« 2007年01月 | 2007年03月 »

■外タレ

「イエー! テメェらノってるかベイベー!」
イエー
「オーケークソ野郎ども、合言葉を言ってみろ! ファック・ザ!?」
ポリスー
「ファッキン! ファッキンな回答だ! そんなくそったれなお前らに俺からのプレゼント、一曲目は大ヒットファッキンシングル『ミッドナイト冷めた味噌汁』だぜ!」
イエー
「さらに二曲目は『インビンシブル佃煮』そしてさらに畳み掛けるようにクソファッキンシットシングル『学科教習・イン・ザ・ヘル』! 『フリーダム・ホームラン』『特大小倉マーガリン』! そしてMCを挟んで最後はしっとりと『マッドネス・スタッドレス』『浣腸ピース』『益子・ダ・直美』『ドラゴン・ボール』そしてアンコールはあのキリストもブッ飛ぶ名曲『Gray・メドレー』!! どうだ、このラインナップを聞いただけで失禁してんじゃねえぞゲロパンティども! イエー!」
イエー
「オーケーオーケー、ただでもお前ら、これだけは聞いて欲しい。照れくさいけど、俺、お前らに会えてよかった」
泣かないでー
「泣いてねえよファッキン! でも感謝の言葉は伝えたい……お前ら、どうもファッキンがとう……」
イエー
「オーケー! じゃあ俺たち『インストゥルメンタル・ジャーニー』初来日公演! 行ってくるぜ!」
気をつけてー

2007年02月28日 15:07


■って友達が言ってた

<<他県まで轟け! 俺のアニメレビュー>>

・すもももももも
突然謎の許婚が家に押しかけてきてエロありハプニングありのハチャメチャ大騒動平たくいうと「らんま1/2」を3/5ぐらいに薄めたもの。もう髪の毛の色が合成着色料だなんてことには一切抵抗がなくなってしまった次世代女性観の持ち主以外にオススメできる箇所は「らんま1/2」っぽいよ、という部分だけ。でも作者の変態描写力が高橋留美子の腰までぐらいしかないので面白いかどうかって言えば微妙だが構わない! だって俺はもも子萌えだもん! なんて奴とはマジ分かり合えない。いろはのが萌えるっつの。

・R.O.D -Read Or Die-
紙使い、ってのは要するに紙ヒコーキで飛行機を撃墜できちゃう人っていったら「あー! お隣の!」なんていう世界観でお届けするR.O.D。紙使いってキャラ、僕は新鮮だったんだけどこの世界の中じゃ普通にいる人なのね割と。でも読書好きだからって「読子・リードマン」ってネーミングセンスはどうかと思う。八千周した挙句「爆笑」のマスに止まっちまったよ二十三歳になるのに、狙ってたとしたらこの作者よほど凄腕のディーラーだな、なんてことはさておいて声優が三浦理恵子なのにキャラが一切脱がないってどういうことだ! アレかミッキーマウスの中の人が全裸とか、そういう感じのか! それはそれで!

・R.O.D -The TV-
「すいませんお隣に越してきたものですけど」「あら、あらやだご丁寧にどうもー。お仕事何してらっしゃる方なんですか?」「紙使いなんですよー、特殊工作員でして」「あらそう、大変ねえ」だからその「紙使い」って設定にもうちょっと驚こうぜ世界、っていう相変わらずの世界観。何かもうスプーン曲げれるぐらいのノリで紙を武器や乗り物にする。前作R.O.Dの五年後って設定なので前作の主人公とか出るし、黒幕は前作の登場人物だし、陰謀は前作からの因縁だし、あれ! お母さんこの鍋残り物しか入ってないよ! でもアクションシーンのメリハリとか音楽とかかっこいいから、ちゃんと食べなきゃ駄目よ。はーい!

・サムライチャンプルー
サッカー部とかバスケ部とかが見て良いアニメ。「綾波萌えだよなー!」とか言ってて世界にドン引きいただいている人種にカッコメンが「アニメ好きなの? 俺も最近アニメ見たんだよ」なんて言いながら近づき周りの女子に(え! 帝塚川原サマったらアニメなんてお召しになるの!?)と、思わせ「どんなの?」「サムライチャンプルーってやつ」「サムライチャンプルー良いよね! フウ萌えだよ! あと鶴ひろみがゲストで出てるっていうのもポイント高い」「あ、ごめん、そういう見方してなかったから」イヤーン! 泥舟ー! でもアクションの爽快さと後半の盛り上がりはworth to 一見。「COWBOY BEBOP」や「蟲師」が好きな人なら。

2007年02月28日 01:55


■三段落

ジリリ。

ジリリリと真夜中の三時にゴリラでも眉を顰めるぐらいデリカシーの無い音が鳴り響く。火災報知器が、何故だか鳴った。うちのアパートで火災報知器がなる原因は大きく分けて四つ「誰かが間違って押した」「酔っ払いがへべれけにプッシュ」「青春をこじらせてエルボー」「火事が起こった」

実に八割弱が娯楽の少ない人間によるうっかりファイアーなのだがそれでも「火事」の可能性は拭いきれず、次々と隣人達が外へ出てくる「何これ?」「何かあったんですか?」「#%&#!?」「*#$%」「&%##!」「$5&\....」

出てきた隣人の八割弱が中国人という新事実。このロイヤルチャイニーズフラッシュは、奇跡の女神が爆笑してjokerが五枚揃い、かつ隣の雀宅で四人同時に天和しかも全部ドラえもんとか起こったとしても勝てない威力。しかも七百度以下の火なら「強火」で済ませる国の住民なだけに全く動じてない。「それよりメンマがふやけちまう」といった風情だ。さすが大陸製は度量が違うなどと思いながら部屋に戻ると隣から叫び声、「メンマ」までは聞き取れたが。

2007年02月27日 04:33


■ポテンシャルウィーダンス

アニメ。

日がな一日アニメという名の荒野を裸に国旗一丁という格好で駆け抜ける一陣の風こと僕。しかしあれ、アニメなんて見ても何にもならないね。楽しいけれども人生の何の足しにもならないってことがわかったよ今度こそは。いくら目の前で超常能力満載の主人公達が「気」のようなサムシングで迫り来るエネミーをチンしてたとしても、僕は相変わらずキャベツの黒ずんだ部分を取らないと食えない常識人。

そんな毎凡日をいくら繰り返したところで美少女が空から降ってくるわけでも突然許婚が押しかけてくるわけでも謎の女性との接触で潜在能力が覚醒するわけでもなければ外の変電盤をいくらスクラッチしても古代兵器は目を覚まさないまま電気代ばかりがto be continued、それでもアニメを夢を見せる。こんな駄目な僕でも、目の前で最愛の女性が殺されたら、無二の親友が爆発させられたら、師匠が僕をかばって串刺しになったら、初めて僕のこと「お父さん」って呼んでくれたらきっと雨が降っててもコンビニくらいに行く勇気湧く多分。

2007年02月26日 01:41


■オムライスにもなります

日本語。

ウェイターというぶっちぎりの接客業でバイトしてる僕だが、ちゃんとした敬語のレッスンを受けたことなどないので「間違い」とされている言い回しをよく使う。料理を持っていくときだって「カレーライスのお客様」。俺は課長だカレーじゃないと睨む中間管理フェイスを尻目に「こちらカレーライスになります」の決め台詞。

我ながらおかしいと思う。カレーライスを頼んだんだからライスにカレーが騎乗してるもんが出てくるだろうし、見た目からも明らかにカレー騎乗ライスだってことはわかる。なのに「カレーライスになります」「になります」って何だ。これは現在カレーライスではないのか。時間がたったらカレーライスになるのか。それとも田舎から「俺、BIGなカレーライスになるから!」と親の制止も聞かずに飛び出した夢溢れるストリートカレーライスだというのか。その見た目でハヤシライス扱いされたり、やっと事務所に入れてカレーの仕事をもらえたかと思ったら福神漬けの方が多かったり、ドラマに出てもうんこの役だったりするんだろうか。でもいつかカレーになるのを夢見て、駄目だ切ない、泣けてきた。

今度からちゃんと「今はまだうんこです! でも!」って言おう。

2007年02月23日 15:43


■命短し夜勤せよ乙女

バイトを。

それを、バイトを増やさねばならぬということである。今後本当の意味で自立した人生を歩むため、収入を手っ取りクイックに増やせる方法としてバイトを増やすのだけども、別に何かしたいこともあるわけでもないので、なんでもいいのである。

僕がバイトを探すとき第一にして至高の条件として「空襲があったら一緒に焼失するぐらい近い」というのが挙げられるため、基本的にfromAとかはあんまり使わず足で探す。家の周り半径2,3km付近をぐるりと巡ってそれらしい仕事を探していくわけだがそれにしたって数多くの店舗がバイトを募集している。パン屋にレコード屋に薬局、幅広く職はあるが近ければとにかくなんでもいいのである。

パン屋なんかはいいかもしれない。毎日前を通ると香ばしいパンの匂いのする店舗の中で、朝一番のイースト菌をお届けするべく釜の前でパンが焼きあがるのを待つ僕。「おはようございますー」爽やかな挨拶とともに、レジカウンターから顔だけ出して挨拶をするのは、このパン屋の一人娘にして看板娘の百合子さん、朝からお疲れ様ですなんて言葉を交わしながらエプロンをしめる百合子さんを後ろから見る、紐を口で押さえながらエプロンをしめるその姿に見とれていると百合子さんが急に振り返り僕は慌てて後ろを向く「どうかしました?」「い、いえ!」「あ、やだ、三村さんたら」「え?」後ろを勢いよく向いた途端にクロワッサンの両端が鼻に刺さっていたのだ「やだもー! 牛の鼻輪みたい……!」「あ、これは! すいません、みっともないところを…!」「もー朝から笑わさないでくださいよ!」僕らは二人の関係が、ふっくらと焼きあがっていく……。

しかしまあ、CDショップも中々面白そうだ。朝一番に棚のCDを並べなおす、これが僕の日課だ。視聴しては元の場所に戻さないお客さんが多いので、毎回結構な量のCDがちぐはぐな場所へ置かれてしまっているのだ。これ、は、美川憲一のCDか、何で「か」のところなんかにあるんだ……「み」……「み」よし、で、これは室井滋……「む」……で、これは……「ら」……「く」…「ん」……「ス」……「キ」…うん? 「み」「む」「ら」「く」「ん」「ス」「キ」? 「おはようございます!」「うわ、びっくりした!」「あ、CD整理してたんですね、あたし昨日帰るときCDバラバラに入れちゃって……」「え? 百合子さんが、じゃあ、これって……」

薬局も悪くない。「すいません」「どうしました?」「あの、アレルギーの、薬を……」「アレルギー、ですか? 何のアレルギーでしょう、花粉症ならこちらの」「いえ! ちが、うんです、あの、好きな人の前に立つと、あ、あ、あがっちゃうのを直した、くて」「……なるほど、内服薬がいいですか? それとも外用薬?」「外用薬、なんて、あるんですか?」「ええ、唇に貼るタイプの」「あの、そ、そ、それください!」「わかりました、じゃ、目を閉じて……」

なんでもいいのである。

2007年02月21日 23:39


■容姿端麗だけど寝坊

起きれない。

最近朝に酷く弱い。全く起きれない。午前中に起きれないのだ。午後になると打って変わって起床できる。まるで僕の体が午前中を拒否しているかのように、午前中は僕をベッドへ縛り付けている。

これはもうただ朝に弱いという次元の話ではない気がしてきた。午前中における僕の眠り方といったら「二度寝」などというものを遥かに超越している、そう、午後になるまで二度でも三度でも寝続けるのだ。まるで時を刻むかのように、僕は三十分おきあるいは一時間おきに目覚めて、午前中であったら眠り午後だったら起きる、二度寝なら二度で済む話だが、これはもはや午前中に起きることさえ許されないラビリンス。そこでこの現象を迷宮寝入りと名づけた。

問題はこの迷宮寝入りだけではない。午前中に起きれないのなら、寝る時間を早めるという解決方法が一般的にはある。しかし、これさえも僕の体には付け焼刃に過ぎないのだ。たとえ前日の九時に寝たとしても、起きるのは次の日の午後。そして夜更かしして午前三時に寝たとしても、起きるのは午後、しかも午後十二時半といった生まれたての午後なのだ。「睡眠不足」などといった生ぬるい言葉ではすまされない、午前中という時間帯を徹底的なまでに破壊しつくすそのゆるぎなき力を、睡眠メギドと名づける。

迷宮寝入り、睡眠メギド、この二つの奇跡で僕は午前中はまるで死んだように眠っている。声をかけても、ゆすっても、あるいは横で母親が犯されていても目覚めることのない深い眠り、これはもう「寝る」などというレベルを遥かに凌駕した、次なるステージの事象。人間が輪廻の真理に近づくために行う、最後の瞑想とも言えるこの深い深い行為! 僕はそれにこう名づけた。

寝過ぎ、と。

2007年02月17日 16:09


■猫ちゃん砲

なんか楽しくなってきた。

よくわからないが、今キーボードを叩いているのがとても楽しい。勘違いしてもらっては困るが、文章を書くのが楽しいわけではない、むしろ文章など書きたくないというのが本音であってただキーボードを叩く行為が楽しいいいいいいいいいいいいいいいもう今の「い」の連打とか失神するかと思った。気持ちよくて。

これを何故今まで気づかなかったのか、何千何万とキーボードを叩きながらもそれをエンターテイメントとして楽しむという発送がなかかかかかかみゅかかかかかみゅかかかかかみゅ今のKとAの連打の合間に挟まれるM.Y.Uなんかはもう哲学の域に達しているとはいえないだろうか。偶然にもカミュの文字が入っていることもより一層その文学性に拍車をかけていると言えるだろうかかかかかかかかかかかみゅかかかみゅかみゅかかかかかかかかかか。

これを一人で楽しんでいては何かもったいない気がしてきた。友達を呼んで、家族を呼んで、いやもう国を挙げて国際的にこれをスポーツとして広く認めてもらいたい。そして全員の力を合わせて天を衝くほどの巨大なキーボードの塔を建造するのだ! 国籍も人種も利き腕も関係ない、理想郷がその巨大なキーボードのESCキーの辺りに出来ればまさに天国だと、ノアの箱舟なんか必要ない、このキーボードさえあればエデンとUSB接続もPS/2接続も思いのままだ! しかしそれをよく思わない神がキーボードを粉々に破壊してしまった。キーはちりぢりに飛び散って、スペースキーがオーストラリア大陸の真ん中の落ちてきた。人々はそれをエアーズロックと名づけた。今でもエアーズロックを踏むと、どこかでスペースの空く音がするという。

2007年02月14日 17:43


■ランジェリック・ルパン

下着ドロ。

要するにベランダに干してあった洗濯物の中から下着だけ盗むという泥棒ランキングの中でも万引きと下位を争う程度の低い泥棒だ。ちなみに一位はうまい棒を一切砕くことなく万引き。それが彼女の家に出たらしい。というよりは、被害に遭ったらしい。

干してあった洗濯物の中からパンツ、正確に言うならパンティのみが盗まれていたということだ。知らない人間がベランダに上がりこんだという事実もさることながら、パンツのみ取られている事実に「どうしてブラは取らないの!」と、怒髪to the top.「どうせあたしの胸が小さいからだ! っていうか『お前の胸小さいよ』っていうメッセージだこれ!」と、少し風変わりな被害妄想を抱きながらいたくショックを受けている様子なので「いや、そんなことないと思うよ!」

「じゃあ何でパンツだけ取るの? 変態じゃんそんなの!」
「いや下着泥棒って一般的に変態だけど」
「あれじゃない、泥棒じゃないんじゃない? 風のしわざとか」
「どんだけ器用な風なんだ」
「だって信じられないよ、パンツだけ取るなんて!」
「パンツが凄い好きな下着泥棒なんだろ」
「そんな人いる? 知り合いにいる?」
「いたらそいつ犯人だろうけどさ、まあいるんじゃないの」
「あ、わかった! パンツなかったんだ」
「どういうこと」
「女の子が家に遊びに来たんだけどパンツがなくて『あ、そうだ、隣の家から』みたいな」
「何でノーパンで遊びに来てんだその女」
「違うって、換えのパンツがないって意味」
「いいよそんなどうでもいいリアリティ。とにかく被害届け出しなよ」
「何て言ったらいいの? 『パンツ取られたんですけど、知りませんか?』って?」
「だから知ってたら犯人だっての。まあいいじゃん、ブラだけでも残ったんだから」
「よくない! ブラとパンツは揃ってないと気持ち悪くて着れないの!」
「ああ、そうなの」
「ブラだけ残ってもどうしようもないし……いる?」
「いらない」
「小さい胸のブラだから!?」
「もうそれでいい」
「あーもう、超恥ずかしいじゃん、警察にも言えないし!」
「警察には言えよ、一応被害にあったんだから」
「だって下着盗まれましたとかだけ言うの? 言えないでしょ?」
「まあ、そうだけど」
「あーもう! いっそ放火してくれたらよかったのに」
「なんでよ」
「そしたら言えるじゃん、放火されました、あと下着盗まれましたって」
「それはもう下着ドロじゃなくて、下着テロだよ」
「……うまーい!」

ありがとう。

2007年02月10日 18:59


■テニスの放射能part5

『テニスの放射能』part5

(どうすればいいの……どうしてもサーブで誰かを殺めてしまう……!)
「それはあなたの心に邪心があるからよ!」
「部長! どうして私の心を!」
「読心術部の友人に教えてもらったのよ、あなたのテニスには邪な心があるわ!」
「な、どういうことですか!」
「あなたはテニスを復讐の道具として使うことしか考えてない。そう、殺されたお母さんの復讐にね」
「母はまだ生きています!」
「さっき私が殺したわ!」
「え、部長! いくら部長でもそれはプンスカ!」
「それよ! その復讐心がある限り、あなたのテニスは人を殺め続ける!」
「どきっ!
でも、でもどうしたらいいんですか!」
「邪心を消すのよ……校舎裏にあるコスモ山、その山頂に邪心を消す軟膏があると聞くわ。それを持ってくるのよ!」
「え! でもあそこは自殺の名所で、死んだ人たちの亡霊部の人たちがボランティアで山を荒らす人たちを殺しまわってるって噂が……!」
「だからこそ、よ。そこであなたの実力を見せてもらうわ。
襲い掛かる亡霊たちを、テニスで振り払うのよ!」
「……わかりました! この私のテニスで、亡霊をぶっ殺しまくります!」
「その意気よ!」

(半年後)

「はぁ……はぁ……やっとついた!」
「ブイ美さん!」
「ブイ美!」
「みんな! 久しぶり!」
「邪心は消えたの!?」
「うん! 軟膏塗ったらスーッとしちゃった!
あ、練習試合は!?」
「もう四ヶ月以上前に終わったよ!」
「え! なんてこと……あ、部長、部長は!?」
「卒業したわ」
「ええー!?」

第二部 完

2007年02月10日 18:24


■テニスの放射能part4

『テニスの放射能』part4

「さ、目前に迫った私立二層式高校テニス部略して「にそテニ」にさらわれた数学の溝口先生を助けるために練習をするわよブイ美さん!」
「はいっ!」
「さっきも言ったけれど、奴らは反則スレスレのプレイをしてくるわ」
「はい! それを上回る反則ことチェーンソーで奴らをギッタギタのバラバラにしてやるんですね!」
「それだけじゃ駄目! もう一つ大きな問題があるの」
「え?」
「あなたは反則と同時に、テニスもしなくてはならないわ!」
「えええ!」
「なぜなら向こうはテニス部……」
「そんな……チェーンソーに鎖をつけたこの「アーバン鎖鎌」を振り回していれば勝手にバラバラになるものだとばかり……」
「一筋縄ではいかないということね、しかし安心なさい」
「え?」
「あなたも、テニス部なのよ!」
「!!」
「テニス部である以上、テニスはできてしかるべし! だからあなたにこの一ヶ月間、みっちりとテニスを叩き込んであげる!」
「はい! お願いします!」
「まずはサーブよ、これが打てないテニスプレイヤーは大体就職してテニスと関係ない職についてるわ!」
「ごくり……!」
「打って御覧なさい」
「はい! それっ!」

びゅっ!
グシャッ!

「入った!」
「いいサーブだわ、速度、威力、タイミング、何をとっても一流と言える、でも!
自分のサーブがバウンドした場所をよく見て御覧なさい!」
「え!? あ! タンポポの花が一輪つぶれて……!」
「命を無駄にするサーブでは、ボールはインでも人としてアウトよ!」
「くっ! もう一球お願いします! それっ!」

びゅっ!
ニャー!

「あ、猫が!」

びゅっ!
パオーン!

「象牙が!」

びゅっ!
ギャー!

「要人が!」
「どうしたのブイ美さん、それでは私に勝てないわよ!」
「くっ!」(どうすればいいの……!?)

2007年02月10日 17:52


■テニス放射能part3

『テニスの放射能』part3

「じゃあブイ美さん、早速練習を」
「でも待ってください部長、軽はずみにシングルスワンに出るって言ってしまったけど、その『にそテニ(二層式高校テニス部)』は、どんなテニスをするんですか?」
「そうね、ラフなプレイヤーが多いわ」
「というと?」
「反則スレスレの行為を平気でする連中なの。ラインをはみ出すギリギリでサーブを打つし、ギリギリ規定内のラケットをためらいもなく使用する。さらには反則スレスレのシューズをはいてきたり、一歩間違えば退場の言葉を吐きながらかろうじてルールにひっかからない打ち方をするわ」
「それって……!」
「そう、やることなすこと全て反則スレスレなの」
「いいんですかそんなの!?」
「ええ、だって反則スレスレなだけで、反則ではないもの。めちゃくちゃフェアプレーよ」
「そんなこと、許せない!」
「そういうところ、何時郎選手にそっくりね……でも大丈夫、対抗策がないわけではないわ」
「え!?」
「相手が反則スレスレの行為をしてくるなら、こっちはもうド反則で対抗するのよ!」
「毒にはより強い毒を……ですか?」
「そうよ、本番用の仕込みラケットと麻酔銃はこちらで用意しておいたわ」
「部長……! ありがとうございます! こんな私のために……!」
「ふふ、さっきも言ったでしょ、私はあなたの今後に興味があるだけ。
さ、このシューズとユニフォームは、あなたのものよ!」
「凄い、このシューズつま先からチェーンソーが出る! ユニフォームも裏に数学の公式がびっしり! いつテストが来ても大丈夫ですね!」
「そしてこの笛を……」
「これ何ですか?」
「吹くとゴリラが来て、相手をくしゃくしゃにするわ」
「すごい!」
「でも吹くところを見られると反則を取られるから、ユニフォームの脇に仕込んでおいて、脇の匂いをかぐ振りをしながら吹きなさい」
「はい! これだけ反則できれば、相手の反則スレスレの行為なんて目じゃないですね!」
「油断は禁物よ、なんたって相手は反則スレスレのことをしてくるんですからね」
「はい、部長、ありがとうございます!」
「お礼は勝ってから、ね?」
「はい! にっくき『にそテニ』を、このチェーンソーでバラバラにしてやります!」
「その意気よ! さ、次こそ練習シーンに行くわ!」
「はい!」

2007年02月03日 23:39


■テニス放射能part2

『テニスの放射能』part2

「でも、部長、やっぱりどうして私なんですか? シングルスワンは、やはり実力で部No.1の部長がやるべきだと……」
「ブイ美さん、私は見てみたいのよ」
「ターミネーターの続編をですか?」
「違うわ。あなたの本当の力を」
「本当の力だなんて、私にはそんなもの」
「いいえ、あるわ、申し訳ないけど、私あなたのこと少し調べさせてもらったの」
「え!?」
「過去に全米であらゆるタイトルをかっさらっていった幻の日本人テニスプレイヤー……」
「……」
「その野性味あふれるプレイスタイルと、ラケットを二本同時に使う技術……そんな彼の姿から、当時のテニスプレイヤー達は彼のことをこう呼んだわ

『おサムライ何時郎』

知ってるわよね?」
「……はい」
「そして私は調べているうちにあるとんでもないことに気づいたの、彼の、何時郎選手とあなたの驚くべき共通点」
「…………」
「彼とあなた、血液型が同じなのよ!」
「!!!」
「それだけじゃないわ、利き腕も国籍も箸を使ってご飯を食べる癖も、何もかも!
……あなたを最初見たときから、何時郎選手が重なって見えたのも納得できたわ」
「私は……

私は、比べられたくなかったんです! 血液型とか利き腕が一緒ってだけで、みんな私と何時郎選手を比べてしまう、辛かったんです……! それが、とても!」
「でもブイ美さん、私は知りたいのよ」
「美味しいオムライスの作り方をですか?」
「違うわ。何時郎選手と多くの共通点を持ちながら、何時郎選手を否定するあなたが、どういう力を発揮できるのかをよ」
「そんな……」
「やってくれるわね、ブイ美さん!」
「どこまでやれるかわからないけど、私、頑張ります!」

2007年02月03日 23:39


■テニス放射能part1

『テニスの放射能』part1


「ええええー!!!」
「わ、私があの数学の溝口先生を拉致ったにっくき私立二層式高校テニス部略して「にそテニ」との試合で、シングルスワンを!?」
「ええ、そうよ」
「だっ、無理です! 私なんてまだそんな初潮も来てないのに」
「あら、そこまで無理だと、私は思わないわ」
「そうよ、ブイ美ならできるわ!」
「おだまり!」
「ひっ! 部長!」
「私は天才テニスプレイヤーだし、選手を見る目も確かだからこの子の才能が凄いってことは丸わかり、そう、不自然に手首を内側に丸めて店を出ようとする子供が万引きしたボールペンを袖の中に隠してるってことぐらい丸分かりなのよ! あなたみたいなテニスの才能というか呼吸の才能も人並みで生まれもさほどよくないからかさぶたほどの教養も持ち合わせてなく葬式にジーパンで着ちゃって「え、でもブラックジーンズですよ?」とか答えてしまう凡JEANが軽々しく私の意見に賛同しないでちゃぶだい!」
「部長! いくらなんでも、それは」
「あら、失礼」
「古すぎます! ちょうだいとちゃぶだいを掛けたダジャレ……いくらなんでも、古すぎます!」
「!!」
(なんてこと! この子ったら、目の前で友達がメガなじられてるっていうのに、私がこっそり隠した、そう、肥溜めに落とした鼻くそのようなダジャレに気づくなんて……!)
「いいの! ブイ美いいの! 悪いのは私だから……」
「人間(ひと)み……! でも、さっきのはいくらなんでもダジャレとして古すぎて」
(超人的な反射神経!!)
「う、うふふふ」
「ぶ、部長!?」
「あは、あーはっはっはっはっは!」
「部長! どうしたんですか!? どこか具合でも、前頭葉? 前頭葉かしら!」
「いいえ、ますます楽しみになってきただけ……。ブイ美さん、胸を張りなさい。あなたは、本当にダイヤの原石よ!」
「いえ、そんな……」
「話は聞かせてもらったぞ!」
「あなたは! 国語の大口先生!」
「こんな俺でも何かできるかわからんが、力にならせてもらう!」
「ちょっとまった!」
「あ! 理科の橋本先生まで!」
「へへっ、大口くん、もし敵が石灰石と塩酸を反応させてきたら、誰が水上置換法を行うんだい…?」
「先生……!」
「おっと、忘れてもらっちゃ困る!」
「ああー! 社会の谷木先生!」
「赤潮の出来る原因、知ってるぜ……?」
「さあ部長さん、我々も老いたとはいえ教師のはしくれ、そのシングルスワンに一臂の力添えをしたい!」
「先生がた……!」
「ま……テニスも教育も紙一重ってね」
「わかりました、では、今回のシングルスワンは

ブイ美さんにやってもらいます全部! いいわね!? ブイ美さん!」
「はいっ!」

2007年02月03日 23:38


« 2007年01月 | 2007年03月 »