか!」
「気づいたようね! そう、名前を変えてみただけよ! あなたは自分の中にある新・亜光速サーブに踊らされていただけ!」
「卑怯!」
「卑怯? 卑怯ですって? 口を慎みなさい! これぞまさに天才の機略! 現にあなたは新・亜光速サーブを返せなかった……。私は何も努力をしてないのも関わらずね!
努力なんて凡人の徒労よ! 努力なんて愚者の逃げ道よ! 努力なんて敗北の言い訳よ!」
「違う! 努力は……努力は……! 努力こそ真の勝利を生むのよ! 努力せずに得た勝利なんて、偽者だわ!」
「ハハハ! 凡人らしい詭弁ね! いつでも! どこでも! 好きなときに! 全力疾走できない凡人の考えそうなことだわ!」
「歩く努力をしないものが、走れるものか! 見せてあげるわ、私の努力によって生み出された必殺サーブ!」
「受けてあげる! そして砕いてあげる! あなたの努力とともにね!」
「喰らえ! ギャラクシー・インパクト・サーブ!」
ドブスッ!
「何ッ!?(見えなかった!!)
あなた……まさか!」
「そう、どうかしらご自分の亜光速サーブの味は!」
(あの新入生!)(一目見ただけで便津さんの亜光速サーブを!)(しかも名前まで変えて!)
「ふんっ、小賢しい盗人め! 天才の知恵を借りないと何もできないのね! ハハハ!」
「勘違いしないで……今のはただの点数稼ぎ、本当のギャラクシー・インパクト・サーブは、これからよ!」
(なんてレベルの高い試合かしら!)(鳥肌が止まらない!)(何よりあの二人)
(((まだ一つもボールを使っていない!!)))
「さあ、見せてあげるわ……本当のギャラクシー・インパクト・サーブを!

くらええええええ!!」
(!!!!)

(何も起らないわ)(でも確かにスマッシュの音は聞こえたのに)(ボールはどこ!?)
「…ハッ、ハハハッ。何よ、こけおどしじゃない! 所詮凡人は凡人……「あ、あれを見て!」「何あれ!」「どうなってるのあれ!」
何ッ!? あれ、は……もしかして……?」
(なんてこと!)(こっちに来るわ! 近づいてる!)(月が! 月が動いてる!)
「まさか、これはあの伝説の……!
便津さん、逃げなさい!!」
「何よ。慌てふためいちゃって……天才が、天才が逃げるなんて、そんなみっともない真似、できる、わけ、ない、じゃない!!」
(受け止めた!)(ラケット一つで月を!)(でも押されてる!)
「こんな、こんなサーブぐらい、か、返せ、返せないわけが!!」
(無理よ……便津さん!)
「返せないわけが、ないいい!!」
「なっ……!」
(う、打ち返した!)(つ、月が)(月が元の位置に戻っていく……)

「アウト!

勝者、チェル野ブイ美!」

「やったぁああーーー!」
「やったねブイ美!」
「負けた……天才の私が……負けた……」
「おめでとう、ブイ美さん」
「部長!」
「そして、テニス部にようこそ!」
「ありがとう! ゲノ夢部長!
あ……便津さん……」
「今回は負けとくわ、でも、でも次は絶対に勝つ!」
「……はいっ!」
(素晴らしい試合だったわ)(そうね、でも)(結局、ボール一個も使わなかったわね)


??「あたしは諦めないからね、ブイ美!」

2006年04月15日 15:15


■チェル野ブイ美7

「テニスの放射能」第七話

勝負当日。

「あーら、また性懲りも無く来たのね。逃げ出しちゃうのかと思ったわ!」
「今日は、勝ちに来ました!」
「ふん、言うようになったじゃない。口だけは成長したようね!」
「便津先輩、ウォーミングアップを「いらないわ!
天才に、努力なんて不純物でしかないのよ!」
「……そんなの、間違ってます」
「でかい口は、このサーブを返してから叩きなさい!」
(出るわ!)(便津さんの)(亜光速サーブ!)
「そらっ!」
(ふふっ、やっぱり動けない! 所詮素人は素人
ドブスッ!
「なっ!」
(え?)(何が起ったの?)(亜光速サーブが)(返された!?)
「ぐ、偶然よ! (そうよ! この必殺サーブが返されるなんてこと)
そらっ!」
ドブスッ!
「ぐっ……! どうして!」
「便津さん、あなたは気づいてないかもしれないけど、そのサーブには致命的な欠陥があるわ!」
「な、なんですって!」

2006年04月15日 15:15


■チェル野ブイ美6

「テニスの放射能」第六話

「なんなんですか部長、あたしなんかに……」
「テニス部には、入らないの?」
「え、だって、あたし、負けちゃったし、それに、才能もないし」
「そう……あなたを勧誘しに来たのだけど、見込み違いだったようね」
「ど、どうして、どうしてあたしなんか!」
「あなたのその額の傷」
「あ、これは、その、うっかり強化ガラスにパチキを……」
「ふふ、嘘ね。それは明らかに動物の爪あと……そして服の上からでもわかる、背筋の異常な発達……
この夏休み、そうとう訓練したみたいね」
「は、いや、これは、あの……」
「したいんでしょう? テニスが」
「いえ……」
「悔しいんでしょう? 負けたのが」
「……」
「勝ちたいんでしょう? 便津に!」
「………」
「……素直になれないと、また後悔するわよ。でもまあ、無理にとは言わないわ。やる気のないものなんて必要ないのだから「やります!!」
「私、テニスがしたいです! 誰にも負けたくない! 便津さんにも、部長にも! でも……」
「でも?」
「一つ、条件を出してください。もう一度だけ便津さんと勝負して、そして、もし勝てたら、私を入部させてください」
「いいのかしらそんな条件を出して、もし負けたらもう二度と」
「負けません!」
「!!ッ」
「ブイ美のブイは、Victoryのブイですから!」
「ふふ……おもしろい子。いいわ、やらせてあげましょう!」
「ありがとうございます!」
「お礼なんて良いのよ。それより早く行かないと二学期終わっちゃうわよ?」
「あっ! いっけない!」

2006年04月15日 15:14


■チェル野ブイ美5

「テニスの放射能」第五話

「……美…イ美……ブイ美!」
「はっ! あ、人間(ひと)み……」
「よかったー! もう目を覚まさないのかと……」
「あ、あの、部長、あたし…」
「あなたは、負けたわ」
「そっか……
痛っ!」
「どうしたの?」
「え、何コレ、あたしのガンホルダーに画鋲が……誰がこんなことを!」
「便津さんよ」
「便津さんが!?」
「勝ったくせに嫌がらせで追い討ち……ここまでできて初めてエリートプレイヤーとなれるのよ。
あなたにはそれができて?」
「……私は…」
「今日は帰りなさい。もう一学期が終わるわ。」

………。

「おっはよ! ブイ美!」
「あ、うん、おはよ」
「なんだ、まだこないだのこと引きずってるの? もう二学期なんだし、忘れなよ!」
「うん……」
「待ってたわ、ブイ美さん」
「ゲノ夢部長!」
「ちょっと、いいかしら」
「え、でも」
「先生、この子お借りしますわね」
「え、部長、ちょっと、部長ー!」

2006年04月15日 15:13


■チェル野ブイ美4

「テニスの放射能」第四話

(便津さんが)(便津さんのテニスが見られるわ)(あの小娘、死ぬわよ)
「じゃ、私のサーブからね……そらっ!」
ドブスッ!
「み、見えない!」
(出たわ、便津さんの亜光速サーブ)(あの子ったら一歩も動けないわね)(当然よ! あのサーブを返せるのは部長ぐらいのものだわ!)
「どうしたのかしら、あたしたちの球は遅いんじゃなくって?」
「ぐっ……」
「そらっ!」
ドブスッ!
「見えない……! どうして、どうして見えないの!!」
「アーッハッハッハッハ! 当然よ! まだ私は一球も打ってないもの!!」
「じゃあ、あの音は」
「アフレコよ!」
「!!!!」
「アーッハッハッハッハ!」

………。

「ふう、私も大人げなかったわね、そうだ、あなたにハンデをあげるわ」
「なっ、ハンディ……!」
「そうよ、勝負は拮抗しないと面白くないもの、どんなハンディがお望み? 片手? 片足?」
「……じゃあ、お言葉に甘えて……。
『呼吸』を先にした方が勝ちよ!!」
(なんですって!)(呼吸!?)(あの子、ただものじゃない)(便津さんは受けるのかしら)(私たちは新たなテニスの黎明に立ち会ってるのかもしれない……!)
「受けて立つわ、つまり、それ以外のときは全部私の勝ちということね」
「!! (大丈夫、大丈夫よブイ美、呼吸さえすれば勝てるんだから、そう呼吸さえすれば……でもどうして、勝てる気がしない!)」
「さあ、試合再開よ」
「(呼吸)(呼吸)(呼吸)(息を吸って…吐く)(吸って……)(吐く)(吐く?)(息を吸わなきゃ、吐くのが先?)(吐く)(吐、吐、吐く)」
ヒュー…ヒュー…ヒュッ
「ブイ美!!」
「いけない、呼吸困難に陥ってる!」
「アハハッ! 普段やっていることを意識すればするほど人間はそれが出来なくなるのよ!
策士策に溺れるといったところね!」
「負け……た……」

2006年04月15日 15:11


■チェル野ブイ美3

「テニスの放射能」第三話


「ブイ美さんって、言ったかしら?」
「はい!」
「あなたに興味が沸いたわ、上がりなさい」
「え、でも、私にコートに上がる資格なんて」
「あなたの実力が知りたくなっただけよ、さっ、怖いの?」
「……いえ! やります!」
「そうこなくてはね」
(ここが…ペプ高の、テニスの名門ペプ高のコート……公式のものより狭い、そして空気が薄い…こんなところで……! あら、向こうにもう人影が、あれは……?」
「便津さん!」
「悪いわね部長、あたしにやらせてもらうわ」
「ドイツからの帰国子女なおかつ六年連続全銀河対抗機動テニス大会準優勝、さらにその暴力的なテニスから「喧嘩テニス」の異名を持つ孤高の天才プレイヤーのあなたがじきじきにやるとわね……どういう風の吹き回し?」
「ふふ、なんてことはないのよ、ちょっと私もこの子に興味が沸いただけ、それに……」
「……」
「こういう子が大っ嫌いなのよ! いくわよ、新入生!」
「お願いします!」

2006年04月15日 15:11


■チェル野ブイ美

「テニスの放射能」第二話

「すごい……ラリーが早すぎて向こうの景色が歪んで見える……!」
「………」
「どうかしら、あれがうちの二軍のエースよ」
「二軍! あれで二軍ですか!?」
「そうよ……まだまだ球筋が素直でいけないわね、あら、そちらのお嬢さんはどうしたのかしら?」
「あ、ブイ美ったら、凄すぎて呆けちゃってるみたいで「遅い……」
「え?」
「………面白いことを言うわね、二軍とはいえ球速だけなら一軍に匹敵するのよ」
「はっ、いや、そんな、たぶん私の勘違いです、すいません失礼なことを……!」
??「言ってくれるじゃない小娘」
「あなたは!」
「あなたは!?」
「あなた……! この部の人間じゃないわね」
??「フフ……さすが部長さん、洞察力だけは大したものね」
「その指の先の夥しいタコ……あなた、囲碁部ね!!」
??「アーッハッハッハッハッハ!」
「部外者は立ち去りなさい!」
??「そうさせてもらうわ!」

2006年04月15日 15:10


■チェル野ブイ美1

「テニスの放射能」第一話

ウップス! あたしチェル野ブイ美! 今年の春から東京都立帝政ペプシヶ丘高等学校に通うことになった、ピッチピッチの十七、八歳よ! でも入学式の初日から教頭先生の静脈につまづいて校長先生の前頭葉を踏んづけちゃったりで大目玉! っはぁ……あたしってなんでこんなドジなんだろう……

「ブイ美!」
「きゃんッス!」
「どしたの? 浮かない顔して」
「うん……ちょっとね」
「らしくない! ペプ中の不沈艦の名が泣くぞ! あ、そうだ、ね? あたしと一緒に部活見学行かない? ブイ美はどこ見に行くの? 中学のときテニス部だったからやっぱりテニス部?」
「うん、だって私からテニスを抜いたらただのタンパク質だもん」
「そうこなくっちゃ! テニスコートは千葉よ!」

………。

「へぇ~ 広ぉい……」
「ここのテニス部は銀河屈指の猛者が集うオカルト教団だって有名なのよ」
「へぇ~ コートもお布施で?」
「うん、あと不明瞭な国家予算は全部この
「あら? 見学かしら?」
「は、はい!(綺麗な人……!)」
「東京都立帝政ペプ高のテニス部部長、超池 ゲノ夢よ
ゆっくり見学してってね、ちょうど今部内対抗リーグ戦をしてるところだから」
「え、幸運の極み! 見に行こうよブイ美!」

2006年04月15日 15:06


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