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■ジョジョの奇妙な冒険/荒木飛呂彦

ジョジョの奇妙な冒険 1 (ジャンプ・コミックス)


各部(第七部以外)ごとの見所をまとめると、
【第一部】吸血鬼とて怯まず人外とて臆さぬ勇気こそが、人間の力なのだ! 
【第二部】舞台と世代が変わっても人間の勇気は不変である! 
【第三部】お金が出来て色んなところを旅行できたしそういうのも盛り込みたいし人間の勇気マジスゲーし! 
【第四部】人間の勇気が息づく仙台みたいな静かな街に暮らせたらなー! 最高だよなー! 
【第五部】ギャングやべーかっけー! 
【第六部】出所してきた友達が聖書貸してくれたよー!
特に第四部は作者のこんな街住みたさ感が前面に出すぎててオススメ。

2011年07月17日 01:45


■テンペスト/池上永一

テンペスト 第一巻 春雷 (角川文庫)


初めて来た街でふらっと入った立ち飲み屋。しょぼくれた店内の隅っこで一人泡盛をあおる女がいたから話しかけてみたら、なんとやけにしゃべりが達者。話おもしれーなこのネエちゃん、昔水商売でもしてたのかな? なんて思って「なんか接客業とかやってました?」って聞いたら「ううん、昔ちょっと首里城で王妃やってたぐらい」とか言い出して思わずキョトン。そんな俺を見てクスリと笑いながら上目に「聞きたい?」はい、聞きたいです「そっか、じゃあ、えーと、あ、あたしのパパが国家反逆罪で処刑された話はしたっけ?」えー! 何それどういうことー!?
みたいな小説。

2011年07月15日 12:10


■嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん/入間人間(著)左(絵)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)


重要なのは一も二もなくキャラクター。まずキャラを好きになってもらって、彼らの物語を末永く見守りたいと思わせることこそがライトノベルにおける「成功」の形の一つであると信じて疑ってなかったんだけど、何これ、いいの? こんなに友達にしたくないキャラしか出てこないものをライトノベルとして出していいの? 出てくる人物たちは一癖どころか、難癖を何癖も貼りつけたようなやつしか出てこない。絶対友達にしたくない。なのにページをめくる手は止まらないし、なんだったら普通に面白い。意味わかんないなんでなんでとしばらく自問してたら、あー、思い当たった。これあれだ。シリアルキラーの詳細をwikipediaで延々追ってたときの感覚に超近い。最高におぞましい娯楽。もっともグロテスクな暇つぶし。そういう感じ。

2011年07月15日 12:07


■ダシマスター/松枝尚嗣(作画)早川光(原作)

ダシマスター 1 (ヤングジャンプコミックス BJ)


多くの料理漫画が「食材」や「調理技術」「アイデア」などを題材に、特級厨師を目指したり事件を解決したり大谷の罠にハマったりしゃくれたりしてる中、それらの主人公たちが当然出来ているとされてる「ダシを取る」ことのみに焦点を当てた一点超ニッチ突破な漫画。超高級食材を使った料理や、グルメすぎて性格悪い実業家などを、ただただ「ダシを取るのがうまい」という理由だけで打破していくのだけど、その過程が実に丁寧に描かれてるため説得力は抜群! うん、ピンと来ないと思う。俺も最初そうだった。作中に出てきた、ヨーグルトと味噌を混ぜて作ったみそ汁があんな美味くなかったら、今でもピンと来てなかったと思う。

2011年07月15日 12:05


■イニシエーション・ラブ/乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫)


作中に出てくるあの女がホントムカつく、ホント、落ち着けよ、と言われても中々無理なぐらいじたばたしちゃう読後感。マジでムカつく無理もうあの女の右鼻に生クリーム、左鼻にヨーグルト詰めてこれからのうんこ全部サワークリームにしてやりたい。本作に仕掛けられたトリックに微塵も気づけなかった悔しさも多少あるかもしれないけれど、このムカつきはそれを遥かに凌駕するし、つまりそうなっているということは、まさに作者の仕掛けたトリックが一つのミスもなく成功しているということなのだ。たった一行、いやわずか一語にして世界を転覆させる「どんでん返し」しかもそれをあろうことか恋愛小説で! しかもあんな形でやってのけるとは! 絶対この作者性格悪い。でもめちゃくちゃ仲良くなれそう。

2011年07月15日 12:02


■ベン・トー/アサウラ(著)柴乃櫂人(絵)

ベン・トー サバの味噌煮290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)


人間が焼却炉に入って無傷で済むとか天井まで跳躍できるわきゃねーだとか、細けえこたいーんだよ! ガハハハ! んでな、こいつらがスーパーの半額見切り品になった弁当を命がけで奪い合うんだよ。命がけっつっても伊達や酔狂じゃねえ、ホンモノの命がけだぜ? シールが張られた瞬間アメフトのスクラムみてーに大の男ががっちり組みあって、その塊を買い物カートが重戦車よろしく蹂躙したりよう! そんな戦場に美少女が一人いるんだけどよ、こいつが滅法強えーんだまた! カーッ! 傷ひとつ負うことなく弁当を持ち去るその姿についた二つ名が……【氷結の魔女】 ガハーハ! どうよ! 燃えてくんだろ! もちろんライバルもいてな、【魔導士】の二つ名を持つ男なんだがコイツの能力ってのがまた……オイ、聞いてんのか坊主。なんだ、寝ちまったのか。

2011年07月14日 23:52


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