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■狂気の山脈にて

便座が冷たい。

夏場はまだ「ヒンヤリ」ですんでいた便座の冷たさが冬ここに極まってからというものの完全なるポータブルブリザードと化した。

冷たいなんてものじゃない、寒い、この便座に座っているだけでちょっと遭難した気分になれる。ケツ肌が便座に触れた瞬間、俺の全神経がごめんなさいする。これ以上は無理だと体が告げる。生身の肌で氷点下に触れることの愚かさを身を持ってしる、そうだ、北極に住む白熊があんなに毛むくじゃらなのは、素肌で便座に座らないためだったんだ。すごい進化すごい!

だが人間には知恵がある。毛むくじゃらない代わりに文明を発達させてきた。つまりこのケツブリザード問題も文明が解決してくれるはずなんだ! ってことで教えてプリーズGoogle先生「便座 冷たい 助けて」でググったところ便座カバーなる利器があることが発覚、これだ! この利器だ! 早速自転車という利器を漕いでホームセンターの利器売り場に行って便座カバーを買ってきた、これで、これであの極寒の地から解放される! 成人式二十回分のテンションを抑えながら便座カバーを装着する。

着かない。

サイズがどうっていうより、形状が合わない。
家の便座は完全な環状便座いわゆるウロボロスの蛇型なのだけども、買ってきた便座カバーはどうやら便座の右半分と左半分が環状になっておらず、Uの字状にすっぱりと真ん中で仕切られ、便座同士が出会うことの無いいわゆる織姫彦星型だったのだ。逆ならともかく、織姫彦星型のものをウロボロス型に着ける事はできない、形状的にどうやっても不可能なのだ。

呆然とした。花嫁のブーケを新郎の室伏が投げた時ぐらい呆然と立ち尽くした。

これではダメだ、この便座カバーでは俺のケツに人の温もりを伝えることはできない。装着できないのでは論外だ! どうする?

穿くか?

便座に俺が座るのではなく、俺自身が便座だったんだ!
というSF的観点から便座カバーを穿くか?

それなら俺が凍死しても、仲間たちは助かる。便座カバーを穿いて便座に座った俺の上から座れば、仲間たちはこの極寒の悪魔に囚われずに済む、行け、同士よ、進め! 俺に構わず、「俺に構わず、さっさとうんこだ!」
「隊長! それでは隊長のケツが!」
「俺に構うな! ぶりぶりしろ、しーこっこしろー!」
「隊長ー!」
「う……う……隊長、俺たちのために!」
「バカ野郎、いつまでも泣いてるんじゃねえ! 隊長の犠牲を無駄にする気か!
 今俺たちが無事に排便できるのは、隊長のお陰なんだぞ!」

いや便座カバーだけどな。

2009年02月27日 02:42


■シャトルスペース

バトミントンのシャトルにまみれている。

毎日じゃないけど、家の前の道路がバトミントンのシャトルにまみれていることがある。まあ、ようするに向かいに住んでる一家がどうも野球erらしくて、それでなんか親父が「バッティングの練習や!」とか言いながらバトミントンのシャトルを使ってるみたいなことなんだけど、その量が異常。

何の覚悟もなく玄関を開けると「え、ニセコ?」ってぐらい一面白銀の世界。トンネルを抜ける、以外の手段で目の前が白銀の世界になる手段なんざ川端康成すら指摘してなかったはず、何、何が原因なの? 寝相? 寝相悪くて視神経捻挫した? とか思ってると親父が笑顔で「すいませーん!」
 
その声でああこれバトミントンのシャトルなんだ、ってわかるぐらいの意識は戻るんだけど、落ちてるシャトルだけでも軽く百個は超えてる。しかも親父の持ってるカゴみたいなのの中にはさらに大量のシャトル。

お前それ確実にシャトル列車強盗したろ、もしくはシアトルマリナーズのシアトル部分を何か勘違いしたろって思うけど、野球やりたい! って情熱でそれだけ野球に関係ないスポーツグッズを買えるものなんだろうか人間って。

それじゃもし、イチローが

「ヒットになるときのミート感は、おはぎに右ストレートかましたときと似ているよね」

ってNumber辺りのインタビューに答えたらあの家族はおはぎを大量購入して夜な夜なおはぎに右ストレートをかまし続けては「駄目だ! 全然こしあんのままじゃないか! はじけてつぶあんになるぐらいじゃないと、イチローにはなれないぞ!」とかいってる中、僕は出かけなきゃいけないんだろうか。おはぎ虐待現場を目の前に「すいませーん!」そりゃすいませんだろうけども。

そうなったら和菓子業界大打撃だろうなーバッティングだけに、とか上手いオチをつけようと思ってたらこないだそこん家の子供がおもっきりサッカーボール持って遊びに行ってた。また何か言ったなイチローめ。

2009年02月25日 22:33


■寝逃げ監督

あけましておめでとうございます。

睡眠と起床とバイトが三つ巴の毎日だっつってこいつら三すくみどころか三位一体、「おかあさんといっしょ」でマスコット張れるぐらいのコンビネーション、そのイチャラブスパイラルの渦中、中心気圧が寝起きの大塚寧々よりも低い毎日を特にもがくでもなく泳ぐでもなく、かといって流されるのは嫌だから顔でスゲー抵抗する。周りに流れる水をこれでもかってぐらいドンにらみ、分子レベルでガン飛ばして流されるのは嫌だと表現するも結局手とか動かすのはマジだるいしもうすぐ河口も近い。

駄目だ駄目だ、代打だ代走だ、俺の努力ペルソナを数人叩き起こして無理やりにでも漕ぎ出さないとこりゃ川の藻屑が海の藻屑にランクアップしてしまうなどとダグアウトに行くとそこでは「怠惰」が入念なウォームアップ、コイツ、何回ドラフトで出しても戻ってくる。市松人形かよお前。

そんなわけでせめて指でも動かしてりゃいつかは「今日のラッキーアイテムはA.S.D.Fキー!」なんて日も来るだろうと思ってキーボードを叩いているんだけどもこの時点で相当仕上がった「三日坊主」が海外留学から帰国。ついで「欺瞞」と「虚勢」のGKバッテリーが山篭りから生還し「諦観」と「妥協」の二大巨砲もアルカトラズから出所してもうプッツン! 寝る!

2009年02月25日 01:46


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